見出し画像

チューリップ

花が枯れるのがこわいと思っていた。

一瞬で頭を垂れてしまう儚さを、「みにくい」とさえ思っていたかもしれない。

でも、植物が部屋に溢れ、花にも興味を持ち始めた今、残酷なまでの時の流れを視覚化してくれているのだ、と思えるようになった。自らの美しい体をつかって。

今日はチューリップを買った。

頭をすでに垂らしてフラワーベースから飛び出すような姿がとてもきれいだ。

「チューリップ買ってきたよ」と息子に告げると、嬉しそうに今ままで一番上手にチューリップを歌った。

マンションの渡り廊下から玄関まで、一緒に歌った。

ご覧いただきありがとうございます。 サポートしていただけたら、より一層制作活動&育児がんばれます! よろしくお願いいたします!