BayAreaで出会った、自由すぎるMakerおじさん7選
ものづくりを愛するMaker達の祭典「Maker Faire」。そのなかでも最大規模のイベント、「Maker Faire Bay Area 2018」 が2018年05月18日-20日にサンフランシスコ州サンマテオで開催された。複数の建物と敷地をまるごと借り切った会場には、数えきれないほどの展示と人々がひしめき、Maker Faire生誕の地らしい活発で和気あいあいとしたな雰囲気に包まれていた。
全ての展示の数は数百に上り、残念ながらそのすべてを紹介することはできない。そこで、会場の各所で遭遇したナイスなMakerおじさん達に注目し、彼らのクールさをお伝えしたい。(帰国直後に書いたエモい感想はこちら)
1.キューカンバーギターおじさん
BBQやチェリーパイなどのザ・アメリカ的フードを販売する出店地帯の中央で、ひとり腰かけていたのがこのおじさん。緑色のかたまりにギョッとして話を聞いてみると、「これはキューカンバーギター」だよと教えてくれた。
その名の通り、きゅうりに触れるとスピーカーから音が出るのがキューカンバーギター。触れるきゅうりを変えれば音程も変わる。これを可能にしているのが、きゅうりの下に敷かれた銅箔と、その抵抗の変化を読み取るためのMakey Makeyだ。
Makey Makeyは、あらゆるものを入力デバイスに変える電子工作デバイス。公式サイト では作例としてバナナピアノが紹介されているが、キューカンバーギターも同じくらいイカしているし、イカれていると思う。
2.木製ロボットおじさん
続いては、アナログ動作の木工派。PLY-O-BOTと銘打たれた木製ロボットは、ゆったりとした歩みと目を引くカラーリングで人気を集め、動く写真撮影スポットとなっていた。握手もできる両手や、腰回りをスムーズに動かすための機構など、細部の細かさが光る。
3.低速前進おじさん
マネキンにペラペラの広告を貼り、非常にゆっくりと徘徊していたおじさん。存在感はピカイチだが、それ以外の情報がほとんど伝わってこない。
自分から積極的に語り掛ける様子もなく、こういう「無意味さ」が許されるのがBayAreaの良いところだと感じさせてくれる。
4.羽の生えたおじさん
カスタマイズ可能なアクチュエーター「Maker Muscle Actuator」を背負い、セグウェイ的なモビリティと共に駆け抜けていくナイスミドル。羽の開き方と光り方に日本のロボットアニメを思わせる。
5.テオ・ヤンセンおじさん
テオ・ヤンセンと言えば、独特のリンク機構を駆使した風で動く作品「ストランドビースト」で有名だ。Make:やfabcrossの記事では、特徴的な足に魅せられたMaker達との親和性を垣間見ることができる。
そんなビーストは、BayAreaでソファになった。金属部品で構成された無数の足が、ガションガションと言いながら操縦者を運んでいく。お腹の揺れ具合を見るかぎり、多少乗り心地は悪そうだが、それを補って余りあるカッコよさだ。
6.ガイコツおじさん
BayAreaでは日本からの出展者も活躍している。手作りのガイコツを巧みに操り、子供のヒーローとなっていたのはHiroaki Suzukiさん(写真左)。日本のMakerFaireでも常連の踊るガイコツ、今回は全身にLEDを搭載してDARK ROOMで力強い輝きを放っていた。
7.パラパラ漫画おじさん
フリップブック(パラパラ漫画)を売っていたおじさん。着ているベストは全て漫画の表紙で作られており、果てしない愛を感じることができる。
ほかにも衣服で愛情表現する人は多く、こちらは「RUN DMC」をモジって5軸CNC愛をアピールしていた方。オリジナルマインドの「時代は切削!」Tシャツと並べ、日米CNC対決を実現してほしい。
おまけ.警察のおじさん
イベントのデカさゆえ、運営には地元の警察も関わっているようだ。普段あまり接点のなさそうな機械に足を止め、職務を忘れて(?)楽しんでいた。
ちなみに上の装置は、イイ感じの線画を作ってくれるもの。赤いボタンを押さない限り印刷されないのだが、それに気付くまでの間がいとおしかった。