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えーんえーんと泣く。

後悔はしていない。

メンタルを2度もやられたのだから、離れるのが正解だ。
いや、正解かどうかは知らない。

でも私は決めたのだ。
もう無理だと。

私はメンタルがぼろぼろになったし、今ではダンナにまで不安を与えてしまった。
離れるしかない。

だから後悔はしていない。
でも「無事に離れる宣言してやったぜ!」と高笑いするようなメンタルの持ち主でもない。

「親」というのは強い。
どんなに嫌なことをされても、「親である」というその一点で許してしまいそうになる何かがある。

今までそうして許してきた。

子どもの頃から我慢して、親をあきらめて。
自分で子育てする中で、親のおかしさを再認識して。
でも「親」だという理由のみで、我慢し続けて。

そしてとうとう今回、もう無理だと悟った。

そういう経緯を両親に話し、少なくとも父は理解してくれた。
母は理解したふりをしつつ、どこ吹く風のようだったが。

ともかく、私は今できることをやった。
しかしどういうわけか、悲しい。

「愛されたかった、甘えたかった」という自分の気持ちに気づいてしまったせいだろうか。

でもそれはあの親では無理だったのだ。
そのことは自分が一番知っている。

よその家ではどうだか知らない。
一般論では違うかもしれない。

しかしあの両親と私、という組み合わせには無理だったのだ。
ないものねだり・・・か。

これからは私の大事な人たちを愛して甘えよう。
そして私の大事な人たちに愛してもらって甘えてもらおう。

昨日はいい機会だから、とりあえず泣いておいた。

息子は学校に、ダンナは会社に行っている。
今泣かずにいつ泣くよ!?
そう思って、声を出して泣いた。
「えーんえーん」ってなんだか子どものような泣き方だった。
子どもの時の私が我慢した分を、今泣いてるのかもしれないような。

顔から水分が山ほど出た。
水分と一緒に、心のモヤモヤがどんどん出ていくように、力いっぱい泣いてみた。


泣いた後、今度は怒りがわいてきた。

母の言う「金返せ」のもとになった、父の付けていた記録というのは、なんと父の(ある意味)道楽だった。

施設に面会に行った際に聞いてみたのだ。
なんのために記録をつけていたのか。

すると「どれくらいになるのか面白そうだと思ってつけてみただけ」という回答だった。
それを母が見事に悪用したというわけだ。

母の言う「1000万以上」の内訳のすべてを聞くことは出来なかった。
しかし一部は分かった。

贈与としてもらったある程度まとまった額。
新築祝い。息子への祝い金。など各種祝い金。
父に頼まれて金(ゴールド)を売ったことがあり、そのときに換金できた中から一部こづかいとしてもらったもの。
それから株を売ったもの。
などなど・・・。

・・・いや、ちょっと待って。
株って何?
私、まったく身に覚えがないんですけど?
私の名義で株の運用でもしてたんですか???

大から小までいろいろあるらしかった。

息子が小さかった頃は、ちょこちょこ実家に顔を出していたのだ。
その頃は両親もまだ若かったし、財産にも余裕があったのだろう。
行くたびに私は「電車代とお土産代」という名目のこづかいを渡されていた。

「遠くまで来てくれてありがとう。電車代にしてね。残りは美味しいものでも買って帰りなさい」
毎回、そう言ってくれた。

ときどきは「これはこづかい」と言って、もっとくれることもあった。

優しいところもある両親なんだと思っていた。
感謝して、そのお金は大事にとっておいた。

しかし時が経ち、子どもの塾代やら物価高やらで家計もきつくなってきた。
私のこづかいも少しずつ減っていた。
そんなとき、もらったおこづかいを取り出して気晴らしにでかけることもあった。

映画を観たり、本を買ったりさせてもらった。
ありがとう・・・と思いながら、少しずつ使った。

なんだよ!!
そういうのも「返せ」の中に入ってたのかよ。

ありがとうなんて思わなきゃよかった。

いろいろあるけど、優しいところもある両親。
そう思っていたのに。
数少ない良い思い出すら、ふみにじられた。

そう思って怒りがわいた。

だからあの人を信用しちゃいけないんだ。
安心してるとだまされる。

そう思って、また泣いた。


もう、思考がぐちゃぐちゃ。
心療内科に行って、薬をもらってて本当によかった。
薬のおかげで、メンタルは落ち着いてる。

ただ、しばらくはぐちゃぐちゃの気持ちが続くのだろう。
仕方ない。
それだけの事件だったんだ。

結果的に、実家と離れる宣言をして、ほぼ自分の思った通りになったのに、
つらい。

後悔はしてないけど、別のつらさ。


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あさのしずく
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