ドメスティックでドラスティックなリアリスティック
「初日のウケはご祝儀」というアリストファネスの至言(大嘘)はあれど、うれしいものはうれしい。
うれしいからこそ、明日も明後日も粛々とトライ&エラーを繰り返すのみ。そして繰り返せることがまたうれしい。
やっぱり新作を、とくにこの作品のようなギミックを搭載した作品を立ち上げるのにはとてつもない労力と負荷があって。そしてもちろんわれわれは、まだまだインディーのまつろわぬ民だから、それらを自分たちの手の届く範囲でえいやっ、と作り上げなきゃいけないわけで。
それはゲロ吐きそうなくらいしんどいことのが多くて、もっといい環境を垣間見たり体験したりするようになってしまって、それにはやっぱり眼が眩みそうになるけど、いやこのリアリティだからこそ今日の客席の爆発感にも、また実感を持って手が届くのだ。そう信じさせてくれる、客席だった。
『時をかける稽古場』とか『かげきはたちのいるところ』みたいな自分たちにとって体重の乗る/乗ってしまうドメスティックなテーマを、いかにバカバカしく軽やかに、ドラスティックに語るか。少なくともその試みは、成功しているんじゃないか。そう思える初日ではありました。
まあだけど当たり前だが、個人のパフォーマンスには色々と反省があって夜道で思い返して舌打ちしてる。ミスももちろんだが、今日の客席の熱量に敗けたのが口惜しい。ウケないのはもちろん口惜しいが、ウケ過ぎたことに対応できなかったのも、同じかそれ以上に口惜しい。
だから確認して修正して、今日と同じくらい客席沸かせて、で、そのうえでコントロール手放さずに、今度はおれが勝つ。そんな日が続く。続ける。
アガリスクエンターテイメント
『なかなか失われない30年』
2024年4月27日(土)~5月6日(日)
新宿シアタートップス
agarisk.com/nakanaka
お席少ない日もありますが、後半はまだまだ入れます。この辺もまた、リアリティ。