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いろんなカタチのポケモン愛を語るんだ!

まだ西暦2000年を迎えていなかった頃、働いていた店舗の有線では毎日のように「ポケモン、ゲットだぜー!」と松本梨香の、いやサトシの元気な声が響いていた。

曲の出だしのあたり、けっこう早口で展開されていてなかなか歌詞が聞き取れなかった。
あの頃はあんまり早口の歌はなかったのだ。
ポルノグラフィティが出てきて「おー!早口言葉みたいで楽しい歌だなー」と思っていた時代。

歌詞が高速で流れていくのに耳がついていくのが、なかなかなかなか大変だけど。
あの子のスカートの中♪が聞き取れた時は満足と落胆を同時に味わったっけ。
やっと聞き取ったのに言ってることそれ!?ってなもんだ。

そのうち店でも子ども向けにポケモンのちょっとした玩具を扱い始めた。

おー、これがピカチュウか。

他のは知らないので興味はない。
黄色くてしっぽがギザギザのやつだけ覚えた。

次のポケモンエピソードは、ポケットピカチュウ。
職場の同期と一緒に、歩数計でピカチュウを楽しんだ。
やっぱり黄色いピカチュウしか分からないし、他のを知りたいとも思わなかった。

この頃は可愛い名刺を作る自販機みたいなものがあって、私はピカチュウで作った。
ちなみに作った名刺は友だちと交換したりする。
個人情報をプリクラみたいにやりとりするイメージ。


ポケモンエピソードその3。
なんとなく買った菓子パンにポケモンのシールが入っていて、ミュウだった。

ピカチュウの仲間だから可愛いということになるのか。
どこからどう見ても爬虫類っぽくてキモチワルイのか。
私の認識は定まらなかった。

しかし貼ってはがせるタイプのシールだったので、とりあえず貼ってみることにした。

初任給はもちろん毎月の給与とさらに初ボーナスも合わせて買った、ノートパソコン。

その蓋の右下にペタリと貼った。

仕事が休みの日、PCに向かうたびにミュウがこっちを見ながら浮遊している。

なんとなく可愛いような気がしてきた。

私のポケモンとの付き合いはここでいったん終了と相成る。


ここまで私はポケモンの映画もTVアニメも、そして肝心のゲームもやっていない。

それでも私はピカチュウがポケモンだと知っていたし、ピカチュウには仲間がいるらしいことも知っていた。

そのひとつがミュウだけど、薄いピンクの浮遊している爬虫類っぽいやつという以上のことは知らない。
なんならミュウという名前も知らない。

ピカチュウですら「ピカピカ」言いながらサトシと喋ってる、以外のことは知らないのだ。

というか私はこの頃、ポケモン=ピカチュウくらいの認識だった。

仲間たちのことはまったく意識の外だったのだ。

では私のポケモンエピソード4はというと、結婚して子どもが生まれて、その子が小学生になってからである。

たいていの子どもはゲームをやりたがる。
我が子もご多分に漏れず、だった。

夫婦で協議の末、初ゲームとして与えるならポケモンがよかろうということになった。

友達と共通の話題が増えるし、長く続く人気作品で安心感もある。
なにより子ども向けに作っているのだから監督責任のある保護者としては安心なこと極まりない。

ただし子どもには条件を付けた。

ゲームを外に持ち出すのは禁止。

我が子は忘れ物大魔王である。
公園で遊んだら忘れてくるのが目に見えている。
そして残念ながらあっという間に持ち去られてしまうだろう。

しかし通信交換することで進化するポケモンというのが存在するらしい。

いろいろ調べた私は2台の3DSとポケモンのソフト3つを購入した。
これなら通信交換できるし、息子と私とさらに夫までも遊べる。

この形式で遊んだポケモンは以下のとおり。

ポケットモンスター X
ポケットモンスター オメガルビー
ポケットモンスター サン
ポケットモンスター ウルトラサン

なおたいてい赤いほうを選択しているのは、息子が青いほうを好むためである。

違うタイプを選ばなければ、違うポケモンに会えないまま終わってしまうのだから迷う余地はない。

ここまでで私のポケモンゲーム歴は止まった。

なぜなら、以降のポケモンはNintendo switchになったからだ。

ポケモンのためだけに新しいゲーム機を買う…のもやぶさかではないが、それにしてもswitchは高かった。

加えて息子も中学生。
部活に塾に部活に部活に…と忙しい。
ゆっくりゲームをさせている場合ではない。
もちろん本人はやりたそうだったが、そんなことは知らん。

中学生たるものお年玉でソフトを買うことは可能でも、ゲーム機本体を買うほどの経済力はない。
switchさえ買わなければこっちのものだ。

そんなわけで以降のポケモンには触れていないのである。


このように書いてくると、私が子どもの付き合いでやむなくポケモンゲームをしていたかのように見えるだろう。

しかし違う。
やる時はガッツリやるタイプである。
えへん!

まずカロス地方の全国ポケモン大図鑑を買って、親子で読み込んだ。
めんどくさいので数値はスルーしたが、名前・タイプ・進化はしっかり覚えた。

買い物の行き帰りなどに、ふたりで何度ポケモンしりとりをしたことか。

ポケモンはたくさんいるのでしりとりもなかなか終わらない。
勝つためには図鑑ページだけでなく、索引ページも読み込んでおく必要があった。

ゲーム自体もしっかり楽しんだ。

最初のジムに着く前にそのあたりで捕まえられるポケモンは根こそぎ捕まえて、気に入った個体のレベルを上げる。
もちろん次の道路でも同じことをする。

慌てて進まずにじっくり育て上げつつ進むのでポケモンに対する愛着もひとしおだ。
愛をもって育て上げた個体とチャレンジするから、もちろん一発で殿堂入りする。

そしてここからだ。

ストーリーを進めるうちに、気に入るポケモンは複数出てくる。
ここまでは殿堂入りが目標にあったので、戦えるポケモンがメインだった。

しかしここからは自由だ。
ポケモンの世界を堪能しよう。

まずは気に入って目をつけていたポケモンの、さらに気に入る個体を取りに行く。

久しぶりに出会う一桁レベルの可愛いポケモンたち。
傷つけないようにそーっと捕まえて手持ちのメンバーにする。

3匹くらい可愛いメンバーを加えたら、もう一度殿堂入りしに行く。

たんたんたんたたん♪

あっという間にレベルアップだ。

これを繰り返せば可愛い100レベの彼らに会えるのだ。
100レベのスボミー、マメパト、ポチエナ、ヤミカラス、ゾロア。

どうよ!?
可愛すぎて可愛すぎて…発狂するレベル。

図鑑を完成させるのはめんどくさいから好みじゃないけど、気に入った個体を育てるのは楽しい。

100レベ隊を育てる前に大事なのは特性の厳選。
特性はその後の戦いを左右する大事な要素だ。

が、私はそのあたりはどうでもいい。

なにしろ可愛いすぎる100レベ隊は無駄にレベルが高いだけで、実際に戦うことはない。

100レベに育て上げる過程で戦うことはあるが、無事100レベ隊に仲間入りしたあとはただ愛でられるためだけに存在する。

それならなぜ特性を厳選するのか。
気に入ったキャラを選びたいだけである。

スボミーなら「おくびょう」と「ひかえめ」の2種が存在する。
当然ひかえめを選ぶ。
トイレに行きたくてモジモジしているようなこの子は、授業中になかなかトイレに行きたいと言い出せないのだ。

マメパトは「はとむね」と「きょううん」の2種だ。
マメパトは鳩だ。
鳩の胸は鳩胸に決まっているのだから、わざわざ選ぶ必要はない。
よってきょううんを選ぶ。
神社に行って鳩に囲まれて強運をゲットだぜ!

ポチエナは「にげあし」と「はやあし」だ。
これはにげあしでいく。
ポチエナはあくタイプだ。
ピンポンダッシュするなら圧倒的ににげあしが大事なのは言うまでもない。

ヤミカラスは「ふみん」と「きょううん」。
どちらも捨てがたい。
夜は暗躍してもらい、かつ昼間はゆるキャラとして活躍してもらいたい。
ふみんが有利か。

ゾロアは「イリュージョン」しかない。
あの子は変わった子だからな。

かくして私は可愛い100レベ隊の養成に余念がなかったが、もう少しまともなことももちろんしていた。

なにしろ子どもの保護者である。
もともとは子どもの付き合いから始まったゲーム生活だ。

息子が学校に行ってる間にレベル上げを代行したし、(現実に暗いところが怖い)息子が怖くて入れない(ゲーム世界の)洞窟は代わりに操作してやった。

現実の洞窟には喜んで入ってたくせに。
ヘタレめ。

そういえば最初の選択をケロマツにしたのでゲッコウガに育ってしまったのは残念すぎた。
そのゲームはある程度遊んだ後リセットして、2体目にケロマツをもらい無事に可愛い100レベ隊に入隊させることが出来た。
満足!

以上のように、子どもの付き合いであろうともガッツリ遊んで充実したポケモン生活を送ったのである。


実はその後、あつ森がやりたすぎてswitchを購入した。
しかし今度はあつ森にハマりすぎて他のゲームに手を出す時間がない。

ポケモンの新作とて気にならないわけではないのだが、今のところswitchはあつ森専用ゲーム機である。


ここで私のポケモンエピソードが終了したと思ったのはどちら様ですかね!?

そんなに甘くない。

ポケモンエピソード5、があるのだ。

自らがゲームから離れても、世の中にはポケモンが山のように存在する。

ミッフィー好きの私は自称ミッフィー探知機だ。
店舗の広告に使われていたり、商品として並んでいたり、ガチャガチャの中にいたり、あるいは誰か目の前を歩くヒトのカバンにぶらさがっていたり。
いつでもどこでもミッフィーを発見できる。

最近の私は加えてポケモン探知機にもなってしまった。

世間に生息するポケモンは意外と多い。
しかも昔のようにピカチュウだけが目立っているわけではないのだ。
昔ポケモンで遊んだ大人世代も多いため、ポケモンの何かのラインナップは幅広い。

それらひとつひとつにしっかり反応してしまう。

そしてそのポケモン探知機の反応が多すぎて困るのがゲームセンターである。

大きな箱の中で可愛いポケモンのぬいぐるみたちがこっちにアピールしているのだ。

ぐうぅぅぅぅ。

呼ばれてしまうだろう。

学生時代に鍛えたUFOキャッチャーの腕前を披露するしかないだろう。

かくして私は新たなステージに入った。

UFOキャッチャー用のぬいぐるみの新作がいつ出るかのチェックまで始めた。
ゲームで図鑑完成に興味がなかったように、ぬいぐるみもコンプリートする気はない。
ひたすら気に入る個体を取るのみ。

最初に目が合ってしまったのはヌオー。
地元のゲーセンで存在を知ったのだが、数日後に勝負に行くとヌオーだけがなくなっていた。
人気だったのか、ヌオー!

やむなく隣町のゲーセンまで行って取ってきた。
これも最後の一体だった。

その後もポケモンのぬいぐるみが出るたびにチェックし、気に入った個体を連れ帰った。

カイリュウ。ヤドン。ニャース。ルカリオ。ヤミラミ。コダック。カビゴン。プリン。プラスル。マイナン。ロコン。リザードン。バンギラス…。

もっとあるはずなんだけど、とりあえず思い出せたのはこのあたり。
ほとんどの子は息子の部屋に住んでるので、把握するのが難しい。

マイルールで、一体取るのにかけていいのは平均2000円までとしている。
運よく1回で取れるときや500円以内で取れるときもあるし、どうしても欲しくて5000円近く費やしたときもある。

なんだかんだで平均2000円は守られているのだけど、ふつうに考えてやり過ぎだ。
今年に入ってからはゲーセンに行くのは控えている。

最近はゲーセンの入り口を入ってすぐのところで、どでかいポッチャマがこっちを見ている。
気づいてはいるが、気づいていないふりをする。
あんまり大きいのは持ち帰っても置き場所に困るしね。

基本的にはポケモンセンターで2000円くらいで買えるぬいぐるみと同じ程度の大きさのものを狙うことにしている。
それゆえの一体2000円ルールだ。

そう…。

息子が小学生で、家族でポケモンゲームをしていた頃は、ポケモンセンターでぬいぐるみを買っていたのだ。

誕生日のプレゼントにリザードンが欲しいと言って、父子でポケモンセンターに出かけて行った。
ご機嫌で帰ってきた息子の持つビニール袋の中には、レックウザがとぐろを巻いていた。

それはいい。
しかしレックウザのとぐろの中で、リザードンがぬくぬく暖をとっていた。

なんで増えた!?

出費が倍になったのはなぜ…。

私ならゲーセンで、運が良ければ2000円で2体取ることも可能なのに。

という過去もありゲーセンでのポケモンゲットにハマってしまったのかもしれない。


私のポケモンエピソードは今のところここまで。
もちろん、息子が小学生の頃にはTVアニメを見たし、映画も見たし、映画館でポケモンをもらった。

しかし息子が高校生になった今となっては、もはやふたりで(あるいは家族で)ポケモンエピソードを増やすことはないだろう。

自力でどこまでポケモンエピソードを増やしていけるかは、いつあつ森に飽きるか次第である。


追記
食玩もヤバかった…。
ソフビ、集めまくってしまった。
子どもも私もソフビに飽きた時点で近所の子に譲り渡したら、たいへんに喜ばれた…。


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あさのしずく
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