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大学1年生での現役引退。”スポーツを仕事にする”と決めた日から始まった、2020東京オリンピックへの道。


Ascenders Collegeに関わるスポーツ職人の人へ、その職種をめざしたきっかけや現在の仕事内容についてインタビューする新コーナー。第3回はアスリートのSNS活用におけるプロとして2020東京オリンピックにも携わり、『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』を共著で執筆されている五勝出拳一(ごかつで・けんいち)さんを尋ねます。


現役引退とともに決意したスポーツを仕事にすること


アスリートのSNS活用における第一人者として活躍している五勝出さんですが、元々はサッカーへ真剣に取り組んでいた一競技者。そこから現在地までまでたどり着いたのにはワケがありました。
「大学でもサッカーを続けるつもりでしたが、1年生の時に足首の状態が悪くなり、そのタイミングで現役引退を決意したんです。ただスポーツから離れたくないとも思っていたので、大学サッカーの企画や運営を担う関東大学サッカー連盟という学生団体(以下、学連)に立候補しました。その時から、スポーツを仕事にするというのが自分の中で大きな軸になったんですよね」
そうして就職活動を迎えた時に「スポーツの仕事を最も経験できるのは、東京オリンピックのど真ん中に関わることだ」と思い、オリンピック関連の仕事ができる電通グループの電通テックに入社した五勝出さん。在学中の学連活動はもちろん、就職後の仕事を通じていろいろな競技やアスリートと関わることができ、その輝きと挫折をたくさん見る中で「自分がやりたいことは、アスリートの価値を高めて世の中に伝えていくことだ」と、自分の軸がいっそう明確になったと言います。

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「アスリートの価値を高めて世の中に伝える」ために選んだ独立の道


当初の予定では入社6年目で東京オリンピックを迎える予定でしたが、やりたいことへより専念する環境を求めて4年目で転職を決意。現役アスリートのSNS活用をサポートするベンチャー企業で、新たなキャリアを歩み始めたと言います。
「転職した当初はまだ社員が2〜3名しかいなかったので、アスリートや企業との商談から事業推進のための調整、事務的な仕事など何でも自分たちでやらないといけない状況でした。そんななかで約2年間、試行錯誤したことは僕にとってやりたいことへ挑戦できる貴重な時間でした。ただ、その後に会社の事業の方向性が変わってきたこともあり、退職することを決めたんです」
退職こそしたものの、”アスリートの価値を高めて世の中に伝える”という自分の軸は、まだぶらすことなくやっていけると感じていた五勝出さん。会社にとらわれずに自分でやってみようと独立する道を選びます。すでに設立していたNPO法人の代表と個人事業主の2つの顔で活動を始めたのが功を奏し、そこから長友佑都選手に関わる仕事や2020東京オリンピックに繋がっていったそうです。


「ちょっと相談してみようかな」と思われることが大切


では、独立して最初のころの五勝出さんは、具体的にどのような仕事をされていたのでしょうか?
「長友佑都選手が代表を務める株式会社CUOREからの業務委託で、長友選手と鈴廣かまぼことのタイアップ案件”魚肉たんぱく同盟”におけるマネジメントと事業推進を担当しました。これが最初の仕事だったのですが、小田原の本社にも何度も通い、コミュニケーションを重ねながら進めていった案件です。」
笑顔でさらっと話す五勝出さんだが、フリーランスを考えている人の中には“いざ独立しても、継続的にお客さんを持つのは一苦労なんじゃないか?”とか"そんな有名人との接点は自分にはつくれない”と心配を抱く人もいるかもしれません。いざ五勝出さんにその不安をぶつけると、次のような答えが返ってきました。
「僕の場合は”プライベートでの関わり”と”丁寧な仕事”へ気を遣っています。例えば株式会社CUOREの共同代表である津村さんとの出会いは、プライベートで参加したフットサルでした。そこで僕が幹事をしたり、打ち上げで焼肉を積極的に焼いたり、集金をしている様子を見て声をかけていただいたんじゃないかと思うんです。違うかもしれないですけど(笑)別に打算でやっている訳ではないのですが、その場がより良い時間になれば良いなとは思っていて、その辺りは新卒時代の広告代理店時代に身に付いた気がします」
そして仕事における信念を次のように語ってくれました。
「『何かちょっと相談してみようかな』と思ってもらうことって大切ですよね。そして、頂いたお仕事に対しては丁寧に取り組んで期待以上の成果を出す。そうすることで、継続いただけたり、新しいご縁にも出会えたりするような気がしています」
”実はガンガンと新規に営業するやり方が自分には向いていない”ともこぼす五勝出さんによれば、”発信すること”も仕事に繋がるチャンスだと話します。
「SNSで発信をすることで、自分が何をしている人なのか、どんなことができる人なのかが相手に伝わった状態で仕事の話に入れる機会が多くなってきました。発信そのものがお金になり生活できるほど稼げるようになるとは僕は思っていませんが、仕事の受注には役に立っていると思いますね」

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アスリートからの感謝の気持ちが原動力に


そんな五勝出さんに、仕事に対してやりがいを感じる瞬間を尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「アスリートの活動を広めていくことが僕の軸であり仕事なので、ファンやお客さんが喜んでくれるのも嬉しいんですけれど、実を言えば一番は違うところにあって。僕はアスリートである彼ら彼女らをすごくリスペクトしているからこそ、最もやりがいを感じる瞬間はアスリートから感謝された時なんです。選手の皆さんからの感謝があってこそ、お客さんの笑顔があり自分の充実があると、そう考えています。」

最近特に注目されているアスリートのSNS活用。さらに話を進めると、その先駆者である五勝出さんから「でもスポーツでSNSを活用する時には注意しないといけないことも…」の一言が。

独立の前後の仕事で味わった苦楽やこれからめざす人へ伝えたい想いなどを綴った後半はこちら。
https://note.com/ascendersinc/n/n713fcf4f2073


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