縁結の神 (長編小説)

 5年も付き合った男に好きな人が出来たかもしれないと振られた女。気が付けば三十路は目前。焦った女は結婚という称号獲得に向けて婚活を開始する。結婚の二文字に剥き出しの本性を戦わせる女たち。どこか煮え切らない男たち。女は結婚という幻想に翻弄され、自分、そして家族の真実と向き合う。結婚とは何か?その価値観が大きく変化する今、人生を左右する一大イベントの真実を覗いてみませんか?


縁結の神


【書籍情報】
285ページ(30x20レイアウト)
著   者: 浅野 直人
分   類: 人生ドラマ
キーワード: 結婚、婚活、見合い、少子化


【著者から一言】

 結婚に対する価値観は今、大きく変わろうとしてます。その昔は家の存続をかけた一大イベントでしたが、今は自由恋愛の時代。親族が斡旋する見合いは廃れ、合コンや婚活アプリが出会いの場として幅を利かせています。出会い方はともあれ、これまでは家と家の繋がりという意味合いが大きかった結婚も、これからは個人同士の繋がりという意識が強くなっていきそうです。
 その裏に透けて見えるのは、赤の他人同士だった人の家族とも家族として付き合いをしていかなければならないという面倒くささがあるようです。男女平等、女性の社会進出が声高に叫ばれる中、嫁いだ女性が義父母の世話(介護)をするという昔ながらのスタイルは受け入れられず、独立性が保てない老人は施設行きというのが今の現実でしょうか。
 結婚が生み出す家族というものも、必然的にその意味が変化していくでしょう。家族と家族の繋がりが希薄になり孤立していく。時代の流れといえばそうなのかもしれません。でも、なんとなく寂しい感じがします。
 この物語の中ではそうした孤立化の流れを変えようとする、ひとりの女性の姿が描かれています。家族の繋がりの形は変化するかもしれません。でも、社会の仕組みとしてできることがあるかもしれない。この本を読んで、家族とは何か、人との繋がりとは何かを考えてみませんか?

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