2.むくみに対する鍼灸治療(月刊スポーツメディスン No. 243 特集/腫れ・むくみへの対処)
山口玲奈
メリディアンハウスはりきゅう
東洋医学からみたむくみ
私は鍼灸院を営んでいます。アスリート、一般を問わず、むくみの患者さんをみることがよくあります。むくみで悩んでいる方は多くいます。一般の方だと、動いていないためにむくみが起こることが多いです。とくに今は遠隔勤務などで歩く機会が非常に減ったためにむくみを訴えることが増えている傾向があります。
むくみについての東洋医学的な説明をしてみます。東洋医学では、身体を巡っているものを気、血、水に分けています。これらのうち、「水」が滞っている状態、水滞(すいたい)と言いますが、これがむくみであるとしています。症状としては、見た感じにもむくみがあるほか、胃がもたれたり、食欲がないというのがあります。そのほかに身体が重だるい、頭が重いとか関節の節々が重くて痛い、便がべったりと湿っている、口がネバネバ、ベタベタするというのがあります。舌診と呼ばれる、舌を観察する方法もありますが、このときに舌に歯型がついている状態も目安となります。さらに痰や鼻水、女性の場合では月経やオリモノの量が多かったり、そういうのも水滞の指標になります。
移動によるむくみ
長時間にわたって交通機関を利用したり、あるいは運転していると、重力によって水分が下半身に溜まってきます。さらに座っている状態だと、大腿部の裏側がずっと圧迫されまた膝が曲がっているため、血液の流れが妨げられてむくんできます。あとは飛行機だと気圧差もあり、上空で気圧が下がることもむくみやすくなる一因かもしれません。休憩と運動を取り入れたり、セルフケアを行ってむくみの解消に努めていただきたいと思います。
むくみに対する鍼灸治療についてお聞きした(写真提供/メリディアンハウスはりきゅう)
ここから先は
¥ 150
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?