趣味はなに?
あの質問にはどう答えるのが正解なのか。
「どう見えます?」…いや、これは年齢を聞かれたときの美女の答え方だ。
「幅広くやってます」…一番取っ付きにくそうだなこれは。
聞いてくる人は私がどんな人間かを知りたいのだから、相手を困らせる答えをしないのが吉だ。
人はわかりやすい人間を好むから、万人に受けそうな答えをだな…相手を観察して…理解できそうな答えを……っと、それはまた別のお話。
しかし人と共有する趣味ってそもそもなんだ?
初対面の人間と共有できるものか?相手が同じ趣味だったとしても楽しみ方とかいろいろ違いが…。
どうせわかり合えないなら聞かないでと思ってしまう、とぼやくと友人が答えてくれた。
「相手はお前がどんな人か知りたいんだよ」
「そんなもの趣味を聞いてわかるか?」
「だからな、お前が好きなもの、楽しいと思うこと、興味のあることを聞きたいんだよ。お前という人間を少しずつ掴むための取っ掛かりにしたいのさ」
え〜じゃあ面接みたいに1分間語らなきゃ無理じゃない?と思うのだけど、コミュニケーションを取る上でそれはまた違うらしい。難しい。
そもそも趣味から第一印象を決めないで欲しい。
漠然と「趣味」として答えるから漠然とした答えになるのだ。「出来事」を答えればいいのだ。
どうせなら「色々好きですよ〜。こないだテレビで見た洋画がすごく面白かったですよ」とかエピソードを交えて答えればいい。
どうだ、相手も反応がしやすいだろう。
話を広げたいのなら映画の内容、場所、相手などいくらでも質問しやすいキーワードがあるし。
「へ〜そうなんだ」で終わらせたとしても十分な内容だ。
実際に趣味を聞かれて答えるときはもう少しエピソードに色を出して、内容とか日時とかどう思ったかとかを付け加えてもいいよな…。
……と、ここまで考えて自己紹介をする奴がいるのだろうかと思ったりする。知らんけど。
もっと気軽に、「あなたに興味があります」って伝えられるようになればいいのにね。
あなたの趣味はなんですか。
楽しいことが、楽しい時間が、少しでもありますように。
どうか、良い夜を。
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