Will it Go as Operation?? #1
本番前どころかまだ稽古も序盤だというのに、書いた本人が意図とか狙いとか書くのは格好悪いな、とも思うのだけど。おれは小粋で楽しい宣伝文は書けないし、脚本・演出としてきちんと言葉にしておけば、ブレるも逃げるも許されないし。
『Go as Operation!!』をリブートすることになって、まず意識しなくてはならなかったのは、「なにを、どこまでリライトするか」という点である。換骨奪胎という言葉があるが、なにからなにまで変えてしまったら、それは「リライト」ではない。かといって、大幅に直さなければクオリティ的に問題があるから直す事態になったわけだから、ほぼ新作を書くつもりで臨んだし、それを求められていたのも確かである。
原作の『Go as Operation!!(ちなみにタイトル表記が全然定まっていなかったのも、当時のわれわれのズンドコさを表している。「As」だったり「!」だったり、表記揺れが多発している)』は、大まかにいうと「ショッピングセンターのバックヤード」で「バイトの若者たち」が「告白を妨害」するという建て付けである。
このうち、まず「ショッピングセンターのバックヤード」という舞台設定が、まず失敗である。漠然としていて場所としてイメージできないし、そもそもそんなものが実在するかもわからない。シチュエーションコメディにおける「シチュエーション」としては、不合格と言っていい。
それに比べて幾分マシではあるが、「バイトの若者たち」というの部分にも問題がある。そもそも現在、もはや中年の集団であるわれわれが演じるのには無理があるし(20年前の作品なのだから当たり前だが)、あと個人的にも若者の恋愛模様を肌触りのある物語としては扱いづらい。そもそも、「恋愛」という要素はそれ一本で題材として成立するような強いテーマには思えない。「身分違いの」とか「インセストの」とかそういう一役(ここに「同性愛の」とタイプしてから逡巡してバックスペースを叩いたことは書いておこう)が必要になる、そういう認識だ(逆に言えば恋愛単品で成立させている作品の筆力に、強い憧れがある)。メインプロットのレベルを変えるわけにもいかないので、恋愛を描くことは避けて通れないが、ならば2者の間になにがしかの障壁なり断絶を用意する必要がある。
この2点が、まず課題として存在した。この問題意識があったからこそ、以前から冨坂との間で「リメイクするなら冴えない中年男性と若い女性の、ロマンティックコメディとして再構成する」という話が前々から出ていたし、今回は「レンタルビデオ屋の店内」というハッキリとした設定を用意した。
実はこの「レンタルビデオ屋」、最初は「古本屋」であったが、台本途中まで書いてこちらに方針転換している。ギリギリまで迷っての変更だったが、その辺については、また。