僕が住む街の話。Vol.2/京都・四条大宮
20歳の学生に往復の新幹線代は高すぎる。最低限の荷物を抱え、4列シートの夜行バスを待った。新宿駅西口。23時に点呼を受ける人々の姿は、借金を抱え、知らない山奥へ連れていかれる労働者のようだ。これから数時間、すし詰めとなったドラム缶のような車体に揺られ、西へ向かう。2000円という金額にしたら、大きな声で文句は言えない。風呂上りのシャンプー、香水、カビ臭いエアコン、缶チューハイ。バウムクーヘンのように重なった独特な車内の匂いは形容し難い。心を殺し、眠りに落ちるのを待った。京都に