「あすぺるぱぱ」が『発達障害』の確定診断を受けるまで
はじめに ※この記事は約2,900文字(読了所要目安:約4分)です。
この記事は別に書き上げる予定の【有料版】で公開する内容と併せて見る事で全容が判明します。しかし、病院選びについてなど、具体的な病院名も挙げる予定ですし、私個人の体験も含まれるので、全体に公開する事が憚られるような内容は、大変申し訳ありませんが鍵をかける目的で【有料版】に記載させて頂く予定です。この【無料版】でも、診断内容と所見については十分な内容は記載しているつもりですので、悪しからず。
【有料版】書き上げました。興味ある方は是非。
私は、精神科のクリニックにて、『ADHD』の確定診断を受けました。
他の診療科も勿論そうですが、特に精神科医の先生は専門分野や得意分野の違いが大きく、患者さんにとっても、医師との相性の良し悪し・当たり外れの差が非常に大きいため、自分に合う医師に出会うまでは、延々と病院巡りを続ける・・・という事は、あるあるなエピソードの様です。
その中でもとりわけ、『大人の発達障害』については、そもそも診療対象としている病院の絶対数が少なく、その中でも更に専門知識をしっかりと持ちきちんと診てもらえる病院は、非常に少ないとの話です。
私自身、確定診断を受けるまでに、1つの病院、2名の精神科医の先生にお世話になりました。事前のリサーチの甲斐もあってか、病院・先生選びはまずまず成功した方と思います。簡単ではありますが、各先生の私に対しての所見をまとめたいと思います。
1.一の矢(1人目の医師)
1人目は恐らくさほど『大人の発達障害』について明るくない先生。
こちらから話をしてもやり取りがスムーズにできない感じがありました。
私の幼児期からの成育歴と、社会生活・日常生活の困り事を一通り聞き取り、母子手帳・小学校の通知表・WAIS‐Ⅳの結果提示に加えて、AQの検査を実施し、有意な値をはじき出したものの、
先生の所見は
「確かに『大人の発達障害』の特性のような要素は一部見受けられる。しかし、『ASD』は自閉症『スペクトラム』と言われるように、社会生活の継続に困難をきたし確定診断を受けるようなレベルの方から、巷でグレーゾーンと言われるようなレベルの方、軽微な影響で日常生活にはほとんど問題ないレベルの方まで非常に幅広いもの。また、会社も辞める必要なく勤続されているようですし、社会生活を営むには問題のない水準と判断されるので、確定診断は付かない。『ADHD』も専門の検査等もできないので、聴取した話の範囲では判断しかねる。」
との事でした。
対応策について、投薬に関してもいわゆるADHDの3薬(コンサータ・ストラテラ・インチュニブ)は出せず、処方できるとしても漢方程度まで、加えて何かするとすれば、カウンセリング程度との診断でした。
それを受けた私の正直な本音は以下の通りです。
実は、1人目の先生に『大人の発達障害』の知識がなさそうなのは、診察を受けてものの数分で見抜けましたが、専門外の先生には私の異常性が見抜けないだろうな・・・との仮定を証明する意味では、それなりに意義のある時間だったと思います。
そして、当該医院のホームページなどで事前に検索して、実はかねてより目を付けていた(そもそも、この病院でこの先生の診察にかかりたいと決めていた)先生に、担当医師を変更してもらうことになりました。
2.二の矢(2人目の医師)
結論から先に言ってしまうと、『ADHD』については、確定診断レベルであり、『ADHD』3薬の処方は可能。但し、『ASD』は今後様子を見ながら判断するが、現時点では確定診断は下せないとの結論でした。
2人目の先生は、かなり『大人の発達障害』についての専門知識があるようで、ツーと言えばカーでやり取りが非常にスムーズで、気持ち良く診察して頂けました。
『ADHD』要素に関しての所見は、
「話を聞く限り、まず間違いなく確定診断が出るレベル。WAIS-Ⅳの結果を見ても、処理速度に大きな凹があり、『ADHD』の典型的な数値構成のひとつのパターンが出ている。特性を軽減できる可能性が高いので、希望するのであれば、すぐにでも服薬を開始したいと思いますがどうされますか。」
との事。
『ASD』要素に関しての所見は、
「『ASD』単体では診断レベルには及ばないと現時点では判断されるものの、AQを見ても自閉の度合いも非常に高く、定型に比べれば有意な差がある。加えて、(私に限らず一般的な話で)『ADHD』にも『ASD』要素が出ることもあり、単独の『ASD』の特性と重複する部分が強く特徴として顕れて見えるため、『ASD』が濃く感じられるのかもしれません。」
との事。
対応策について、『ADHD』に関して、衝動性抑制に効果が見込める「インチュニブ」を処方し、まずは服薬開始、『ASD』に関しては特効薬もない為、当面様子見との事。
後は、私にとってかなり意外だったのが、「認知行動療法」は他の精神疾患にはそれなりに効用を見込めるアプローチではあるものの、発達障害に関してはあまり効果がないとの見解(その医師は断定的な言い方でなく、あくまで個人的な意見・・・というニュアンス)でした。理由は、発達障害は脳の構造の関係で、認知の根本的な構造が固定化されてしまっている側面が強く、「認知行動療法」による認知の修正・補正は非常に困難で効果も見込めないか薄いため、絶対にという事であれば止めないが、おすすめはしないとの事でした。
加えて、カウンセリングについても、私自身が「発達障害の特性の抑制」という目的意識を強く持てていること、特性の発動要因について自分自身で認識できていること、対処法も自ら研究・研鑽を重ねている様子から、取り急ぎ必要ないとの見解でした。
私の多弁をゆっくりきちんと聞き入れて下さり、先生自身の話は簡潔かつ、納得感が十二分に得られる内容で、患者側として申し分ない診察でした。
更に、妻に対しての医療やカウンセリングに繋げられたらいいとの趣旨で、お互いの第一の目的意識を共有できた事もあり、信頼関係を築いていけそうな精神科医ということもわかり、非常に有意義な時間となりました。
それを受けた私の正直な本音は、「歓喜」の一言に尽きます。
理由は以下の通りです。
3.おわりに
自分の目的に合った病院・医師の選定について、実は三の矢を別の医療機関に求めるつもりでしたが、一旦は第二の矢で決めることができました。
嬉しい誤算です。第三の矢については、別のnoteで触れるつもりです。(二の矢と三の矢は裏で繋がってたりします。)
どのような治療をしてくれるか、どれだけ症状を改善してくれるかも、もちろん大事ですが、結局は患者の心にどれだけ寄り添ってくれるかだと思っております。とりわけ、精神科・心療内科については。
今後は、この2人目の先生と一緒に、改善に取り組みつつ、妻を医療に繋げて、妻のカサンドラ症候群の改善をも図っていけたら・・・と思います。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。