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春分図から今後1年間の運勢状況を占う 2023

2023年3月21日 6:24に春分点となります。西洋占星的に見ると今日の春分の日(春分点)は今後1年全体を占う重要なポイントに当たる日時でもあります。太陽が牡羊座に入ったそのジャストタイムの日時でホロスコープ(春分図)を出し、今後1年間の全体運を鑑定します。
今年の春分図から見た日本の今後1年間の運勢状況について読み解いてみたいと思います。(日本のマンデンホロスコープを算出するに当たり、東京を基準として生起地及び生起時刻としました)


2023/3/21 6:25.00'で算出
筆者注意:正確には午前6:24ですが秒数が0の時にはまだ魚座29度にある為、太陽・月・アセンダントの度数が1分(ぶ)ずつ(アセンダントについてはそれ以上の分)ずれてしまいますが、便宜上で6:25に設定してデータを出しました。

【2023年は「魂」の「傷」と真正面から向き合い深く掘り下げていく時、そして癒しを得て回復していく時】

1.春分図の全体的な運気~アセンダント及び天体やその他空間感受点に関わる座相について

2023年の春分図を見てみると、先ず一番目に付くというか感じるのは、全ての天体(太陽系9惑星のメジャー・プラネット)及び空間感受点の殆どが東半球に位置している事。第10室の山羊座29度の冥王星(ちなみに次の水瓶座に約16年ぶりに移動する直前の時を迎えている)をMC(天頂)に、上昇宮(アセンダント・ASC)を中心に集中する天体や空間感受点、一番天底(IC)付近の第3室内に沈む双子座27度の火星、ASCに集中する太陽をはじめとするメジャープラネットで形成されるステリウム(惑星集合)に対する火星のスクエア(90度)…というように、非常に強い影響を及ぼす運気模様が展開されると見ています。
そうでなくても、2023年3月は大小含む惑星の次星座への移動が多い時期となりました。3/7には土星が魚座入りし、春分から3日後の3月24日に日付が変わった辺りですぐに、冥王星が次星座の水瓶座へと約16年ぶりの移動となります。個人天体(太陽~火星)もこの3月中に次星座へ移動していきます。このような惑星の移動が頻繁に起こる事例は割と多く発生するものです。その際に、数多くの天体が次星座へ移動したり、トランスサタニアン(土星以遠の世代天体)同士のアスペクト(座相)の形成が起こったりするなど、そのような星の動きは割と多いものですが、半分以上の太陽系惑星(冥王星は準惑星なのですが、惑星とカウントして)が大きな動きをするというのはあまりない事ではあります。特に、太陽系では唯一楕円型の軌道を描く為に黄道上では星座宮によってバラツキが出てしまう冥王星が十数年ぶりに水瓶座に移り、その後約20年弱の間水瓶座内に滞在し運行していくというのは1930年の発見以来2006年までは太陽系第9惑星(のちに準惑星に降格)とされてきたその期間中において、「水瓶座の冥王星」という概念に対し1930年の冥王星発見以前でのデータを出すとなると、歴史の変遷に合わせての推測の域を出ないというか、象意をどう持たせるか、運気に対してどのような影響を及ぼしていくのかは未知数であるとしか言いようがありません。なので、春分点では山羊座の29度に居る冥王星は水瓶座に入る直前のジャンプする為の踏み台に居るような状態であり、それもまた、冥王星発見以前でのデータでの推測を照らし合わせてみてもその頃の時代状況と現代の状況とでは比較もしようがないとは言えます。
そのトランスサタニアンである冥王星の星座移動の直前に春分を迎えるという事、そしてその次の日には日付変わって1時間くらい後に新月(牡羊座での太陽と月のコンジャクション 0度)を形成する事、春分の前後で個人天体の仲間である水星・金星・火星の次星座への移動が起こる事、それらも含め、春分点近辺の星の動きは大変賑やかで怒涛の展開をしていくものであり、私たち人間社会及び各個人にとっても激動の運気の流れに巻き込まれていくこととなりそうだ、ということ。それはとにかく「前例の無い」「未知数」「未だ嘗て無い」というような形容詞でしか言いようがない、予測不可能な状況をもたらすものと言えます。
まるでそれを鑑みての事なのか、2023年のホロスコープは「魚座」「第12室」「海王星そして木星(木星は魚座の副支配星)」というような兎に角「魚座」の象意に特化した星の配置、そして上昇宮も含むライツ(太陽・月)を中心とした牡羊座内でのステリウム、第1室後半に形成される金星・天王星・ドラゴンヘッド(トゥルー・ノードorノース・ノード)の牡牛座内でのステリウム、というように3つのステリウムで構成される強いインパクトのあるホロスコープ・チャートであると言えるでしょう。それらを踏まえて、春分図のアスペクトやハウス(室)の状況から見る2023年の一年間の運勢傾向を読み解いていきたいと思います。


第12室に太陽を中心に集まるステリウムと他の惑星との関係
2023年の春分図を見ると、先ず目につくのは第12室に集中する魚座の月と海王星及び牡羊座の太陽と水星で織り成すステリウム(惑星集合)。第12室カスプ付近には3月7日に魚座入りしたばかりの土星がいますがギリギリで第11室に入りますが、第12室の影響も若干ではありますが含まれていると言えます。
第12室の象意は「目に見えない世界、実体のないもの、奥深く隠された秘密、深層心理や潜在意識」等の実際に捉えにくく掴みにくい概念を表しています。霊的なもの、神秘、嘘や秘密や欺瞞や混沌などの人間の中から生まれる感情的なもの、宗教性や奉仕精神、内面的なものや感性や創造力なども「魚座的なもの」であると言えますし、インターネットやメディア、バーチャルリアリティーやアートワーク(芸術や芸能など感性と技術の融合で表現するもの)も、この中に含まれていると言えます。
また、魚座そして海王星は「液体」を表します。現在、海王星は魚座にあり、自らの支配星(惑星)が自らのサイン(星座)に内包されるというような状態にあります。その海王星には魚座の月がコンジャクション(0度)を形成されていて、第3室の双子座27度の火星とはスクエアとなります。IC(天底)に近い位置で沈む双子座の火星は第3室の象意である「興味の方向・学習・コミュニケーション・通信・交通・貿易交流・情報・子どもの教育」についてどんどん行動を起こしていく・能動的に前へと進めていくというようなとにかく「行動」「積極性」「活力」を前面に押し出してくるような意味と同時に、攻撃性・戦闘態勢の意味をも持つという「戦闘(たたかい)」の星であり、その火星は第12室のステリウムに対してスクエア(90度)を形成することから、言葉でのやり取りで分かち合ったり解決したりすることに難が出やすいと言えます。混沌とした迷いの中に入り込んでしまうなどして意思疎通がしにくくなったり、自分の考えを押し付けたりするなどで殺伐とした状態になったり、ミステイクやディスコミュニケーションによって混乱が起きてしまったり、互いの理解が進みにくいどころか袂(たもと)を分かつというような状況になりやすいと言えます。それは、牡羊座の水星と双子座の火星がミューチャル・レセプション(2天体のサインの支配星が互いに相手の星座に入れ替わっている状態、星同士がコンジャクション0度と同じような象意を持つ)の関係にある事から、そのようなネガティブ要素がさらに強まるものと推測できます。
しかし、双子座の火星は第12室のカスプ近くの第11室ギリギリに居る魚座の土星によって、形の輪郭をはっきりさせたり、其れまで裏に潜んでいたものを表に引っ張り出して明らかにすることによって、本物か欺瞞のどちらを決断せざるを得ない状況に置かれやすくなるでしょう。しかしそれは、本来ならばきちんと表に出すべき正直さであると言えます。どうすれば自分の中で納得できるのか、それを考える時であると言えるでしょう。
また、第12室はインターネットを表すと言えることから、SNS上でのディスコミュニケーションによるトラブル発生が問題になりそう。売り言葉に買い言葉で炎上するなどしてゆくゆくは訴訟沙汰にまで発展してしまいがち。そして、通信や交通の障害が起こりやすかったりしてその分トラブルが多く発生するなど、社会情勢ではとかく「言葉や意思疎通に関するトラブル発生」が頻発しやすいでしょう。感情に走り過ぎて軽挙妄動になる前に一旦立ち止まって深呼吸するなどして先の事まで読んでみるなどして「冷静に俯瞰する」ことが世の中を渡る為に必要な社会となりそうです。
また、第3室は双子座の影響を持つハウスであることから、契約トラブル、訴訟(大規模なものではなく、少額訴訟・スラップ訴訟・調停などの小規模なもの)に発展するなどの些細な事から大きく発展してしまう事も多そうです。どちらかに偏った分がある状態は余計な争いの火種となりやすいので、互いに平等を保ったりバランスを取ったりするなど不公平感をなくすよう努めるのが得策であると言えるでしょう。

10天体の東半球に偏った配置、アセンダント(上昇宮)付近から第1室にかけての惑星の集中
東半球に偏ったホロスコープは、MC-IC線(天頂-天底を結ぶ線、第4室と第10室の各始点の境界線を結ぶ線)に対してASC(上昇点)を中心とした軸を成している配置にある事から、第10室から第3室までの「社会対自分、社会における自分のキャラクターを活かす」というような事に特化した運気と言えます。社会状況において自分自身の中でどう主張していくか、自分の言動によって社会にどう打ち出していくか、能動的で自主性を重んじる生き方を志向するほうを選ぶのか、自分の意思を大切に動く方が良いのか…それらの中から選び取るということ人生の選択肢の枝分かれに重要な決断を迫って来ることでしょう。
社会情勢的には、国家の真意や在り方が問われる時となり、それについていろいろな議論が起こったり(第3室の双子座の火星とのスクエア)しそうですが、国家と個人の間には大きな壁が立ちはだかり、国家社会が提示するものと大衆の求めるものとの間に乖離が起きてきそう。上と下の間の境界線があいまいなところにこれまでの常識や伝統を持ち出して余計な混乱を招いてしまい、結果的には何事も解決できないというような事がありそう。それは、「上の上」そして「下の下」で密やかに暗躍する集団というのが居てそれに動かされるがままに情勢が荒れてしまう、それがまとまりのつかない混乱を招いてしまうということになりそうです。深い所で分かり合えているという幻想は捨てて、互いに歩み寄って議論ではなく話し合いの調停を少しずつ重ねていくことが、洋々な分野において「揺らぎ」「不安定」を落ち着かせて安定させることに繋がっていくでしょう。それが今年の「命題」となりそうです。

第12室に居る牡羊座の太陽・水星・木星・キロンと魚座の海王星とのステリウム(惑星集合)の象意、双子座27度の火星との関係性と及ぼす影響
春分図の第3室には双子座27度の火星が入っています。双子座は第3室を司る星座であり、その双子座が第3室の表す星座となっていることから、その象意は双子座の象意を更に強調するものとなります。前述した「自分対社会」に於いての座相が表す象意そしてその運気の影響のほかに、「環境」について読み解くと、太陽・水星そして木星と小惑星キロン、その組み合わせの間に分け入る形で牡羊座14度の上昇点(アセンダント・ASC)及び第1室の境界線があり、上昇宮や太陽(春分点)のある牡羊座の支配星である火星は第3室におり、太陽系惑星(メジャープラネット)の中ではIC(天底)に一番近い所にいます。奥深い感情が突き上げてくる形で能動的に動くように仕向けてくることでしょう。その感情をダイレクトに相手に伝えたり社会に広く拡散したりすることは、無謀で危険な状態へと導かれやすくなってしまいがちに。もしくは、危険へ導くような扇動に巻き込まれることとなりそう。この火星は第10室にある冥王星とインコンジャンクト(150度)を形成する為、最大に危機に陥ってしまったとしても、考え無しに上からの命令の言うがままに自滅の方向に向かう事も起こりやすい危険をはらんでいるものと言えます。ただ、第1室の前半部に牡羊座の木星とキロンのコンジャクション(0度)があり、特にこのうちのキロンに関してはアセンダントと同じ牡羊座14度という極めてタイトなコンジャクションとなっており、このアセンダントとキロンに2度違いの牡羊座16度に木星が合わさっていて、この3つの感受点は単独で繋がっています。公平公正な判断、しかしそれを下すには多少の傷も厭わない強い気持ちで信念をもって難事にも飛び込んで行く、そのような攻めの姿勢が、そこに置かれた人々や環境や状況を窮地から救う事となりそう。しかしだからこそ、弱気でいるままで難事に巻き込まれると痛手以上の傷を負うことになりかねません。状況をしっかり見極めつつも正当性のある真っ当なやり方、しかし小賢しく狡猾なやり方を敢えて選ばないほうが、将来的には助かるというような救いに繋がっていくでしょう。

第12室カスプ(境界線)付近の第11室にいる魚座2度の土星、第3室の双子座の火星との関係性
3月7日に魚座入りしたばかりの土星は、春分図ではひとりだけポツンと離れて第12室のカスプ付近の第11室ギリギリに居て、第3室の双子座27度の火星とトライン(120度)を形成しています。
個人よりも団体での活動に発展がみられそう。個人的な利益よりも社会的な意義を優先することで、標榜した理念は広がりを見せ社会全体に影響を及ぼす事でしょう。悪い影響というよりはよい影響であると言えます。これまで曖昧にしていた事柄や秘密裏に暗躍していた物事、発展を阻害している障壁、それらがすべて詳(つまび)らかに明らかになり、それを課題として取り組んで行ったり解決を図ったり、取り除いたり等をすることで一時的には持ち直すでしょう。しかし、前述のとおり、第12室のステリウムとはスクエア(90度)で、根本の原因を解決するとなると、さらに長期的な努力が必要となりそうです。いろいろな難事を乗り越えていく為の努力に関しては土星が火星を支える形での吉相となっているので、持久力に縁があるので地道ながらもこつこつと長期的に努力し、そして自分一人で何とかしようとせず周りと助け合っていくことが重要であると言えるでしょう。
社会情勢的には、政治の世界で党派を超えた結束が見られそう。理念を同じくする者同士に関しては互いに手を結び、少しでも理念を広めようと演説や著述に熱心になる傾向もありそうです。ビジネス運をみると、社会的な道義や責任がクロープアップされそう。特に労働の在り方に関する問題が耳目を集めることとなりそうですが、これまでの伝統とも言うべきやり方と将来に向かっての斬新な方法論の融合が、解決の突破口となってくれるでしょう。しかし、それを実行するとなると、社会全体に混乱を招くこととなるのは必至でしょう。

第1室後半の牡牛座のステリウム(金星・天王星・ドラゴンヘッド〈ノース・ノード〉)が運気に及ぼす影響
第1室の後半部に牡牛座の金星と天王星とドラゴンヘッド(トゥルー・ノード)があると、性別とアイデンティティの在り方についての変革が起こるでしょう。実際、LGBTQについての議論が高まって民法の在り方が大きく変革していて、人類の平等性を保ったり、これまでの恋愛や家族親族の在り方を自分らしく創り上げようとする機運の高まりと共に、これまでの常識や価値観の個性重視の考え方などに重きを置くというような変化により、人間らしく生きるという事についての概念について、更なる変革の機運が高まっていくでしょう。自分の人生は常識や環境に左右されずに自分で決めるという自立心が、自分らしく心地よく過ごせる生活を想像していくこととなりそう。
社会経済においては、あらゆる「価値」という概念の急激な変化が起こりそう。「財」「貯蓄」に関する事でこれまでの常識や慣習を覆すような急激な変化が訪れるかもしれません。また、楽しみ事に金を費やすという事が社会の中でブームとなりそう。レジャーやライススタイルに関する事よりもファッションや飲食などの自分を良く見せたり自分の中の快楽を求めるような事に金をかけるというような事がブームになりそう。フットワークも軽くなるので流行のものにあれこれ目移りして飛びつきやすくなりますが、散財や破産というような事はなさそう。あくまで経済的にお得かどうか、長期的に愛用できるような物かどうか、しっかり見極める審美眼や潮目を読むことが、自分が得するほうに状況を動かせる事となり、繁栄に繋がっていくでしょう。

カルミネート付近にいる山羊座29度の冥王星が運気にもたらす影響
水瓶座に入る直前の山羊座29度の冥王星は第11室カスプ(境界線)のギリギリ第10室寄りにあり、また、この春分図のホロスコープの中では大きな影響を与える要因の一つとなっています。山羊座29度にある冥王星は、春分から3日後の3月24日未明には次星座の水瓶座に約16年ぶりに移動するという大きな動きをしていくその寸前であり、ジャンプアップ前の強大なパワーを発揮しており、他惑星ひいてはホロスコープ全体に強い影響を与えています。
また、この山羊座29度の冥王星は、前述の牡牛座での金星・天王星・ドラゴンヘッド(トゥルー・ノード)とはアウトオブサイン(星座では競争の繋がりだったり不和の角度の配置に居る。星座間では相性が良くても、結局そうでない場合もある)でのスクエア(90度)となります。牡牛座4度で非常にタイトなコンジャクション(0度)となる金星とドラゴンヘッド(トゥルー・ノード)に少なからずの影響が出てくることとなるでしょう。
経済は上向きとは言えど、発展度合いや指数的には、低い所から漸く真ん中あたりの平均値にとどまる事となりそう。衣食住に関する事は挽回のチャンスが巡ってきそう。これまで新コロ禍で停滞や停止や撤退を余儀なくされてきた人にとっては千載一遇のチャンスもありそう。但し、自分に合わないと思ったら離れる割り切りと勇気が必要。情にほだされるなどなし崩し的に引き受けたり無理して「大丈夫です」と言い張るのは自分の為にならない事だと言い聞かせておきましょう。
そのような「遠慮」や「我慢」が、結果的に経済や労働の分野において人々の間に蔓延し、発展を阻害したり脅かす要因になりそう。未だ残る因習や、終わらない権力闘争の火種の燻りが、トップダウン式に下にいくに従い国民に対する締め付けは厳しいものとなりそう。それに甘んじる国民が多い状態になりやすいのですが、その中でも自分なりの人生設計や困難に耐え忍びつつ正当な姿勢で抗う姿勢を持つ人には、新しい生活様式や経済発展がもたらされる可能性も、多分にあると言えるでしょう。

2.歳運を表す木星の運行から見る1年間の運の流れ

今回の春分図において、木星はアセンダントそして小惑星キロンとコンジャクション、今から東の空を上って行こうとする上昇志向を表しています。その為、全体的な運勢傾向としては明るめな法ではありますが、決して「本物の完全」というわけではなく、第12室に牡羊座0度の太陽をはじめとした惑星の集中がある為、どことなく運の流れの波が不安定だったり何気に不安を感じてしまったり…とネガティブ要素が根底にあって揺らいでいる状態の中での「不安定な幸運」でしかないという心許ない運勢傾向があると言えます。この木星付近のステリウム(惑星集合)はほぼ単独での座相であり、その他の惑星との角度を細かく見ていくと火星とはマイナーアスペクトのクインタイル(72度・五角形の一角の角度数)を形成、行き詰まりがあっても無理してでも「大丈夫だ、元気だ」と振る舞おうとするというような少々無理めなポジティブ思考を意味していると言えます。春分図では牡羊座のちょうど半ばの14度~16度付近で木星とアセンダントにキロンが重なっている座相があるので、どう見ても傷を負っているのに無理しているように見えてしまう痛々しさがたくさんの人々の表面に表れている状態、我慢して無理をしてしまう事は今年のうちは良いかもしれないですが徐々にその影響が表れてしまい、終いには二進も三進もいかないような状態に陥りやすくなるという警告を示唆しているのかもしれません。
また、今年は歳運(その年の運気の動向を表す)木星が5月17日を境に牡羊座から牡牛座へと移動して運行していくため、今年の前半と後半では少し毛色の違った運気の変遷があるでしょう。
以下に、今回の春分以降次の春分までの1年間の、木星に対するアスペクトの変遷を解説したいと思います。

【3月21日~4月25日辺りまで】
牡羊座の木星は同じ牡羊座にあるキロンとコンジャクション(0度)。木星もキロンも、宗教・精神世界・癒し・指導者等の象意を持ちます。木星やキロンと同じく、海王星も同じ象意がかぶってくるので、キロンが木星もしくは海王星と合わさると、ネガティブながらもさらに高度な象意を強調するということとなります。キロンはコンジャクションでないと力を発揮しません(吉相・凶相ともにそれなりの象意は表しますが少し弱めです)。
木星とキロンそしてアセンダントのステリウムが牡羊座にタイトに集中することから、自己肯定感を養う為に自問自答しつつ精神修養していくことが人間性を高め、ひいては人間か形成する社会の在り方に良い変化をもたらしていくという事となります。特に、(ゆるめに日程を見て)4月1日~4月15日の4月前半の間は太陽がコンジャクション(0度)となり、高度な人間性を養い形成することが命題となるような流行の傾向が見られそう。牡羊座内でのアスペクトということで、とにかく純粋に真っ直ぐに猪突猛進の如く邁進していく傾向がありますので、夢中になり過ぎて嵌まり込んだり妄信に陥るという危険もあります。その方向性の舵取りを火星が請け負いますが火星は月・海王星とスクエア(90度)なので更にどっぷりと抜け出せない程に浸かり嵌まり込んでしまうというような悪循環に陥らせることになるかもしれません。個人の力では抗えないような状況になりそう。
そういうのについていけないという人が出てきそうな気配はありますので、そういう場合は魚座並びに第12室の象意に関すること(潜在意識・集団的無意識・秘密・精神世界・魂・霊的世界・祈り・神秘・心理・地下・潜伏・裏方・隠居・内面・芸術芸能)のうちで自分の中で課題を見出せるものに関して、学んだり修行したりして自分の血肉にしていくことでまた違った景色が見えるようになってくるはずです。自分の人生が変わった、というような体験をする人も増えるでしょう。

【4月15日~4月30日】
牡羊座の後半・第3デーク付近を運行している木星は、そのまま順当に5月17日に牡牛座へ移動するまでの間に、水瓶座0度の冥王星とスクエア(90度)を形成、特に4月15日~4月25日の間は太陽も木星と共にスクエアを形成していきます。
木星と冥王星のスクエアは、政治経済共に権力闘争と強権支配が横行しやすく問題化したり争いの火種を生み出すというような国家的な不安が、国家及び国民の運気を左右していくでしょう。国家同士の争いや分裂、政治・外交問題ひいては戦争が起こりやすくなってしまうことも。国家体制が二極分化や多極化する方向に進みやすい状況も生まれやすい情勢になると言えるでしょう。

【5月17日~6月5日】
5月17日午前2:20に木星が牡牛座へとイングレス(移宮)していきます。この牡牛座木星のイングレスチャートは5月17日にまたブログで解説しますが、簡単にその木星イングレスチャートを説明すると、
またその4日後の5月21日には火星が獅子座へと移動していき、水瓶座0度の冥王星と共に不動宮(牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座)初期度数でのTスクエア(T字相)を形成します。
権力闘争の拡大が起こりやすいでしょう。4月後半に起こった、海外との外交問題に限らず自国(日本)の中での問題が、また予想だにしていない方向から複数勃発し、解決しにくいまま燃え広がってしまうような事がありそう。少なくとも、このTスクエア形成中の期間中の解決は為されないでしょう。
この火星・木星・冥王星のTスクエアは、5月21日~6月5日まで続きます。その前後に当たる5月5日~5月25日の間は牡牛座の水星が逆行からの5月17日リターンで順行に戻って行くという事になり、そのうち5月12日~5月23日の間は火星・木星・冥王星のTスクエアに取り込まれていき共に運気に影響を与えていきます。言った言わない問題や契約問題など、コミュニケーションの行き違いが問題を悪化させるというような事がありそう。また、この時期に決まった法律は木星が牡牛座を抜けて行く事には覆されそうな予感。この後の牡牛座の木星と天王星のコンジャクションが形成されることに手のひら返しのような事が社会でも個人間でも起こりやすいと言えるでしょう。

【8月1日~8月28日頃まで】
牡牛座の木星は同じ牡牛座の天王星とコンジャクション(0度)を形成、乙女座の火星とはトライン(120度)を形成していきます。
ビジネス運は好調、新しい試みに果敢にチャレンジすると少しずつ成果が上がっていくでしょう。それは今後の経済基盤となって発展繁栄に寄与していくこととなるでしょう。自分の可能性に賭けて積極的に熱心に攻めの姿勢で関わっていくことで活躍できるでしょう。そのような人が多く生まれる事で経済の発展に高度とか著しいとまではいかなくとも「伸び」が期待できるでしょう。

【8月29日からの牡牛座の天王星の逆行、9月4日からの牡牛座の木星の逆行】
8月29日午前11時42分から牡牛座の天王星が、9月4日から牡牛座の木星が、それぞれ翌年1月にかけて逆行します。木星は第1デーク、天王星は第3デークと、それぞれが牡牛座内にありながらも離れた位置に同宮した状態で運行していきます。
天王星は8月29日から12月10日までの間は海王星とセキスタイル、木星は2023年12月~翌年2024年4月18日頃までは魚座の土星とセキスタイルを形成。価値観の多様性を認め合う機運が高まり、流行が世間を席巻していくでしょう。それに従い、新しい時代を造り出そうとする人々の活躍により、社会的な発展が見込めそうです。

【10月25日~11月20日頃まで】
太陽は蠍座に入ってから先に蠍座入りしている水星や火星を追いつつ、牡牛座の木星・天王星とオポジション(180度)を形成します。水星は11月10日に射手座入りしていきますが、それまではこのオポジションのシーソーのそばにいる形となります。
経済の発展が著しい時期となりそうではありますが、その分、それに伴いトラブルも多く起こりやすい時となります。投資やギャンブル性の高い経済活動に関しては一か八かの状態となりそう。他の惑星、特に月との関係で、途轍もない発展を見せたり思いがけない突発的な凋落をしたり、その都度で運気は変わっていきそう。確実性の無い物や殖やそう・取り戻そうというような事に関しては見極めが難しいと言えそうです。

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