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しまなみ春休み②

旅2日目。1日目の記事はこちら。

1日目は夜到着したので、まちを全然見ていない。今日は散策しよう。
本日やりたいことリスト。

ホテルで朝ごはん

部屋のグッズやバーの飲み物など、なにかと地元福山にこだわっているこのホテル。朝ごはんもちゃんと地元へのリスペクトがあった。

【池口精肉店】のソーセージと【ザ・スタンダード・ベーカリー】のコッペパンを使った、スペシャルなANCHOR DOG!!

https://anchor-hotel.jp/fukuyama/food/

トーストされた全粒粉のコッペパンは、外は張りがあるけど、中はしっとり。何より、地元で超有名らしい「池口精肉店」のソーセージは、かための皮をひとたび突破すると、肉汁があふれる。あふれるというか、飛んでくる。一口目は火傷覚悟で臨みたい。

注文を受けてからプレスされるオレンジジュース、果実として食べるオレンジの風味があふれていて、「朝からソーセージ、重くない?」という諸兄のバランサーを十二分に果たすだろう。

同じく「池口精肉店」のベーコンを使ったクロワッサンサンドイッチもあったので、明日はそれ食べたい。

自由軒でオムライス

旅に出る前に、福山にくわしい知人友人にリサーチしたところ、ほぼ必ず名前の出てきた「自由軒」。昨夜のバーテンさんによると、オムライスがおすすめらしい。古き良き洋食屋さんなのかな、楽しみ。なので、おなかを空かすために昼過ぎまで寝る。

自由軒に向かう途中で、駅前の洋服屋さんの「福山コラボ」の看板に吸い込まれる。旅と言えば、地元にゆかりがあるものを思い出グッズに買いたくなるよね。

気さくに話してくれるお店の方が、「なにしにきたん?どこからきたん?」と聞いてくれる。これから自由軒に行こうとしていることを伝えると、「お姉さんお酒飲むん?」

(・・・あれ、洋食屋では?)

お店の方「この時間じゃったら、席空いとらんかもしれんねぇ」

(今は14時過ぎ、ランチのピークは越えたはず・・・)

お店の方「みんな昼から飲みよるけぇ」

思ってたのと違いすぎる危機感と期待感を胸に、自由軒へ向かう。
ちなみにこの洋服屋さん、しょっちゅう取材受けている福山の名物店だったみたい。おすすめしてもらった、オリジナルのデニム、丈さえ合えば買いたかったなー。「すぐに買わんと、また来んさい」と言ってくれた良きお店。

寄り道したが、主目的は自由軒。
なお、毎度長ったらしく全事象の羅列みたいな日記を書いているのは、すぐに忘れる自分のための、外部メモリーを残すためである。

さて。

お待たせしました。
これが・・・自由軒だ!

完全に赤ちょうちん系のただずまい
この日は厨房含め、ほぼ女性で切り盛りしていた

コの字型のカウンター席のみの店内。吉野家方式で、注文を取る方がカウンター内に、調理する方は奥の厨房にいる。常連さんっぽい人たちで満席だったけど、「もう出るから」とご夫婦が席を空けてくれた。

こういうセルフメニューも気になる・・・!

壁びっしりに貼られたメニューに心が揺らぐが、バーテンさんおすすめのオムライスを注文。厨房のおかみさんが、さっそく白ご飯をお皿に盛り始める。しゃもじにこんなにご飯がのる?というくらいの量を1盛、2盛、3・・・やばい、メガ盛の予感。「少なめでお願いします!」と慌てて伝える。

お皿からはみ出してるけど、つくったおばちゃんいわく「小盛」です
赤と黄色の世界、奥にチラ見えしてる福神漬けもよき

中身のチキンライスは、いや、めったにチキンに出会えないからケチャップライスと言った方が正しいか。ケチャップ濃い目の味付けだけど、卵にしっかり含まれたバターも負けじと風味を出してくる。これはビールが進んじゃう。ワインなんておしゃれなものは負けちゃうパンチ力。

お皿の外のパンチ力もすごい。
つまり、お客さんが濃い。

向かいの男女4人組。男の子は漫画に出てくる不良みたいなモヒカンパーマ。少年院には入ってないけど、やんちゃして保護観察処分になって施設に入った黒歴史を、楽しそうに話している。女性の化粧がめっちゃ濃い。

左隣の中年男女カップルは、ご夫婦にしては男性が女性に気を遣ってるのが違和感。「永遠の別れになるから」と、女性の口から、一生に一度使うか使わないかのフレーズが飛び出す。

右隣の小さなおじさん二人は、カープ中継を見ながら、さっきのはファールかホームランか、リプレー検証を見ながら、手話で楽しく会話している。
お店の方も心得たもので、ジョッキを指して人差し指を立てれば「ビールもう一杯」。食事の注文は、伝票に自分で書き込むスタイル。たとえどんな下ネタ話していても、自慢話していても、ふたりだけの楽しい世界。

レコード屋をぶらぶら

ホテルのウェブサイトで紹介されていた街歩きプラン。
勢いで買った安全地帯のレコードを聴くために買ったレコードプレーヤーが、使われずに眠ったままなので、ちょうどいいやとこのプランに乗っかる。

「邂逅レコード」という、すてきすぎる名前のお店。
レコード屋さんに行ったことがないので、通っぽく「ぱぱぱぱっ!」てレコードめくりできないのだけど、小中高の図書室通いで身に着けた、図書カードめくりの要領で探す。偶然の邂逅を。

安全地帯と、YMOと、ボサノバのレコードを見つける。店主の男性は、聞けばUSHIO CHOCOLATLさんと知り合いだったり、お客さんと音楽業界の話をしていたり、只者じゃなさそうな感じなのに気さくに話してくれた。

戦利品。

福山市中央公園でお茶

私が住む共同住宅の大家さんのつながりで、高円寺のシェアハウス「アンモナイツ」の住人さんを紹介してもらい、結婚式のデザインまわりを手伝っていただいた。その時知り合った、瀬川翠さんが設計したカフェレストランのある公園。中四国で初めて、「公募設置管理制度(Park-PFI)」を使って設置された公園なんだとか。

同じくガラス張りの図書館とも調和して、とても気持ちの良い空間。

公園の東屋のように溶け込む、カフェレストラン「Enlee」の建物
外まで抜ける梁と、外に開くように勾配する屋根が、内と外のつながりをつくっている


正田さんのトークイベント

さて、今日のメインイベント。いや、旅のメインイベントと言っても過言ではない。中学生の頃から、敬愛してやまなかった正田耕三さんのトークイベント。

正田 耕三(しょうだ こうぞう、1962年1月2日 - )は、和歌山県和歌山市出身の元プロ野球選手(内野手)、野球指導者、野球解説者。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E7%94%B0%E8%80%95%E4%B8%89

あの正田さんが、目の前にいる・・・!

高橋慶彦さんの方が有名だし、現役の時から渋すぎたルックスが、白髪でさらに渋くなっているけど、まぎれもなく正田さん!首位打者、盗塁王、ゴールデングラブ賞を何度も獲った、スタープレーヤーなのだ。

正田さんといえば、有名なエピソードがある。和歌山生まれで、筋金入りの阪神ファン。社会人からカープに指名されて、「自分は阪神ファンだが、プロであるからこれからは広島に野球をしにいく」と言った職人肌。

高橋慶彦さんとは、現役時代は犬猿の仲と言われていたが、最近は退団したり、高橋慶彦さんのYouTubeに出演したり、仲良くやっているようだ。

参加者が質問を紙に書き、それをもとにトークする形式。
私の質問を、高橋さんが読み上げる。

「正田さんに質問です。入団時は阪神ファンだったそうですが、今はどの球団が好きですか?」

当然答えはカープに決まっているけど、あえてこんな質問をしたのは、そのネタから、正田さんの職人気質を確認できるようなコメントが出てきたらいいなぁという期待から。

正田さんが答える。「阪神です!」

カープ一筋、移籍もせず広島に尽くした現役生活だったけど、それでも今でも阪神ファン。一本気すぎて、逆に萌える。好きなものは好き。でも、仕事として雇われてお世話になった球団には尽くす。職人気質、ここに極まれり。

インターネットには載せられないような当時のエピソードをたくさん聞いて、サインもらって写真も撮って、正田さんの奥深さを味わいつつ、福山の夜は更けるのであった。

とんがっていた時代は終わり、仲良しなふたり
ホテルでレコードプレーヤーを借りて、安全地帯をさっそく。昭和感あふれてた一日。

3日目は島に渡ります。(つづく)

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