ミュージカル HIU版 クリスマスキャロル ドキュメント 第三話「煥発」
クリスマスキャロルのスレッドに、HIUを退会すると言うその日に、かなーり毒気のあるコメントをわざわざ投げ込み、そのまま去っていった男がいた。
それは、一昨年に行なった初回のHIUのクリスマスキャロルに関わっていた人物であったが、今回はスレッドにも参加せず、また、王子から楽曲のデータの取り寄せなどに関する協力依頼を投げかけたりをしても、全く反応しなかった人物だ。
その癖に、最後にこれか。
そして、そんな偏狭な思考の人物に対する王子の返信はあくまでもソフトだ。
HIUは、基本的にFacebookのスレッド上でやり取りをする。だから、当事者ではなくとも傍目で見ていれば状況は掴める。
ピッキーン。
おいおい、外から見てるだけの人間に、こんな言われ方をされて懐柔されているとはどう言う事だ。
こんなコメントに迎合する暇が有ったら、何故発奮しないのだ。
俺は自らの間違いに気が付いた。
単なる演者候補の一員だからと言って遠慮している場合ではないのだ。
冗談じゃねえぞ。絶対に成立させてやる。一度乗った船を途中で降りる気は毛頭無い。
俺の気持ちが主体的モードに置き換わった。
それを考えれば、結果的には良いきっかけを頂戴した事にはなった訳だ。
もっとも、そんな彼に対して、感謝の気持ちは毛程も持ち合わせてはいないがね。
さぁ、まず、目標設定だ。
2020年2月2日ホリエモン万博(1)で公演!
台本、楽曲だ。
HIUの運営スタッフに取り寄せを依頼だ!
キービジュアルだ。
デザインしてくれる人みっけ!
PRだ。
各SNSで発信だ!
堀江さんの御本家クリスマスキャロルの稽古見学だ。
稽古スケジュール等々の確認だ!
断っておくが、全部自分がやったと言っているのではない。
ただ、どうにも動きが悪い、段取りが進む気配が全くしないところなどに突っ込みを入れたり、自ら動いたりと、能動的に参加をし始めたと言う迄の事だ。
事を進めていく中で、何だかよう判らん返しや依頼事を受けたりもしたが、今更どうしようもない。後悔役に立たず。
そして、俺はひねくれ者の割りに案外と人が善い。
そんなこんなで、王子のスケジュールによるコミット不足は置いておいても、プロジェクトはやや前向きな動きを見せ始めた。
後は、肝心のキャスト集めと稽古だ。
しかし、王子抜きで自主練を先行して始めると言う選択肢は俺には無かった。
単に素人だけで、「?」を抱えながら手探りで稽古をしたところで、良い結果を産むとは思えなかったからだ。
今は待つより他は無いのだ。
(続く)
(1)ホリエモン万博とは、毎年2月に六本木に於いて、対談・映画・ゲーム・食・物販などの様々な催しを、複数の会場を用いて同時並行で行なう大型イベントです。
始まりは2017年2月。
2020年は2月1日と2日の二日間で開催され、堀江 貴文さんの『怒涛のトークショー』を始めとする多彩なコンテンツが、HIUのメンバーによる運営で実行されました。
ホリエモン万博2020のウェブサイトはこちら
https://expo.horiemon.com/2020/