アサミヤカオリ
ポッドキャストでフードエッセイストの平野紗季子さんを知ってから、食に関するエッセイにハマっている。 料理のそのものより「湯気」がうまい、ビールの泡は多めがいい、カップのアイスクリームは一旦溶けるまで待つ・・・ 100人いれば100通りの食へのこだわりがあり、それを知るのが私にとっての「アハ体験」。 なぜなら、私自身食への執着やこだわりが皆無だからだ。 うまけりゃいい。いや、食べられればいい。 ある程度賞味期限が切れてても臭くなければ食べるし、お腹が痛くなって「今日調子
花が枯れるのがこわいと思っていた。 一瞬で頭を垂れてしまう儚さを、「みにくい」とさえ思っていたかもしれない。 でも、植物が部屋に溢れ、花にも興味を持ち始めた今、残酷なまでの時の流れを視覚化してくれているのだ、と思えるようになった。自らの美しい体をつかって。 今日はチューリップを買った。 頭をすでに垂らしてフラワーベースから飛び出すような姿がとてもきれいだ。 「チューリップ買ってきたよ」と息子に告げると、嬉しそうに今ままで一番上手にチューリップを歌った。 マンション
テレビプロデューサーである佐久間さんがオールナイトニッポンで話していた。 長渕剛のモノマネショーを、ファンである友人夫婦と見に行った時のこと。 友人夫婦の奥さんが、モノマネを観て号泣していた。 そこには今まで見に行きたくても行けなかったライブへの思いが乗っかっていて、 生で観れなかったものを再現して感動させるという力がモノマネにはあるんだと 佐久間さんは気付いたらしい。 そして奥さんはライブ後にこう言っていたらしい。 このモノマネがすごいのは、誰よりも長渕ファンであ
今、スウェーデンの漫画『欲望の鏡』を読んでいる。 ストーリーものというより、世の中のルッキズム的な思想、欲望についての起源や心理について解説している本だ。 まだ数十ページしか読んでいないけど、その中でも引っかかるところがあった 思想家であるルネ・ジラールのいう「模倣的欲望」だ。 人は意外にも自身の欲求に無自覚であり、他人が欲望するものをマネするのがとても楽なのだということ。 人はエネルギーを温存するためになるべく脳を使いたがらない生き物だとも聞いたことがある。 だ
最近好きな作家さんは、フードエッセイストの平野紗季子さん。 彼女を知ったきっかけはPodcastなのだけど、日々口にする食べ物へのこだわりというか、執着がすごくて、羨ましいなと思ったのだ。 もう一人の好きな作家さんである朝吹真理子さんが平野さんの番組にゲスト出演した際、彼女たちは「湯気」について話していた。 食べ物が発する湯気について、そう、ただの湯気について、約1時間もしゃべっていてそれはそれは驚嘆したのであります。 もう一度言う。”ただの“湯気だぞ。 私はこれま
最近、2歳の息子が昼寝をしなくなった。 以前は昼食後に一緒に寝室に行き、絵本を読んだりしてしばらく時間を過ごした後、バイバイをして部屋を出る、そして赤ちゃんモニターで様子を見ていたら数分後にはぱたっと寝ていたのだ。 それがある日突然、寝なくなった。 息子が寝室で一人になった後、しばらく枕元にある絵本やおもちゃで遊んでいたかと思うと突然扉(スライドドア)のところに行き「すぱーんっ」と勢いよく開けたと思ったら、ニコニコとリビングで遊び出すのである。 あるときはモニターに気