読み比べ、発達障害当事者本…という話

 どうもご無沙汰、コウペンちゃんに褒められてえらい!朝乃です。
 今日は長いこと放っておいていた記事をやっと公開します!


読んだ本

#発達系女子 の明るい人生計画 ―ひとりぼっちの発達障害女性、いきなり結婚してみました 宇樹義子 

ボクの彼女は発達障害 (ヒューマンケアブックス) くらげ 

※以下、「発達系女子」「ボクかの」と略しておきます。


とっつきやすいのはどちら?

 当事者の家族や知人の方が最初の取っ掛かりとして選ぶといいのは、「ボクかの」だと思います。
 漫画や梅永雄二先生のメッセージを読むとASD(自閉症スペクトラム)当事者の感覚過敏やこだわりなどは「慣れれば何とかなる」ものではないのではないかというのも分かってくるかと。
 くらげさんとあおさん、お二人とも実は結構大変な目に遭っているのですが、中身が重たすぎないところがいいです。
 割とサクサク読めるように本の構成が工夫されております。

 とはいえこのシリーズだけですとさすがに、ADHDやLDについての情報は抜けてきます。
 また、あおさんははっきりとしたASDですので、健常者との境目がほとんど分からない「グレーゾーン」の方とは特性が大きく異なるかと思います。

 発達障害についての概要が分かるサイトや

 他の書籍と一緒に参考にしてみてください。

自閉症スペクトラムがよくわかる本 (健康ライブラリーイラスト版) 本田 秀夫

AD/HDのすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版) 市川 宏伸  

 こういう系統の本は図書館から借りられるものも多いです。
 そんなに何冊も買ってられない!という方でも一度図書館で探してみるといいでしょう。


 一方、より当事者向けに近いタイプなのが「発達系女子」です。
 タイトルだけ見ると「障害持ちでもパートナーに恵まれたから幸せ!」なだけの本にも見えてしまうのですが、むしろ「パートナーができない障害者は不幸でしかない」と考える方にこそ読んでいただきたい。

 発達障害だけでなくトラウマを持って苦しんできた方に向けて、どのような情報収集の方法が有効であるか、困った時の治療法や居場所づくりについて細かく書いてあります。
 これでも宇樹さんの文章にしては色々と削られておりますが(noteやブログ記事と比べると結構な違いだと思います)、結構なボリュームです。
 あまりに精神的に辛い方だと、せっかく本を買っても読むのが大変そうです。
 巻末資料のはじめにあるフローチャートと最後の解説だけとりあえず読んでみる、くらいでもいいと思います。
 まるまる一冊読み終えて「これコスパがいい!」と思えるようになったなら、あなたはその分だけ自分自身をケアできている状態になっているはずです。
 こちら、まだ電子書籍にはなっていないので一時期はネットでも探すのが大変だったようですが、今は買いやすくなったかな……?


いずれにしても、その人のことでしかない

 ただ、どんな当事者本を読むにしても、それは書いたご本人のことでしかありません。
 何回でも言いますが。
 ですから他の当事者や支援者にとって役に立つことばかりが載っているわけではありません。
 たとえば「うちは都市部在住ではないので、本に載っているようなパソコン等の就労支援が受けられない」ということもままあります。
 また、うちの家族は発達障害者だけどこんな項目全然当てはまらんぞ、みたいなことも意外とよくあるんじゃないかと思います。
(ちなみに朝乃は「音声に色がつく」みたいな共感覚なんてものがまったく!!ありません)

 共通の苦しみ、共通の特性があるからそれを「障害」だと呼ばれはしますが、私たちはひとりひとり違います。
 本を読んだだけでは「分かったつもり」からは抜け出せないものだと考えた方がいいです。

 「分かったつもり」から抜け出し障害と付き合うことは困難を極めますが、それぞれのペースで今日を生き延びられるといいですね!
 放置してた割に短くてすみませんがこの辺で。