【ワイン備忘録 #5】トラウトワイン ブラン 2020
唯一ワイン生産地気候区分のRegionⅡに属し、ドイツの中でも最も温暖な産地バーデンのワインです。ただ生産地はバーデンといっても南北400kmにわたって広がる細長いエリアに9つあるべライヒ(地域)それぞれの特徴を理解する必要があります。
今回のトラウトワインはべライヒ・カイザーシュトゥールに拠点を置く、1980年に有機栽培を開始・2004年にデメター認証を取得したビオディナミの生産者です。
現当主のアネ・クリスティン・トラウト氏はメオ・カミュゼやルフレーブで修行した経験もありブルゴーニュの影響を感じさせる生産者でもあります。
カイザーシュトゥールは、ライン川とシュヴァルツヴァルトの間に広がる平野にぽつんと聳える標高556mの死火山で、ドイツ語で「皇帝の椅子」を意味します。そのため火山岩が多く混じる土壌となります。
火山性土壌の話は輸入元のヘレンベルガーホーフさんのブログが面白かったです。
〜テイスティングメモ〜
輝きのある優しいイエロー。やや粘性がある。果肉が柔らかい白桃、エルダーフラワー。火打石。少しだけオイリーな香り。蜂蜜。
口に含むとまず力強くしっかりした酸が印象的だが、中盤にかけては厚みのある果実味が広がり、後半は交配品種っぽい余韻の短さを感じる。
いいとこ取りのブレンドらしいワイン。
品種 (データは2021年のもの。)
ミュラートゥルガウ 45%
ヨハニター 25%
ムスカテラー 12%
ゲヴュルツトラミナー 6%
リースリング 6%
ソーヴィニヨンブラン 6%
今回の2020年の正確な品種は分かりませんが、私の印象としてはリースリング的な酸と交配品種のアロマティックさを強く感じました。
参考価格帯 3000〜4000円
※品種メモ
ミュラートゥルガウ:リースリング×マドレーヌ・ロイヤル。シノニムはリヴァーナー。
ヨハニター:リースリング×〈セーヴ・ヴィラー12-481×フライブルグ153-39〉
⭐︎PiWi品種(カビ菌耐性品種)
フライブルグ153-39:グラウブルグンダー×グートエーデル(シャスラ)
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