【小説】牛島 零(16)
牛島零2
「それは後悔ではなく、願いで自殺することです。この銃は何かをしたいという強い念から、タイムリープを実現しています。私が私のために銃を使っていましたが、今回は私がネオのために自殺するということです」
「そしたら君が死んじゃうんじゃないの?」
「はい」
「それはだめだよ。ネオの親としていうけど非現実的だし、君がそこまですることはないと思う」
「下村君が好きだからします。私がここで死んで下村君が生き返らなくても、私が後追いしたと思ってください」
「だめだな。理由になってない」
「下村君が脳を撃ち抜かれた状況で、息をしていることだけでも奇跡です。目を覚めるのは絶望的です。わかってますよね。今しかないんです。賭けてください。私に」
下村父が銃を渡してきた。私は受け取る。
「ありがとうございます」
「ええまあ」
私は銃口を口に入れる。ボウリングの約束ここで使うね。何でも言うこと聞いてくれるんだよね。
帰ってきて。ネオ