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ミュージカル HIU版 クリスマスキャロル ドキュメント 第四話「逢着」

王子の都合が付くのを待って、稽古が始まる迄の間に俺が何をしていたかと言うと、SNS発信(舞台終演迄の78日間クリキャロや万博の事を何かしら発信していた)と、知人への周知、それと御本家クリキャロの稽古見学の仕切りだった。

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どんな齟齬が起こるか判らないので、稽古初日であった11月18日に稽古場に顔を出してみると、あー、やっぱり来てみて良かった的な状況に陥りつつも、舞台の稽古と言う物をいざ見学してみると、想像以上にこれは楽しいぞと感じた。
大体がプロの演劇の稽古など、まず観ることは出来ない。

初日は、ほぼ全員で台本の読み合わせを通す。休憩後はストレッチ、ダンスと言うか身体を動かす練習、お題目を出してのエチュードなどのワークショップだった。

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それらを見学していて、何かこうすっかり気を良くしてしまった俺は、
「うちの会社、お水のメーカーなんですけど、ご迷惑でなければ稽古場に提供いたしましょうか?」
と、調子良くのたまう訳だ。

大体どこの舞台でもお水はまぁまぁ喜ばれるものだ。
キャスト、スタッフ合わせてざっと30人。予想はしていたが、500mlペットボトルの24本入りが毎日1箱消費されていった。

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稽古見学をさせていただいたお礼になれば良いかも。
くらいに考えていたのだが、そのうち舞台本番への協賛提供の打診迄いただいてしまった。

・・・これは断り様が無い。

あ、いや間違えた。断る理由が無い。

こうして、俺の会社である『MCMのめぐみ株式会社』は、堀江さんのクリスマスキャロルのスポンサーに名を連ねることになったのだった。

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俺が提供したのは、『火の鳥 サプリメント in ウォーター編(1)』と言う、手塚治虫先生のマンガ火の鳥をラベルにあしらっているだけではなく、特許取得のミネラルサプリメントを配合した、ちょっと変わったお水であった。

500mlペットボトルで、総数約4,000本。
何でこんなに大量の水が必要なのかと訝しんでいたが、舞台を観に行って、すぐに理解した。

この舞台は、和牛のフルコースを味わいながらミュージカルを観るという、掟破りの新しいエンタメ形式を形取っていた。
『火の鳥』は、スタッフに留まらず、お客様へも供されるお水に採用されていたのだ。各テーブルにデフォルトで置かれていたし、飲み放題のドリンクにも組み込まれていた。
そして、各公演毎にスポンサー紹介のアナウンスに我が社の名が挙げられた。

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因みに、その後も稽古見学にはアテンド役も兼ねて何度か行かせていただいたが、後半の通し稽古はお得感が半端無いものの、実はその前段階のシーン稽古がより一層面白かった。
最初は台本をなぞってキャストが一通り演じてみる。演出家からの指示、指摘、アイデアをプラスしていき、それぞれのシーンが出来上がっていく様は実に興味深いものであった。

そして、稽古見学を通じてカイト(熊澤 海人)、みーやん(宮崎 祐司)と言う、後のトニー親子を釣り上げる事にもなったのだった。
カイトは、その当時は女装をしたいので手助けをして欲しいと言う、謎の投稿をHIUにしていたちょっと不思議な奴だ。
そしてみーやんは、結構メジャーなアーティストも所属している音楽会社の人間だと言う。

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なお、後日鶯谷に舞台本番を観に行った際に、隣席の女の子が『火の鳥』のお水を飲んでいたので、「それ、うちのお水よ」と言いたい衝動に襲われたが、すこぶる怪しそうなの120%だった為、止むなく諦めた。
う〜む。詮無き事だ。

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(続く)

(1)『火の鳥 サプリメント in ウォーター編』は、MCMのめぐみ株式会社が製造販売している『サプリメント in ウォーター MCMのめぐみ』のロイヤル版です。
MCMのめぐみのウェブサイトはこちら
http://mcm-megumi.com

火の鳥_スライド見本


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