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革命のエチュード・それっぽい空気感

きた!
きたきたきた。
発表会の曲、あるある。(私だけ)

なぜか発表会用に練習している曲は、あるところまでくると大きく後退する。
やたら間違いが多くなったり、弾いている途中に何を弾いてるのか分からなくなって集中できなくなったり。

たぶん考え過ぎなんだと思う。

譜読みをして、片手ずつ技術的な問題をクリアして、両手でペダルや強弱を工夫して、表現をつけていって。
ひととおり弾けるようになったら、今度は細かいところをどんどんつめていく。

やればやるほど気になるところが増えていくから、レッスンのたびに先生に質問をして、そして新たな練習方法を提示されて課題が増えていく。

身体の使い方に集中し過ぎると、音がだんだん分からなくなってくる。
音に集中し過ぎると、今度は身体のクセが強く出てくる。

問題点は分かっているから、焦らずにゆっくり解決していけばいいのだ。

でも普段の練習で取り上げる曲と違って、一応のゴール地点が決まっている。
それがどうしても焦りを呼ぶ。

今回の曲は、私にとっては難曲だ。
だからいつもの発表会とは違う仕上がり目標を(自分の中で)設定した。

「それっぽい空気感」で弾く。

あまりにも有名すぎるこの曲を発表会で取り上げるのは、自分にプレッシャーをかける行為ではある。

いつもの発表会では、私のピアノを真剣に聴く客など、ほぼいないと思っている。
子どもの生徒は友だち以外の発表には興味がないし、保護者は我が子とお友だち以外に興味はない。
真剣に聴いてくれるのは、先生とうちの家族くらいのもの。

とはいえ、この曲はピアノに興味がない人でも知っているから、耳に入ったとたんに「あ、これ知ってる!」と興味を持たせてしまう可能性がある。

そんな曲を選ばなければよかったのかもしれないが、一度は弾いてみたい曲だったうえに、先生の許可が(予想外に)さっくり出てしまったのだ。

そんなわけで普段とは違う仕上がり目標「それっぽい空気感」を用意した。
「それっぽい」は「らしさ」と言い換えてもいい。
「そんな感じ」というやつだ。

細かいミスは想定内。
そんなことより、「うねるように流れる伴奏と、なんか分からんけどカッコいいメロディ」という風に「聴こえる」ように弾きたい。

この場合「聴こえる」が大事。
そのように「聴こえる」状態に弾くためには、最終的には細かいところに囚われていてはいけない。
細かいところを粘着質に(!)練習した過去など「なかったかのよう」に。

こんなふうに、今思っていることを書いて整理してみたら、少しは気持ちが落ち着いた。

ヤケを起こさずに、辛抱強く練習を続けよう。
本番は春。
まだまだ時間はたっぷりある。

・・・

上記のところまで書いて記事を寝かせておいたら、べつの沼にハマりこんだ。

ある技術について、先生からもらったアドバイスどおりの練習を続けているが、一向に変化が感じられない。

変化があるまでに時間がかかるヤツなら、それはそれでいいのだ。
でも今回のは、先生のところでやったら30分もしないうちにその場で効果が感じられたヤツ。

それなのに自宅で何日弾いてもその感覚を再現できない。
つまり、うまく練習できていないということだろう。

これは・・・逆に、変な練習を続けないほうがいいヤツかもしれない。
クセになったら直すのが大変だし。

いっそのこと、今日はこの曲を弾くのはやめてみようかな。
好きなJ-POPとかだけを弾いて、気分転換だけして。
考え過ぎるとドツボにハマって抜け出すのに時間がかかる。


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あさのしずく
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