曖昧になる

このご時世、家での仕事になった。

元々室内で仕事していたから最初家にいることになった時、日差しを浴びられることに感動した。

窓越しに見ていた眩しい光がすぐそこにあって、手を伸ばせば直に肌を刺す。それだけで幸せだと思った。

仕事で鬱々としていたとき、遠くの窓の外で輝く草花に羨望の眼差しを向けていた。一方的に焦がれていた、嫉妬していた。あの光を浴びていた花はもう散ってしまった。

在宅勤務がいつまで続くのかわからない。もしかしたら会社に首を切られる日もあるのかも知らない。その頃私たちの日常はどうなっているだろう。そもそも日常ってなんだったっけ。


こんな夜、いかがお過ごしですか。

今夜はよく眠れそうですか。

いい夢を見られそうですか。

気に入った本はありますか。

気晴らしになる趣味はありますか。

食べたいものはありますか。

飲みたいものはありますか。

会いたい人はいますか。


私はとりあえず明日も生きようと思います。


どうか、良い夜を。

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