「失われた30年」プレイリスト&ライナーノーツ【2004年篇】
わたしが所属するコメディ劇団・アガリスクエンターテイメントの新作公演『なかなか失われない30年』に向け、各時代にあった作品を漁っているなかで。公演自体については、詳しくはこちら。
アルバム・シングル問わずその年にリリースされた曲、ただしベスト盤は除く、のなかから「個人として思い入れが強い曲」「その時代を象徴する曲」「時代またいでもアーティストかぶりなし」という条件で10曲ずつ、選んでプレイリストを作成。
前回【1994年篇】はこちら。
高校生だった2004年。どうしたって自分語りばかりになるが、そんなの最初からだから今さらである。
This Fire / Franz Ferdinand
ゼロ年代のUKロック。フランツ・フェルディナンドというか「ダンス・ロック」みたいなものって苦手な曲が多いのだけど、これは素直にカッコいい。『サイバーパンク:エッジランナー』のOPテーマとして特徴的なギターのカッティングが聴こえてきたその瞬間、まさにサンディヴィスタン起動。American Idiot / Green Day
94年篇で『Dookie』を選ぼうかどうしようか、でもオンタイムで聴いていたのはこっちだしな、と選出。コミックスやハリウッドのまぶしさに目が眩むも、「9.11」以降その憧れに諦観が陰を落とす。思えば青春のはじまりだった。Mosh / Eminem
こちらもイラク戦争へのアメリカdis。それまで全然響かなかったHip-Hop。「沢木耕太郎が誉めてたし観てみるか」程度だった『8mile』の最高のラストシーンに衝撃を受け、図書館になぜかあった映画秘宝のエミネム解説ムック本を読み、その情報量と文学性に完全に新しい扉が開いた。ザ・グレート・アマチュアリズム / RHYMSTER
じゃあ「日本語ラップ」は、とこちら。同アルバムの『911エブリデイ』と悩んだが、ポリティカルばっかりでもね、と。インディーズだろうが資本が入ろうがフックアップされようが、モノ作っている限り、いつまでもこういう精神を忘れないつもり。リライト / ASIAN KUNG-FU GENERATION
アジカン好きだったバンドマンの大学の同期、元気だろうか。ふたりとも全然講義に出てなかったから、全然顔合わせなくなったな。いつもギター背負ってたし音楽の話が合ったから、勝手にバンドマンだと思っていたが、本当に結構仲良かったはずなのだが、そう言えば彼はバンドやっていたのだろうか。ギルド / BUMP OF CHICKEN
高校のときから、「ライブで客が眼を瞑っててもいい(大意)」みたいなロッキンオンの記事読んだり、『みんなのうた』のために『みんなのうた』みたいな曲書いたり、そのたびに「そうじゃねえだろうバンプよお」と思うことが多々あったけど、結局30代になっても『アカシア』で号泣している。群青日和 / 東京事変
椎名林檎の曲って、「初期の曲」もしくは「非・椎名林檎の東京事変」と「椎名林檎が他所に書いた曲のセルフカヴァー」が好きなんだけど、伝わるのかな?濃度というか、固着というか。完全な好みの話なんだけど。まあ、ずっと好みの話しかしていないんだけど。My Happy Ending / Avril Lavigne
脈々続くフィメール・ロック(まだガールズ・バンドとか言っちゃうけど本当は避けたい)におけるアヴリルの功績よ。ストレートな歌詞とポップかつハードなカッコいい音。なんせ「Let 'em know that we're still Rock n Roll」って歌ってるぜ(別の曲だけど)。そして翌2005年、チャットモンチーが現れ、系譜は続いていく。Before I Forget / Slipknot
呪術みたいなターンテーブル、炸裂するパーカッション、もちろんブラストビートにヘヴィなギター。そしてノワール・コミックスみたいなルックス。そりゃ好きになるもの全部載せたら好きだよね。この曲じゃないけど大好きなレスラーが入場でスリップノット使ってて、それもプロレスにハマった小さくない要素。夢追い虫 / スピッツ
ベスト盤みたいな扱いの『色色衣』収録のシングル曲だからルールに抵触、でも「スペシャル・アルバム」で「ベスト盤」とは言ってないし、と自分で設定したルールでなにやっているの、って感じだがこれを選ばないのはウソだから。
まあ、完全に青春のやつですよ。