冥王星が水瓶座入り…初期度数付近を運行するに当たっての一時的な影響
(生起の日時及び地域は日本の標準時及び緯度軽度は東京で計算した数値となっています。また、通常の個人鑑定で行うようなホロスコープ鑑定ではなく、マンデンホロスコープという社会占星術での読みとなります。)
トランスサタニアン(土星以遠の惑星…天王星・海王星・冥王星<準惑星>については、長期(数年~十数年)に一度の星座移動をする為に、それまでの運気が更にガラッと変わったような雰囲気に生まれ変わっていくかのような、その象徴的な出来事が起こりやすくなります。
今回のトランスサタニアンのうちの一つである準惑星・冥王星の次星座への移動は、2008年からのおよそ16年間(途中、2008年~2009年4月の間で射手座に逆行、2023年~2024年の間に山羊座に逆行、各期間が有り)以来の移動となります。但し、初期度数付近では2023年~2024年の間は水瓶座と山羊座の間を行ったり来たりする状態である為、今回の冥王星の水瓶座初期度数付近の運行は、言わば「冥王星の水瓶座期のお試し期間」とも言える状態であり、期間中は時代の流れが一気に変化してしまったかのような感覚を覚えることが少なくありません。しかし、その感覚は、今後水瓶座の冥王星が水瓶座を運行していく20年ほど(次の魚座への入宮で行ったり来たりする2043年~3024年までの間も含む)の間に「意識改革」「社会変革」というような革新の時代を私たちが生きている間に途轍もないスピードで追い立てられるように変わっていき、それに従い、どんどんその「感覚」を肌身で感じ馴染んでいかざる得なくなっていくものであると言えるのかもしれません。
1.冥王星の概念及び水瓶座入りするに当たってのその影響を考える
冥王星は「準惑星」として「惑星」という括りから降格され、その影響力もホロスコープチャート上では「少なからずあるもの」程度の見方をする占星術師の方もいますが、影響力は未だに強大であるものと私個人的には思っています。
今回の冥王星の水瓶座期間は約20年弱くらい(途中、冥王星の山羊座期間や魚座期間などの他星座への入宮期間を含む)、それまでの星座での滞在期間の中では比較的長めであると言え、前星座の山羊座での期間(約13~14年くらいの期間)で言うとそれよりも更に長い約18年間となります。これは冥王星がその軌道を楕円系を描いている為に起こる現象で、太陽を真ん中に据えた太陽系惑星の運行の中で弧を描く軌道の運行状況は他の惑星と異なり、やや長細い楕円軌道で黄道面から17度も傾いており、そのため冥王星は海王星よりも太陽に近づく時もあります。ちょうど水瓶座内を運行していく時は、太陽系の惑星たちの軌道県内から外れた楕円曲線の遠くなるほうへと運行していくこととなります。
近世(その中でも1700年代以降)にトランスサタニアン(土星以遠の惑星)のうち先ず初めに天王星が発見されて以降の西洋占星術において1930年の発見以来2006年までは太陽系第9惑星とされホロスコープ上ではそれなりの影響力をもたらしている冥王星ですが、それ以前にも影響力をもたらしていたと見做して計算上に含めるという占星術師もいらっしゃいますが実質的には発見当時の蟹座17度からスタートしているので、蟹座以前の前に遡って他星座での冥王星のあり方や象意やその影響を考えるとなると、今回の水瓶座入りは1930年の発見以前でのデータを出すとなると歴史の変遷に合わせての推測の域を出ないというか確証するのは難しいと言わざるを得ない分、「おそらく、こうであろう」という星座の象意を鑑みての予想・予測でしか考えることはできないと思います。
私の個人的推測での冥王星が水瓶座入りすることによって予想される影響については、人類が形成する集合体(社会)としての意識改革や社会的成熟、科学技術の今までとは違う形での変革、人類が創造するものなのに人類がそれに全くついていけない程の発達発展、組織・団体・集合体などが一旦瓦解した上での再構築からの発展、等が考えられます。
冥王星が初めて水瓶座に入った瞬間のホロスコープ
2023年3月24日 午前0時24分
アセンダント(上昇点)は射手座24°02’ にあり、その射手座の支配星の木星はキロンと共に牡羊座IC(天底)カスプ(境界線)付近の第4室にあります。また、今回の主役である水瓶座00°00' の冥王星は第2室にあり、第3室の牡羊座の太陽・魚座の海王星とセキスタイル(60度)、第4室の牡羊座28度の月、牡牛座の金星・ドラゴンヘッド(トゥルー・ノード)とスクエア(90度)、第7室の双子座29度の火星とはインコンジャンクト(150度)を形成しています。
この水瓶座0度の冥王星は第2室にありますが、インターセプトという「一つのハウス内に於いて、ある星座がその前後にある星座に挟まれた状態になり隠れてしまう」という内在化してしまう星座及びそこにある惑星の事を言います。第2室のカスプは山羊座29°05' ですが次の第3室のカスプは魚座7°45'となり、水瓶座は山羊座と魚座に挟まれて内在化してしまう、という状態になります。これは、「第2室の象意に関連する事柄において水瓶座の象意のような影響力は発揮されにくい」ということであり、冥王星が水瓶座の象意のような影響を及ぼすには力が弱いということであります。
上昇点(アセンダント)に一番近い(しかし第2室)のでそれなりの影響はありますが、第7室の双子座の火星とインコンジャンクト(150度)という直接的に強い力を発揮するには不安定な状態を表しているので、完全な影響を及ぼすにはまだまだ力不足でありパワーを発揮するにしては未だおぼつかないような状態であるし、水瓶座に入ったばかりということでその影響は純粋に発揮はされるものの未知数のものであると言えます。第2室にある冥王星はマンデン占星術では「価値観を再構築する・経済的に成功する為の強欲・物質世界の破壊と再生・貨幣価値の瓦解と再構成」などを表しています。しかし第2室の冥王星は水瓶座にある為、前述の象意に「改革開放・既成の概念にとらわれない・高度の思想概念・科学技術及びITテクノロジー」等の象意が加わってきますが、今回の冥王星の水瓶座入りは、それら水瓶座の象意についての一気呵成の変革や突然の青天の霹靂(へきれき)が起こるとか性急に高まり青天井となる…というような突発的かつ急激な変化は起こりにくいかもしれません。
冥王星が3月24日~6月11日の間に水瓶座に居る期間中は、どちらかというと、次に冥王星が水瓶座入りする2024年1月21日のほうがそれなりに強い影響を与えてきますし、さらに2024年11月20日 午前8時43分の冥王星の水瓶座への再入宮のほうがもっと、その瞬間のチャートを観る限りは、未だ嘗て無い稀にみるインパクトを与えてくるかもしれません。(先に来る、2024年1月21日のチャートでは、太陽・冥王星がほぼ同時に水瓶座入りしていく時に、牡牛座の木星とスクエア90度、魚座の海王星とセキスタイル60度が形成される)
2.第1回目のお試し期間・2023年3月24日~6月11日の間に冥王星が及ぼす運気の傾向
1930年の冥王星の発見以来から数えるとなると、今回の冥王星の水瓶座入りは実際の事象を目の当たりにする人が多く居てそれを記録することが出来るという「歴史の流れからの推測ではなく、史上での実体験の記録」が可能な時代の中で言うと初めての「経験」だと言えます。その為、影響を想像・推測するに当たり「前例」を鑑みて占いを立てることが出来にくいのですが、推測の域を出ない中での占いを立ててみたいと思います。
(1)今回の冥王星の水瓶座入り、水瓶座0度内を運行する間に冥王星が運気に及ぼす影響
水瓶座に入ったばかりの冥王星は、その象意が純粋に発揮されやすくなります。しかし、今回の水瓶座入りは、水瓶座0度「のみ」の中での運行なので、さらに純粋さが増して水瓶座の象意そのものの影響を及ぼしていくことでしょう。
水瓶座の象意…「理想実現」「概念や理念」などが衝動に駆られる形で自由の下に発揮される状況、それが突発的に破壊や無に帰すことさえも恐れない状況へと追い込んでいくことになりそう。その窮地の中で「如何に自分らしさを表現するか」という個性の在り方、そして社会とのかかわり方において、啓示を得られるというような事がありそう。しかしそれは、かなりいびつな形を模していて一見取っつき難いようなどうしようも出来ないような、訳の分からない不安に駆られるが故の「衝動」を呼び覚ますようなこととなりそうです。それはまさしく「青天の霹靂(せいてんのへきれき)」と表現するような「勃発」であると言えるでしょう。
(2)水瓶座初期度数付近の冥王星と他惑星とのアスペクトが作り出す運勢状況
【3月24日~3月28日】
水瓶座0度の冥王星が牡羊座の太陽とセキスタイル(60度)を形成。新しい時代を造り出そうという機運が高まってくるでしょう。もうその時代の波はやって来ているので、それに如何に上手く乗っていくか熟慮すべき時と言えます。3月25日に火星が蟹座入りするのと火星が牡羊座第1デーク内の太陽とはスクエア(90度)を形成しているので、積極的に展開するのは今は時期尚早と言えそうです。だからこそ、計画を練ったり方法を検討していくことが向いている時期と言えます。
【4月11日~4月19日】
金星が双子座入りすると水瓶座0度の冥王星とトライン(120度)を形成していきます。しかしながら、このところの金星は、水星と同じく、動きが早く1か月くらいで次星座へ移動していくことが多く、今回のこの金星と冥王星のトラインも1週間ちょっとの間しか座相を形成しません。そして、同時に、双子座の金星は魚座4度付近の土星とスクエアで、楽しみ事や愛情や金運に余計な横やりを入れるように刺激し感情の抑圧を与えてきます。この時期に一度壊れてしまったり無くなってしまった物を再構築するとなると大きな苦労をすることになりそう。また、楽観的な考えは木っ端微塵になって消え失せてしまうかも。後述の4月後半の太陽と冥王星のスクエアの影響力も相まって、抑揚する気持ちはあれど冷や水を浴びる破目になることが多そうな期間です。
【4月15日~4月30日】
牡羊座最終度数付近~牡牛座第1デーク付近の太陽と水瓶座0度の冥王星がスクエア(90度)となる期間。この時期は、今まで楽観視していたり積極的に行ったりしていた事が突然頓挫したり停滞の憂き目に遭うなどして、それまで出来ていた事が危うい状態になるなど状況の見極めが難しい時となりそう。しかし、太陽には魚座の土星が、冥王星には魚座の海王星が、それぞれセキスタイル(60度)を形成してくるので、状況を冷静に見極め真相を明らかにする為に深く掘り下げていく時となりそうです。
この時期は経済情勢並びに物質的・金銭的な価値観において社会的な混乱が起きやすく将来への不安が一気に襲ってきそうな運気となりそうではありますが、物事の深淵を見つめ直すことで「これまでとは違う新たな答え」を見出す時と言えそうです。
【5月2日~】
2023年5月2日午前2時31分に冥王星が逆行を開始します(水瓶座00°21' )。水瓶座の0度という度数だけを触る形で運行していった冥王星は、この辺りから木星とスクエア(90度)を形成していきます。この木星は、5月17日午前2時21分に牡羊座から牡牛座に移動していき、2024年5月26日午前8時16分に双子座に移動していくまで暫く牡牛座内を運行していきます。牡牛座に入った途端に水瓶座の冥王星の洗礼をいきなり浴びるという状況となるので、一度山羊座に再入宮するまでの間は冥王星とのスクエアという座相が表す象意と影響…経済の発展の阻害や政変や権力闘争の勃発、価値観の変容を迫れる切羽詰まった状況に陥る、等…があるでしょう。
【5月20日~5月31日】
水瓶座0度の冥王星は、牡牛座最終度数(涙の度数29度付近)~双子座第1デーク内まで進む太陽とトライン(120度)、5月20日に獅子座に移動していく火星とは6月11日までの間にオポジション(180度)を形成。火星ー冥王星のオポジションに対して太陽が調停位置となる配置です。火星―冥王星の180度という強大でインパクトのあるエネルギーの循環が太陽によって広く拡散していくというような運気となりそう。しかし、この火星―冥王星ラインは5月17日に牡牛座入りした木星とはスクエアで、火星・木星・冥王星とで不動宮(牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座)のTスクエア(T字相)を形成。太陽が上手く執り成してこのTスクエアの影響を薄めはするものの、月が獅子座入りする5月24日~5月25日、月が蠍座入りする5月31日~6月1日、の各期間はこのTスクエアとの絡みがあり、その象意を強めます。月が獅子座の前半に居る時は火星・木星・冥王星のTスクエアの凶の方面に象意を強める働きをしますが、月が蠍座入りして前半を運行していく特に6月1日は月・火星・木星・冥王星とで不動宮(牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座)のグランドクロス(十字相)を形成し、火星・木星・冥王星のTスクエアの凶の象意をさらに強め混乱を呼ぶ結果となりそう。この辺りで、世界的に徐々に暗雲とキナ臭いニオイが立ち込めてきそう。特に、争いの火種が起こりそうな気配も。それによって世界は混沌としてしまいそうな予感もあります。政治や経済に衝撃的な破綻や瓦解があるかも。ただ、人々の正しい判断と優しさでいっぱいになるような一体感が窮地を救う可能性も、無きにしも非ずと言えるでしょう。
2023年に水瓶座初期度数~山羊座最終度数の付近を運行していく冥王星は、2024年1月21日に再度水瓶座にイングレス、そこから約18年間は水瓶座内を運行していきます。今回の記事では2023年~2024年1月までの冥王星が運気にもたらす影響を解説しましたが、次の入宮時の2024年1月21日の辺りで解説記事を書きたいと思います。
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