病院に行かないというこだわり
小さい頃、もとい10代の頃
私は総合診療科に趣味のように通っていて、
そこで騒ぐたびに「鬱」診断を受けて帰ってきた。
鬱とは?
うつ病のことも知らず、自分が鬱だとはまるで思えず
処方された抗うつ剤を飲んでは40時間寝て、また別のものを飲んでは1週間拒食症のようになり、抗うつ剤など二度と飲むかと誓った。
カウンセラーの予約もとられた。
カウンセラーといっても様々で、ベテランの高齢カウンセラーには安心した。
薄暗いオレンジ色の部屋で、どっしり構えたおばあちゃん先生が
「世界の平和を守るために私は暴力を働いてもいいと思っている」
みたいな過激なことを言っている子供に対して
彼女の思う世界平和、こうしたら世界は平和になると思う、と彼女の理想論を語ってくれた。
私は世界平和の話をしてくれることが嬉しくて、
世界平和に少しでも近づける方法があるような気がして
帰り道はわくわくしながら家に帰ったものだった。
またある先生は
やつれた顔をして、毎回私に
「私が担当をしている間は自殺だけはしないで。私の責任になるから…。」
と伝えてきた。
私は彼女のことが嫌いだったし、保身ばかりを考えている彼女を到底尊敬はできなかった。カウンセリング中も話す意味が見つけられなかったように思う。
私は「鬱」の診断だけのもと、色々させてもらった過去はあるが
これ以上「発達障害」やその他二次障害において、医者にかかるつもりは特にない。
私はアスペルガー症候群なのだと、自分で読んで気が付いてから
医者でそれを診断してもらうには、自己申告でこのような症状があると伝える問診がほとんどだと聞いたが
私は誰か他人を目の前にすると気丈に振る舞い、アスペルガー症候群の「外モード」を発揮する
つまり医者の目の前に座ったら、私に問題なんて何もないかのように振る舞い、診断なんてさせないはずだと思い、医者にはいくことを断念した。
帯状疱疹ができた時も
「変な蚊に刺されちゃって〜!」と笑って言ったら
「これ帯状疱疹だよ…?痛くないの?」と医者に逆に心配された私だ。
人に迷惑をかけないとか、人に変な目で見られないとかということに必死になっている私が医者で自分についての説明なんてするだろうか。
私は、アスペルガー症候群の特性にはほとんど、頭がもぎとれそうなほど頷いて共感できるのだが、
典型的なアスペルガー症候群の特徴とされるものでも、克服したもの、あるいはカモフラージュできているものもある。例えば「社交的であるか」という漠然とした質問。
きっと「アスペルガー症候群の人が社交的なわけがない」という質問の意図があるのだろうが
私は例えば、全く知らない人が公共交通機関で座っていた時、その人に話しかけて一生の友達になることもできる。(深入りはしないFacebookだけの関係とか)
しかし、3人以上の集まりには行けないし大勢の人が集まっている場所からはすぐに逃げ出す。どちらをとって社交的と言うのか。
人前でスピーチは仕事ならばできる。
接客も、仕事ならばできる。
しかし食事には友達とも行かない。
3人以上の人間の前で自己紹介なんてできない。
私は社交的なのか?外交的なのか?
「どちらともない」を選び続けて
「自閉症の気は薄そうですね」と言われるべきなのか?
アスペルガー症候群の診断試験をみると、質問の答えはおおよそ自分で判断できないし、自分で判断するぐらいならばオンラインの「アスペルガー簡易診断」で良いだろう、と思う。
実際のところ、「この設問はどう言う意味ですか」と質問ができないので回答があっているのかもわからないが、簡易テストを受けた時はこのようなものだった。
結果
総合85点
大人のアスペの傾向が高いといえます。
【内訳】
対人関係を築くのが困難=>100%
行動の強いこだわり=>75%
感覚が正常に働かない=>90%
そもそも、「人の気持ちがわかりませんか?」とか
「相手の言っている意味が汲み取れませんか?」なんて質問を本人にして何の意味があるのだろうと思う。
こちらは意図を汲み取れるだけ汲み取っているし、気持ちなんてネガティヴなものは痛すぎるぐらい伝わる。しかしそれは私の誤った解釈によるものだということは、第三者でないとわからない。
私からすれば私は気を遣えているし、人の言っていることも理解していると思っている。
アスペルガー症候群が試験を受けて
「うんうん、相手の都合も考えずにお願いとかしちゃう!」と思うのだろうか。その自覚がないから衝突がおきるのではないだろうか。
無論周りの人間があまりに困って医者に連れて行けば嫌々でも話をするだろうが、私は医療機関で発達障害が緩和されるとは思っていない。
そして何より、強迫性障害に動かされて爆走している自分を止めることができないのだ。
一分一秒でも無駄にしたら生きている価値はない
短く太く生きるをやりすぎている私からすると、医療機関へ行って、何度もなんども診察をして、カウンセリングをして、なんてことをする時間はないのだ。それならば自己判断でいい。間違った診断をされて、不要なカウンセラーに連れて行かれて、副作用ばかり効く薬を飲むのもこりごりだ。
さて、私はこんな大口を叩いているけれど
実際その時になれば簡単にふらっと医療機関に立ち寄るかもしれないし、
このブログで手帳を入手したことを書いているかもしれない。
実際は問診ではなく、脳波を調べたりだとか、物理的な検査が色々とあると聞けばすぐに医者にいくかもしれない。元々は医者っ子だ。
そして、医療機関に実際にかかっている発達障害の方々の知識はやはり目を見張るものがあるし、しっかりした医学的な情報は第三者としても読んでいて勉強になるし、重宝する。
しかし私はまだその一歩を踏み出す気はない、これがまたアスペルガーのこだわり。
皆さんは、医療機関にかかってよかったですか?
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