【小説】ホイップクリーム多めで
作品紹介「ウィンナーコーヒーってさ、コーヒーの上にウィンナー乗ってるのかな」
「はっ?」
「ごめん、何でもない……」
角の折れたメニュー表を見つめながら、くだらないボケを言い放ってみた。仕事がひと区切りついた昼下がり、同僚と行きつけの喫茶店に入りしばしの休憩中である。
自分の働く岐阜市は喫茶文化が盛んで、オシャレな喫茶店が数多く立ち並んでいる。レトロな雰囲気の店内に、スローテンポの柔らかい音楽。うん、やっぱりここは落ち着く。
「オーストリアの首都ウィーンが発祥で、ホイップ