聞こえて買わさないで
お疲れ様です。湿気でじとじとした日が続いてますね。こうも湿気に空間を支配されると、髪はあっちにいきこっちにいきで手櫛でといても無駄だとばかりに反抗してくる前髪たち。
梅雨は空気が美味しくなる前の仕込みと思っているんですけど、どうにも前髪は反抗期らしくいうことを聞いてくれません。
さて、初めての職歴で十人十色なスタッフの皆さんにお会いしましたが、そのなかでも結構なハイスペック男子に出会ったのでお話しします。
初めて働いた職場の閑散期、新しい社員さんが来ました。
「いらっしゃいませ⤴ いかがでしょうか⤴」
物凄い高音の「いらっしゃいませ」が私の職場に響いていました。
それは身長が180くらいの高身長の少し濃いめの骨格で、高音の音波のように反響する声を出している男性がいました。
それが新入社員の大西さんです。
年齢は私より一つ下ですが、接客業の経験が豊富みたいで、接客の心得を持っており、今日中にすべての業務を理解してしまいそうでした。
そして、打ち解けるのがものすごく上手くて、初日なのに冗談を言い合える関係になっている店長と大西さん。さらにお客さんとも接客中に軽い世間話をするなど、さすが接客経験者、と思ったのですが、この人からはそれ以上のオーラを感じるんですよ。
それになぜかこの大西さんの声は聞き覚えがあり、記憶の奥深くに覚えがあるような、それがわかった瞬間、どうしてこの人からオーラが感じ取れるのかわかりました。
もう確実にこの人はジャパンネット声なんですよ。
普通に値段の説明をお客さんにしているだけなのに、もはや「ジャパネット価格」に聞こえます。
そりゃ聞き入るわけだわ。記憶にある声っていうのは聞き入ってしまうし、お客さんに至っては「でもお高いんでしょう?」なんて幻聴が聞こえそうなほど値段が下がる期待を抱いた眼をしているんですもの。
もちろん、値段は下がりませんし送料は無料になりません。でも、聞き入ってしまうのがジャパンネットクオリティなわけですから。
それの初日以降、彼の魅力はどんどんと広がり、それとは関係なく私は仕事を辞めました。
入社して約半年ほどで退社、大西さんのジャパ声が嫌だったとかではなく、私はとある事情で退社することになりました。理由に関してはまたお話しするとして、今回は大西さんのお話で終わりです。