Trajectory of Dreams.

ASARI 🎨 NFTcreator

2022年12月29日 07:04

"Trajectory of Dreams(夢の軌跡)"
2022.12 製作 NFT紅白2022参加作品

【 Description 】

イラストレーターになる前、私には別の夢がありました。
その夢の為、脚を折ろうが殴られようが無我夢中で努力しました。

『大好きな馬と関わって生きていきたい』
『誰かのSOSに気付け助けられる存在になりたい』
『尊敬する父と並んで仕事をしたい』

夢に溢れた日々でした。

努力の結果、
私はその夢まであと一歩の所まで進んでいました。

そんな時、私は自分が難病だと知りました。

努力した結果や夢は簡単に崩れ去り、
夢を叶えていく仲間の存在や手の施しようがない痛みで私は心を病みました。
毎日が苦痛でこの先の人生が何も見れなくなりました。

しかし2年前のある日ひとりの先生に出会い、自分が絵を描くことが大好きだったことを思い出しました。
どんどん上達することが楽しくて、目指せる夢が出来て…それが何よりの鎮痛剤になりました。

夢を叶える方法は一つではなかった、私はその時やっと気付くことができたんです。

そして今、そんな私が砕かれた夢の軌跡によってこの作品があります。

私の今の夢は、『誰かの背中を後押し出来る作品』を生み出すことです。
あの時の先生のように。

そしていつかこの身体を治すことも諦めません。

私はこれからも描き続けます。

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Before I became an illustrator, I had another dream.
For that dream, I worked selflessly, whether I broke a leg or was beaten up.

I wanted to live my life with horses, which I love.
I want to be a person who can notice and help someone's SOS.
'I want to work alongside my father, whom I respect and admire.

My days were filled with dreams.

As a result of my efforts
I was one step closer to that dream.

Then I learned that I had an incurable disease.

The results of my efforts and dreams were easily shattered.
I became severely depressed due to the presence of my former friends who were fulfilling dreams that I could not fulfill and the pain I could not control!
Every day was painful and I could see nothing of my life ahead.

But one day two years ago, I met a teacher who reminded me of my love for painting.
I was happy to make progress, and I had a dream that I could aim for... that was the best painkiller of all.

There was more than one way to make my dream come true, I finally realized then.

And now, this work exists by the trail of my shattered dreams.

My dream now is to create "a work of art that can push someone's back.
Just like my teacher at that time.

And I will not give up on curing my body someday.

I will continue to draw.

【あとがき】

まず初めに、
・多くのホルダー様
・この作品を見て下さった方々
・Descriptionを読みここまで目を通して下さった方々
・私の活動を応援してくれる友人達
・入院中も毎日支えてくれて今日まで私のやりたい事に賛成してくれた両親

私の作品に関わってくれたすべての方々に感謝の気持ちを送りたいと思います。

この気持ちを前提にこの作品について語ってみたいと思います。
大変長くなりますのでお暇な時にお付き合い頂けると嬉しいです。

◇ 作品の経緯

2022年はイラストレーターとしても、NFTクリエイターとしても挑戦の年でした。
特に2月より本格的にNFTクリエイターとして活動を始め、多くの方に支えて貰いながら自分が描きたいものを描き自分自身を表現してまいりました。

自分自身の表現はかつての自分には難しいことで、特に『自分の弱い部分』をさらけ出すことにかなり恐怖していました。
それは幼い頃からの癖で、「痛い」だとか「助けて欲しい」などが表現出来ず我慢しがちだったというのも原因だったかも知れません。
しかしこの1年で少しずつ自分を表現することに挑戦していき、段々とさらけ出せるようになりました。

そんな最中「そろそろ過去の自分を表現してもいいかもしれない」と感じました。

それまで自分の1番弱い部分である"挫折した過去"そして"抱えている難病"についてはひた隠しにしていて、1番さらけ出すのに勇気のいるものでした。
何度も何度も話してしまおう、隠しているのが申し訳ないようでツラいと悩み…
その度に「話したらみんな離れてしまうのでは？」「病気持ちだから…と遠ざけられてしまうのでは？」と不安になっていたのです。

ですが同時に「私の周りの人達は決してそんな偏見で離れてしまうような人達ではない」とも思っておりました。
そして段々とその人達との関わりを深めていくうちに不安は薄らぎ、「今年最後のタイミングで伝えよう」そう決心しました。

もちろん作品というカタチで。

そうして描き始めたのが"Trajectory of Dreams."でした。

◇ タイトルについて

実は"Trajectory of Dreams."(夢の軌跡)というタイトルは作品完成の間際にやっとの思いで付けました。
何故かと言うと、作品に対する思い入れや伝えたいことが大きすぎて上手く言葉に出来なかったのです。

ただ「夢」という言葉はどうしても使いたいと思っていたので、作品ができる経緯やまるで夢の残骸が今日までの道のりみたいだな…なんてことを考えているうちに「軌跡」という言葉に辿り着きました。

"今まで砕け散った夢が軌跡になって今の夢へ繋がっている"

"今まで経験したことはすべて無駄ではなく、夢を叶える方法はたくさんあって人生はいい意味で突然変わることもある"

こうして、作品も含めてそんな風に伝わればいいなと思いこのタイトルを名付けました。

少しでも伝わっていてくれたら嬉しいです。

◇ ASARIという人物について

私はイラストレーターになる前は公務員として働いていました。
あまり詳しくは言えないので、やんわりお伝えすると都民をお守りするお仕事です。

何故その職についたのかと言うと、私の夢は誰かの助けになり、かつ馬と関わる仕事がしたかったからです。

私は馬が大好きで自分でも乗ったり、青森まで実習として乗馬クラブに住み込みで働きに行ったりなどするほど馬が大好きでした。

しかし乗馬クラブに務めることも家庭的に厳しく馬に関わって行くにはどうしたらいいかと進路に迷う大学時代を過ごしていました。

そしてとある日、通学のため電車に乗っていると身体の不自由な方が座席に座っている私の前を通りました。
その方は席を探しているような素振りで、周りの人も気付いていないようでした。
声をかけなきゃ…私はそう思い声をかけようとしたのですが勇気が出ず、結局その方は別の車両へと移っていきました。

その時は本当に悔しくて、すぐに動けない自分が許せませんでした。

困っている人をすぐに助けられるような人になりたい、
勇気を持てるくらい強くなって自信を持ちたい
そう強く思いました。

そして思い付いたのが前職の職業でした。

小さい頃から誰かのためになる仕事が出来たらいいなと思っていたので、その職はぴったりでしかも私の父の現職。
常日頃話を聞いていて、その大変さもやりがいも知っていました。

その上、その職場には騎馬隊という部隊があり、馬と関わっていきたい夢にもぴったりだったのです。

私にはこれしかないそう思い、試験に合格し職業学校での死にたくなるほどツラい日々も乗り越え夢への1歩を踏み出しました。

しかしそんな夢に溢れた日々もすぐに終わりがやってきました。
騎馬隊の方から「いつでも見学においで」と誘って頂きこれで夢へまた1歩近づけた…！と思った数日後、私は職務中に倒れました。

最初はただの軽い熱中症かと思っていましたが、神経内科の先生から少しおかしいと言われ私は大きな病院で検査入院することになりました。

神経系での異常というのは髄液検査で分かっていたものの、一向に原因が分からないため色んな検査を行いました。

そして入院から5日後の夜、消灯直前の病室に担当医が急いでやってきて原因が分かったと告げました。

「先天性の脊髄空洞症キアリⅠ型です。」

恐らく多くの方は聞いたことがない病気かと思います。
私も名前くらいしか知りませんでした。

この病気は簡単に説明すると何らかの原因（先天性のものや事故など）で脊髄内の脳脊髄液の流れに異常が出来て空洞が出来てしまい、脊髄を内側から圧迫してしまう病気です。

私の場合は先天性で生まれた時からのものだったようで、分かった時には頚椎から腰椎までの広範囲で空洞が出来てしまっていました。

その後すぐに手術が行われて、頭蓋骨の一部を切除して脳髄液の流れを改善し無事に成功しました。
今でも夢に見るのですが、手術から目覚めてからの3日間は人生で1番辛い3日間でした。
かなりグロテスクな表現ばかりになるので割愛させて頂きますが、熱と嘔吐が止まらず本当に二度と御免だと思う程です。

こうして手術が成功したものの、進行が進んでいた私の身体には後遺症として障害が残ってしまいました。
肩から下の右半身の痛みと痺れ、自律神経障害…
現在も毎日、あまり飲み続けるのも良くないような強い痛み止めを飲んでやっと人並みの生活が送れています。

結果そんな身体では馬にも乗れず、時に寝たきりの日もある私には電車通勤も難しいため辞職せざるを得ませんでした。

そこからはDescriptionにも書いた通り、心を病んでしまい元仲間達や友人が楽しそうに夢や趣味に明け暮れているのを妬む日々でした。

さらには私の抱えている障害は内在的なもので周りからは見た目では分かりません。
毎日死にたいくらい痛いのに頑張って過ごしているのを「意外と元気そうじゃん」といわれるのが本当に辛かったです。
こんな日々が残り一生続くと思うと絶望しかなかったです。

そして何よりも辛かったのが、産んでくれた両親が自分達のせいでごめんと責任を感じてしまっていたことでした。
今はもう両親も私も乗り越えて「過去があるから今がある！」と明るく捉えていますが、あの時のことは今でも思い出すだけで涙が止まらなくなります。

その結果、私は重度の鬱病だと診断されるまで疲弊し正直その頃の記憶は朧気であまり覚えていないのですが死ぬ1歩手前でした。

そしてそれを止めてくれたのは両親の存在と、

深夜におすすめ動画で流れてきた1本の動画でした。

それがさいとうなおき先生のこのメイキング動画です。

【FF7R】ティファ&エアリスイラストメイキング【完全公開】

正直言って衝撃的でした。
自分の知らなかった絵の技術や流れ、さらには学ぶ機会のなかった絵の勉強がこんな手軽に出来るんだ…！と、気付いたら先生の動画を見漁っていました。

私は物心つく前から絵が大好きで、学校で賞を受賞したりもしながら趣味としてずっと絵を描いてきていました。
前職でも似顔絵の技術を生かしてはどうかとスカウトを頂いていたくらい、ずっと続けていた趣味です。

しかしそれは趣味の範囲内であって、塾や専門学校にも進んでいない私はイラストレーターには絶対なれない…そう思い生きてきました。
しかし動画のなかの先生はそんな私の考えを吹っ飛ばしてしまうほど輝いて見えました。

「もしかしたら私はまだ誰かのために生きれるのでは？」

そうして私はどんどん生きる活力が戻り、療養のため鹿児島の父の実家へ引越しストレスの元から離れることで鬱病を克服しました。

それからは先生の動画を見て勉強して、描いて、反省点をメモし改善する…
時間はたっぷりあったので私は絵に打ち込みました。
するとどんどん絵が上達し、好きだと言って下さる方も増え依頼も頂けるようになりました。

そして私は新しい夢が出来ました。

自分の絵でたくさんの人に幸せな気持ちになってもらいたい

そして将来的に余裕が出来たら、

私と同じ脊髄空洞症や難病によって見た目では分からないけれど、障害を抱えて苦しんでいる人がいることを多くの方に知って貰える活動をしたい

（あわよくばいつかもっと生活に余裕が出来たら、さらに痛みが和らぐ身体にも害のない新薬や神経修復の治療法が確立する援助がしたい…なんてのも…出来たらいいなと思っています）

こうして私はイラストレーターになることを家族に相談し、支えて貰いながらイラストレーターとしての活動を始めました。

本当にあの時、さいとうなおき先生の動画に出会えていなかったら私はこの世にいなかったかもしれません。
それだけ死を覚悟するほどの挫折を私は経験し、さいとうなおき先生の作品に命を救われました。
感謝してもしきれないほどです。

しかもその先生がきっかけでNFTクリエイターという新しい夢の道筋が出来て、こうやってたくさんの方に作品を愛して頂けるまでになりました。

この経験は絶対に作品に活かせるし、活かしていきたいと思っております。

こんな私ですが、これからも作品で皆さんにたくさんの楽しいや幸せそして活力を感じて貰えるよう精進して参ります。

この"Trajectory of Dreams."も誰かのそんな作品のひとつになれたら嬉しいです。

ここまで長々と拙い文章でしたが、読んで頂きありがとうございます。
以下は作品のモチーフの解説となりますので、作品と合わせて気軽に楽しんで貰えると嬉しいです。

【作品解説】

◇ 少女と傷跡

この少女は私が代理キャラとしてホルダー特典Collection『Thank you Flower Girls』で描いている"ASARIちゃん"の過去の姿を、自分の過去の姿
の要素を組み合わせながら創作したキャラクターです。

手術によって一部短くなってしまいレイヤーで誤魔化した髪型や、
手術直後の頭の包帯、前職の訓練で負った左肩の痣、麻痺によってすぐに痛めてしまう右手首、職業学校で無理をした結果の右踵の疲労骨折…などなどその怪我をしている部分にも自分の過去の努力や挫折の痛みが表れています。

その表情も、痛みで苦しんでいるような顔ではなくどこか決心や決意を思わせる強い眼差しと口元で表現してみました。

◇ 壊れた馬のおもちゃと馬術道具

これは私がかつて夢だった馬との関わりそして騎馬隊を表しています。

自分にはこれしかないと言えるほど、1番に夢見ていたもので未だに未練があります。
馬を見るのもツラくなる日もありました。

その為、このおもちゃはどの夢の残骸よりも大きくハッキリと描かれています。

◇ ピストルと的

あまり運動が得意ではなかった私ですが、そんな私にも得意なことがありました。
それが射撃技術です。

職業学校の全同期の中でも1,2位を争うほど得意で私の自慢でもありました。
もちろんこの技術は誰かを守るため、そして自分自身をも守るためでもあります。
なのでいつだって訓練には本気で取り組んでいました。

それからこの技術は父親譲りでもあったのです。
父は代表にも選ばれ大会でも良い成績を残していました。そんな父が私の目標でもありました。
いつか父と同じように代表に選ばれ、父の成績を超えてみせる…そんな夢も持っていたのです。

なのでピストルと的は私の父への憧れの象徴でもあるのです。
この夢は数ある中でも思い入れの深い、この作品には欠かせない夢（目標）でした。

◇ 宝箱とその中身

宝箱はその文字通り私を構成している大切なものです。
いつもイラストレーターの仕事で使っているiPadやApple Pencil、そして大好きな歌や推し、努力して技術を高めていったイラストの数々…それらが花々とともに溢れ出し傷付いた自分自身を包み込むことで過去から現在、そして未来へと幸せに溢れている様子を表現しました。

何故、花とともに溢れ出しているのか。それは私がこのNFTクリエイターとして活動を始めた1年で描いてきたcollection『Thank you Flower Girls』からきています。

https://opensea.io/collection/thxflower

私はこのcollectionで花とともにホルダー様への感謝を伝えています。
花を描くことは喜びや悲しみ、幸せや感謝に至るまで様々な意味合いを持たせられる表現方法だと思っていて、ASARIの作品として欠かせない要素かなと思いこの作品でも描きました。

このような宝箱は誰しも持っていて、それはいつだって夢や将来、その後の人生に幸せを運んでくれるはずです。
この作品のようにきっとどんなに傷ついても温かく包んでくれます。
どうか自分の好きなもの、欠かせないものはいつまでも忘れず大切にして下さい…。

【ここまで読んで下さった皆様へ】

長く拙い文章だったにも関わらずここまでお読み頂きありがとうございました。
あまりにも伝えたいこと、お話したいことがありすぎてまとまらず…
文章を書くのは本当に難しいことなんだと思い知りました。

私の過去については、もちろん全てをお話した訳でなくほんの一部になります。
ですが、ASARIを知って頂く上で欠かせないことはすべてお伝え出来ました。

来年からは過去の自分ともさらに向き合って、自分と自分の作品をもっと大好きになった状態で活動1周年を迎えたいと思います！

本当に大事なお時間を頂き、ここまでお付き合い下さりありがとうございました。
またこのように作品について語る機会も増やしていけたらと思っておりますので、その際はまたお付き合い頂けると幸いです。

これからもASARIとその作品をどうぞよろしくお願い致します。

追記

ここで述べたことは決して、

「どんなに辛くても頑張れば幸せになれるよ！だから貴方も頑張れ！！」と言いたいのではなく…

自分の予期せぬ出来事で道は開けたり、今までの夢の軌跡は決して無駄ではない…と伝えたいものです。

過去の私のように、"同じように障害を抱えながら頑張る誰かの姿を見ると、それが出来ない自分は無価値だ"と思っている方も中にはいると思います。
私はそんな方々にも寄り添える活動がしたいです。
無価値なことなどないと伝えられるようこれからも精進して参りますので、見守って頂けると嬉しいです。

2022.12.28 ASARI

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