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政府よ、まだ女性のせいにする気かい

8月末、東京に住む独身女性が結婚のため地方移住する場合、自治体を通じて60万円の支援金を出すという施策が発表され、世論から批判が噴出、施策は発表からわずか3日後に撤回されました。

「結婚のために移住する未婚女性に支援金」っていうのは、まずなぜか女性のみを動かそうとしている点で不快。東京一極集中を緩和する意図なら、女性だけに限定するのは差別以外の何ものでもないです。
背景に少子化対策も含まれるなら、子どもを産み育てるために結婚を前提にしている点で疑問だし、支援金はせいぜい転居費用が賄えるくらいで、その後の生活の何かを保障してくれるわけではありません。
根本的抜本的改革もせずこういう施策ばかり出すから「ばらまきだ」とか言われるのではないでしょうか。

東京圏への転入超過数は男性より女性が多いらしいです。女性のほうが、進学や就職で上京した後、地方に戻らない傾向があるようです。過疎に悩む地方に未婚男性が多いというのは、たしかに何とかしたい問題ではあるでしょう。
でもそれははたして地域から流出してゆく女性が悪いのでしょうか?


2007年に当時の某厚生労働省官僚が「女性は産む機械」発言をしたり、2018年に当時の某衆議院議員がLGBTQに対して「生産性がない」と発言したり、まあ見事に繰り返される歴史をみて、日本ははたして本当に“先進国”なのか、と疑問に思うのは無理もありません。
これらの発言や冒頭で取り上げた施策は、“性自認が一致していて異性愛者である男性”と、その他の性が、対等に扱われていないことの表れだと思います。

さらに言えば現政府がいまだに“昔ながらの家族の形”に固執しているともとれます。
今回出てきた「結婚のために移住する未婚女性」というのはまさに、結婚して男性側の家に嫁ぐ女性の典型です。
もちろん個人間の合意で結果的にそういう形になることはあるでしょう。それはいいんです。
ただ、そうした“あくまで一つの家族の形”を国が後押しするというのは違うのでは。男と女が一人ずつではないパートナーシップの形も、同性カップルが子どもを育てている形も、すでに現在進行形で存在しているというのに。どうにも時代遅れ感が否めません。


いろいろなご意見ご指摘があるでしょうが、何かの改善のために「未婚女性」をターゲットにする時点でなんだかなぁと思うんだよな。
子どもを産むという、生物学的にどうしようもない機能差は仕方がないとして、家事育児介護に仕事もしてさらには移住かぁ……女性に選択肢を増やさせているようで、女性にばかり行動変容を促されている気がします。


↓今回取り上げた政策はこちら(発表時のニュースを引用しています。この後日すでに見直しがかかっています)。

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