食品開発者が本当に美味しい食べ物から売れる商品とは何か考えてみた
こんにちは、ASATOです。
突然ですが、「本当に美味しい食べ物」とは何もだと思いますか?
高級チョコレートでしょうか?
いや、ジャンキーなハンバーガーでしょうか?
それとも旬の素材で作ったオーガニックなサラダでしょうか?
私は食品の開発者である為、何度もこの問いを考えてきました。
その結果、私はどれも本当に美味しいとは一概には言えないと思います。
いや、場合によっては不味くなることすらあると思います。
では、何故そう思うのかご説明したいと思います。
最高に美味いものとは?
結論から言いますと、喉がカラカラの時に飲む水です。
「おいおい、そりゃそうだろ?食品開発者がその程度の考えの浅さかよ」とツッコミが飛んできそうですね。
でも、この事実は間違いないと思います。
同様に腹ペコの時に食べるものは、どんなものでも美味しいはずです。
例えば、私は食品の開発をしているのですが
試作の作業は案外肉体労働で丸一日試作をしているとヘトヘトになります。
その日、私はチェーン店の牛丼屋に行きました。
特にその日は沢山試作をしたのでヘトヘトでお腹がペコペコでした。
「なんでもいいから食べたい」
そんな心境でした。
私は迷わず、帰り道に牛丼屋に入りました。
何も考えず、牛丼の大盛りを頼みました。
「牛丼の大盛りです」
流石、チェーン店です。
すぐに牛丼が現れました。
私は急いで牛丼を腹に入れ込みました。
「ああ、美味い…」
この時、私は本当に美味しいものに出会ったのです。
そう、満たされてないものが満たされる時、最高の美味しさが訪れる。
もっと言うと、満たされてないものが満たされた時、人は幸福になる。
私は美味しさについて考えるうちに、本当の美味しさは欠乏を満たした後にしか現れないのではないかと思うようになりました。
美食にはお金は必要ない
「あーたまには美味いものを食べたい」と思ったら、まずは全力疾走でお腹を空かせてみてください。
まずは欠乏を生み出すのです。
そして、ペコペコのお腹の時に塩むすびを食べてみてください。
絶対、美味しいはずです。
時にはめちゃくちゃ仕事を頑張って脳みそをフル回転させてみててください。
そして、もう考えられないってなった時に、普通のミルクチョコレートにかじりついてみてください。
「なんだ?この美味い食べ物は…」と感動するはずです。
欠乏こそが美味しさの根源なのです。
売れてる商品も一緒
欠乏を満たすことで人は幸福になります。
従って、人が何に対して欠乏感があるのかを知ることこそが商品を開発したり、売ったりする上で必要なことです。
それがニーズってやつです。
例えば、糖質制限をしている人は「甘い物を食べたい!」という欲求がありますが、それを満たす手段が糖質の多いものでしか実現できないのであれば、我慢しかありません。
しかし、低糖質でも甘さをしっかり感じることができ、それなりに美味しいのであれば、その欠乏は満たされ、喜びに変わります。
このニーズってやつを体感レベルで感じ取りながら商品を開発している人って案外少ないです。
大半の開発者は、上司が言っているからこのフレーバーの味の商品を作るとか、そんな感じでやってます。
でも、お客さんの欠乏感をリアルに感じ取ることができるレベルの開発者は、解像度が異なるため、本当にお客さんが欲しい商品を考えることができます。
お客さんと同じレベルの欠乏感を味わうこと、もしくは最高の共感力を持ってお客さんの欠乏感を何とかしたいと思うこと、これができる開発者とそうでない開発者では圧倒的な差がでます。
売れてる商品を作れる人とは?
どこまで欠乏感をリアルに感じ取ることができるか、これこそが一流と二流を分けると言えます。
なので、ヒット商品を作りたいと思ったら、実際に困っている人と同じ状況を体験してみればいいです。
例えば、糖質制限者向けの商品を作りたいのであれば糖質制限を一週間でもやってみるべきです。
糖質制限実践者の欠乏を感じ取ってみるべきです。
売れる商品は、本当に美味しい食べ物と同様に、人々の何かしらの欠乏をうめるものでないといけません。
もし、今あなたがとてつもなく欠乏を感じるのであれば、ヒット商品のヒントがあるかもしれません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事がお役に立てれば幸いです。
ては、また次回お会いしましょう。