シングルベッド (短編小説)
深夜の公園の片隅に隠れていた女の子。偶然に彼女を見つけてしまった男。その特異な出会いが親密な恋に発展するのは必然だった。初々しい恋には神様が定めた通り道がある。二人は用意された階段を一歩づつ確実に登ってゆく。二人の間に流れる時間には甘い匂いが漂い、爽やかな鐘の音が鳴り響く。やがて、親密な時間を通り過ぎた二人には試練が訪れる。神様が用意したこの試練を乗り越えた者だけが、恋を超越した愛のステージに進むことができる。生まれたての若い恋は脆く儚げで美しい。柔らかで、ほんのり温かく、痛くて、ジワジワくる物語をご堪能ください。
81ページ(30x20レイアウト)
著 者: 浅野 直人
分 類: 恋愛ドラマ
キーワード: 恋愛、交際、学生、一人暮らし
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この物語を書こうと思ったのはあるドラマの中で見たシーンがきっかけでした。そのシーンの中にあったのがシングルベッド。ドラマの流れとは関係のないところで妄想が膨らみ、頭の中にいくつかのシーンがするすると浮かび上がりました。そして、その日のうちに一つ物語を書こうと思いました。
僕が妄想を膨らませたのはシングルベッドという狭い空間の中にいる恋人同士。そこは狭い空間だからこそ成立しうる男女の特別な関係性を創造する場所なのだと思いました。隣にいる恋人の感触、温度、鼓動、息遣い。狭いベッドは否応なく相手の命を感じる空間であり、それ自体が一つの世界なのだと。
凝った仕掛けや裏切りはありません。あまり深く構成を考えずに書き始めたので、成り行きで物語は進行していきました。もともと短編でと思っていたので、素直にテーマに沿ったシンプルな物語に仕上がったと思っています。よろしければ、いつか誰もが通った初々しい恋の物語をお楽しみください。
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