ネットで脅され警察沙汰になった話
高校生になり、小中のメンバーと離れ、新しい人生を歩むんだと希望に胸を膨らませていました。
ですが、そんな希望もすぐに砕け散ることになりました。
私は自分の体を粗末にしてしまいました。
偽りの愛でもいいから、一度でもいいから、愛されたかったのです。
相手は私のことが好きではありませんでした。
私は相手のことを好きでした。
その、私の好きな人への気持ちに漬け込んで、第三者から恐喝されたりもしました。
警察沙汰にもなりました。
学校にも親にもバれ、家族からは「もうお前のことは誰も信用していない」と言われました。
これは、8年前にあった実話です。
高校生の時に失恋して落ち込んでいる時に、YouTuberがとあるアプリを紹介してる動画を見かけました。
いわゆるマッチングアプリのようなもので、当時の私はそのようなアプリは怖くて信用していませんでしたが、同性ともマッチングできるしレビューも良く安心して使えそうだなと思ったので、そのアプリを始めてみることにしました。
そのアプリではTさんとSさん(どちらも男性)に出会いました。
Tさんは20歳の大学生で、Sさんは18歳で通信制の高校に通っている男性でした。
話しているうちに2人から好意を寄せられ、まずTさんと会うことになりました。
Tさんはイケメンでしたが、私は面食いではなく、むしろナルシストな感じが好きになれず、2回目に会った時に告白されたのですが、「失恋からまだ立ち直れていないので付き合えない」と言って断りました。
Sさんは私がアプリで会った人(Tさん)の事や、同じ学校で好きだった人(Kくん)のことなどをしつこく聞いてくる人でした。
「Kくんの陰部の写真を送れ」と言われて、Kくんと体の関係があったときに送られてきた写真をSさんに送ってしまいました。
これが全ての始まりでした。
そして話の中で私がTさんと会ったことを知ったSさんは、なぜかアプリ内でTさんを探し出し、Tさんと仲良くなろうとしていました。
「Kくんのことは忘れてイケメンなTさんと付き合えよ」
と毎日しつこく言われていました。
時には「Tさんはお前に奢ったりして気を引こうとしているのになんで付き合わないんだ。それはキープと同じだ。」
などと言ってくるお節介な人でした。
Tさんとは付き合う気がないからキープではないし、誰も奢れとは言ってないし奢られたのも数百円だし、なんだかモヤモヤしました。
そもそもTさんはSさんにそんなことを愚痴っていたのかと思うと、私の中でTさんの印象もどんどん悪くなりました。
「TさんがDTかどうか聞け」と言われたりもして、正直TさんがDTであるかどうかには全く興味がなかったので断ったのですがしつこかったので、聞いてみたところ、「俺最後に彼女できたの中学生だよ?wwやったことあると思う?www」と、こんなこと聞いてくるなんてこいつ俺の事好きだろ!と思っているのがバレバレな返事が来てちょっと申し訳なかったですが、「やっぱりそうだよね」と返し、Sさんにも報告しました。
この頃から、Sさんは実は男性が好きで、私を利用してTさんと仲良くなろうとしてるんじゃないかと思っていました。
だとしてもしつこすぎるので、私は面倒になってSさんをブロックしました。
しかし、そのアプリはブロック機能が壊れており、アプリを再インストールすることでブロックが解除されるようになっていました。
私がブロックしたことに腹を立てたのか、Sさんはアプリを再インストールしてはまたしつこくメッセージを送ってきていたので、なんでそんなことができるのか聞いたところ、「俺たち運命なんだよ」と言われ、無視すればよかったのですが、私はすぐ人を信用するところがあり、本当に運命だと信じてしまいました。
だんだん怖くなってついにそのアプリを削除したのですが、今度はTwitterからDMを送ってくるようになりました。
私はSさんにTwitterを教えていなかったし、偽名でアプリを使っていたので、どうしてアカウントがバレたのか分からず、本当に怖かったです。
「この写真をばらまかれたくなければ俺とS●Xするか、TさんかKくんとのハ●撮りを送れ。もし断られたら撮らなくていいから、証拠にLINEのスクショを送れ」と脅されました。
ここで警察に相談するべきだったのですが、大事になりたくなかったし、誰にもバレたくなかったので、本当に悩んだ末、TさんとはLINEで繋がっていたので、Tさんに事情を説明し、「Sさんに脅されている。Tさんに断られればハ●撮りを送らなくていいから、断わりのメッセージを送ってほしい。それをスクショするから」と伝えたところ、既読がつかず、その間にSさんからは催促の連絡が何件も来ていました。
その後やっとTさんから返信があり、「Sさんとやるくらいなら俺がやりたい」と言われ、仕方なく次の日にホテルに向かい、ハ●撮りすることになりました。
今思えば、わざわざTさんに頼まなくても、自作自演でスクショする方法はいくらでもあったなと思います。
このままだと全部Sさんの思惑通りになってしまうことは分かっていましたが、その時は恐怖で支配されており、彼の望むことはなんでもやってしまうくらいに精神状態がおかしくなっていました。
「どうせ明日ハ●撮り見るんだから、今お前の裸の写真を送れ。拾い画だったら分かるからな」と言われ、抵抗したらKくんの陰部の写真がばらまかれてしまうのを恐れ、自分の裸の写真を送ってしまいました。
この時に顔を写さなかったので、不幸中の幸いだったのかもしれません。
送った後にも「もうちょっと毛剃っといて」と言われました。
今思えば本当に腹立たしいです。
Tさんからは「明日笑顔で会おうね」と言われて、こんな状況でどうしてそんなことが言えるのかが不思議でした。
そして次の日にTさんとホテルへ向かいました。
動画を撮り終わって、帰りの電車で
「今電車だから帰ってから送る」と言ったら
「今すぐ送れ」と言われて、
周りを気にしながら動画を送りました。
Sさんから「ハ●撮りを貰ったら俺のことはブロックしてもいいよ」と言われていたので、動画を送った後にSさんをブロックし、Tさんのこともブロックしました。
これで全てが終わったと思っていましたが、そうではなかったのです。
Twitterでとある女の子から
「初めまして、●●高校の●●です!良かったら仲良くしてください」
というDMが届きました。
同じ学校でもないし、不自然には思いましたが、その女の子と話しているうちに「実は私、Sなんだよね」と言われました。
どうして他人になりすましてまで、しつこく私に近づこうとするのか、理解できませんでした。
「あなたは結局男性なの?女性なの?」と聞くと、「私は女だよ。今まで嘘ついてたこととか全部謝りたかったの。」と言われました。
ですが、もう精神的に限界がきていたので、その子のプロフィール欄に書いていた高校に電話をかけて「そちらの学校に●●という名前の女の子はいますか?その子に脅されているんです。助けてください。」と言いました。
すると、「うちの学校にそんな名前の生徒はいません。あなたはどこの高校の生徒ですか?」と聞かれて事情を全て話しました。
大事にしたくないので学校には言わないでくださいと言いましたが、結局チクられて、その日の放課後に先生に呼び出され、全て話さなければいけなくなりました。
警察に行った方がいいと言われ、親を呼ばれて家族にも全部バレました。
そのあと警察に行って、今までの事を全て話しました。
ずっと警察に行くことを避けていた為、そのアプリを始めてから2ヶ月ほど経っており記憶が薄れていたのと、嫌なことを思い出したくなくてトーク履歴などを全て消していたので証拠不十分でしたが、とりあえずTさんが事件に関わっているとみて調べてみますと言われました。
初めて会った日にTさんの情報を細かく聞いておいて良かったと思いました。
Tさんについて顔の特徴や年齢、出身校、身長、誕生日、血液型など知っている情報を全て話しました。
何月何日に会ったか、相手はどんな鞄を持っていたか、芸能人に例えるなら誰に似ているか、などを聞かれました。
当日に私が着ていた服と靴を持ってくるように言われました。
ホテルの防犯カメラの映像を印刷した紙を見せられ、これに映っているのはサクラさんとTさんで間違いないかと言われ、はいと応えました。
15人くらいの男性の顔写真を並べられ、この中からTさんを選んでくださいと言われて指さしました。
数日後に彼の身元が特定されました。
そして、TさんとSさんは同一人物だったと言われました。
(もちろんTwitterの女の子も)
もともとTさんに対しても良い印象はありませんでしたが、これが他人になりすまし人を脅迫してまでやりたかったことなのかと、信じられませんでした。
ただS●Xしたいがための自作自演だったなんて、もう誰も信じられなくなり、対人恐怖症になってしまいました。
学校も休みがちになり、転校することになりました。
警察の人から、「サクラさんがTさんにハ●撮りの件を話した時に、普通の人なら警察行こうって言うはずだよ。そこでやりたいとか言う人はマトモじゃない。」と言われました。
今思えば確かにそうだし、本当に頭がおかしくなっていたのだと思います。
Tさんは初めて話した時から「おっぱい揉ませて」などと言っていたし、マトモじゃないことは分かっていたはずなのに、あの頃は寂しくて誰でもいいから話していたかったのかもしれません。
この事件は私も悪かったので、今は反省して二度とこのようなことが起こらないように気をつけています。
ただ、Tさんは当時16歳だった未成年を犯しているのに退学にもならないなんて、おかしいのではないでしょうか。
心の傷は一生消えません。
その後、毎日のように放課後呼び出され、事件についての反省文を書かされました。
横から監視され、先生の時間を奪ってはいけないと思い、速く書いていたら「もっと綺麗な字で書いて」と怒られました。
いつもは字を褒められるのに、人は追い詰められたらこんなに字が汚くなるんだと思いました。
先生はそれを読んで、やっと口を開いたかと思えば
「大人になったらそんな出会い系アプリなんかやる時間ないよ」と言いました。
正直その言葉を聞いて、悩んでる生徒に対して言うことがそれなのかと思いました。
勉強など他にやるべき事があったのは事実ですが、なぜアプリで知らない人と話すことを優先しなければならなかったのか。
なぜそこまで依存してしまったのか。
悪いのは私ですが、先生がするべきなのは説教ではなく、まず一番に「なぜ」を考えることではないでしょうか。
今回の事件で、変な人は相手にしない、個人情報は言わない、写真は送らない、信用しない、ということを学びました。
現代のネット社会に悩む若者が少しでも減りますように。