【丸い形のモノ その1】オブジェ購入の思い出
「丸い形のモノ」が好きです。不思議なことに、その形に癒されホッとするのです。この記事では吹きガラスのオブジェを取り上げます。
人生で初めて購入した量産品ではない「工芸品」は、吹きガラスのオブジェだった。たまたま街を姉と歩いていて、偶然通りかかった店の一角で個展が開かれており展示販売されていた。その場に作家はいなかった。
作品は他にも並んでいたが、これが一番好みだった。横にあった作品解説を読み、とても感動したのに、今は内容を詳細に思い出せない。確か、押さえつけて成形するのではなく、あるがまま素直な形にした、という内容だったと思う。とにかく私の心に刺さる解説文だった。
当時、配属先の仕事が嫌いで体調も崩しがちだったので、作品解説の言葉に救いを見だしたのかもしれない。しかし、税別2万円という値段が高すぎてその場から立ち去った。フラワーアレンジメントが趣味の姉から「気に入ったなら買ってあげようか」とまで言われたが、遠慮した。
帰宅後、その日出会ったオブジェを忘れられなかった。次の休日に自分で買うと決心し、一人で店を再訪した。買って持ち帰るつもりだったが、店員に「作家さんのご意向で、梱包して配送するので送り先を…」と言われ、ギョっとした。通りすがりの者が見ず知らずの作家の作品を購入するのに住所と名前を伝えなければならないのか~と微妙な気分になったのだ。
後日、オブジェは丁寧に梱包された状態で届いた。先日の微妙な気分は一気に吹き飛んだ。オブジェとともに作家直筆の添え状があったのだ。とても嬉しく、温かい気持ちになった。最初は高いと思った値段も、一点一点工房で手作りされていることを思うと適正な価格に思えてきた。
姉に黙って購入したオブジェだったが、後日自分で購入した旨を報告した。すると「素敵な作品だし、買って損はない価格よ」との返事。「はい、おっしゃるとおりです。」
以上が、オブジェ購入の思い出です。作家さんの添え状は今でも持っています!