元ジャニーズによる性被害告白から見えてくる日本と男性の性被害に潜む問題

元ジャニーズによる性被害告白。
この報道が出る以前から芸能界では性接待の話が囁かれたり、裁判でその事実が明らかになってきている事実がある。だから今更という感じがする。

だけど今更この話という感じがする事自体、日本が抱えている大問題の1つなのだろうと僕は感じている。

僕が思うに男性の性被害は事実として大衆に受け入れられ難いというか未だに「何の話をしているの？」という感じに受け取られている気がしなくもない。男性の性被害はこれまで「そんな事あり得ない」とかまず「男性同士で起こり得る性被害」というものを認めてこようとはしなかった。女性の場合でも組織や環境によっては同じように事実があったとしても認められにくく被害者が悩む事だって多くある。今回の告白に対する大衆の反応は日本で未だに根強くある「男性同士の性被害」は現実的ではないという空気があるような感じが僕にはしたのだ。

彼の告白は一般人の性被害告白よりも難しい部分が多くあると僕は感じている。芸能界という一般人とはかけ離れた世界の人であった事、ジャニーズという芸能界で大きな組織に属していた事、芸能人であったという事実から売名行為ではないのかといった声がある事。名を売る商売をしていたという事が彼には大きな足かせとなっているのだろうと僕は見ている。

元の人間がこういった告白をするとどうしても「売れなかった人が何を言っている」とか「売名行為でしょ」といった声が挙がる。

でも僕からすれば「元」の人じゃなきゃ告白出来ないぐらい、現役の人からすれば大きな問題なのだろうと考えている。あくまで仮定の話だが、現役のジャニーズにも彼と同じような性被害を受けていた人物がいたとして、その事実を公表したらどうなるだろう？これからの活動や自身の名誉、様々な問題が一斉に降りかかってくる事は誰でも容易に想像出来る。過去にあった事実を公表するより、隠して活動した方が得だという事実があるのだろうと僕は勝手ながら想像してしまう。

この告白は芸能人に関わらず性被害を告白する事の難しさを考えさせられる一件だと僕は思っている。人の話だけでは信用に足りないとなれば、これから性被害はますます悪質なものになるのだろうと僕は考える。その人が関わったという証拠を何かしら出せなければ虚言とまでは言わないものの、被害として認められないという事になるからだ。

全ての性被害で言える事。
悪いのは性被害に遭った人ではなく性加害をした者。
その事だけは忘れないで欲しい。

最後に
売名行為の告白だろうという人が一定数いるけど、良い話じゃない事を告白する人の心理も少し考えて欲しいなとは思う。まあ最近は炎上商法みたいに「あえて」悪い話をネタにして商売している人もいるけど、その人たちと一緒にされてしまうと善人という概念は崩壊して悪人だらけの世の中になってしまう気がする。

日本のマスメディアに関してはあまり言及しない事にする。
この人たちこそ変わる事が出来ない存在だと僕は感じているから。
自由な報道という名の自分勝手な報道しか出来ない存在だから。

悪人にとって住みやすい世の中になったような気もする…。