ポジションチェンジワーク〜母との関係改善を目指して②
前回の続き。
年間を通じて受講している講座の中で、ポジションチェンジワークに取り組む事になり、私は対象として母を選んだ。
こんなことで改善するのかと、半信半疑の気持ちで。
限られた時間の中、とりあえずワークのやり方を学ぶと言った意味合いだったにも関わらず、改めて自分の気持ちを口に出す事や母の気持ちになり切る事で、こみ上げるものがあり、軽く泣きそうになる。
限られた時間の中で、なんとなく効果があるかもと期待した私は、もっと時間をかけて取り組みたくなった。同じチームのメンバーに呼びかけて、一人のメンバーにワークの誘導役をお願いし、時間をかけてポジションチェンジワークに取り込むことにしたのだ。
すこし、緊張していた。
メンバーの誘導で、私は、まずIのポジションに着く。母に対して普段思っていても言えない事を、言葉に出していく。
普段頭の中で思っていても、母に対する思いを口に出す事は無い。何と言うか、新鮮な行為だ。私がどういう事を言ったかは、敢えてここでは触れないでおく。
その後、Metaのポジションへ。
Metaは、IとYouの関係を冷静に見ている存在。感情を交えずに、二人の関係を俯瞰してみたまま、淡々と説明して行く。
そして、次はYouのポジションだ。
Youのポジションでは、相手になりきることがポイントになる。相手が異性の場合は、しぐさなども異性になり、相手になりきる。
私の場合は、母なので、自分が歳を取った感じになればいいのか。幸か不幸か、なで肩の感じとか似ていると思う。少し肩を落とし、少しだけ前傾姿勢になって、私は母になり切って、私に向かって言う。
出てくる言葉は、いつも私が母から言われている事。更に、母の気持ちになってみることで、母の寂しさが私に迫ってくる気がする。
最後はWeのポジジョン。二人の関係が改善すると信じていて、Youは変えられないが、I に対してアドバイスが出来る存在だ。
Weは I に対して、よく頑張っているねと、労いの言葉をかける。貴方の気持ちもよくわかるよねと。でも、もう少し、Youの為に小さなことで良いから出来ることがあるんじゃないのと、アドバイスをくれた。
そして再び、I のポジションに戻ってきた。
You に言い足りない事があれば、伝えてもいいし、仲直りできると思うならハグしたり、握手しても良いとのこと。
Iのポジジョンに座ってより深く考える。
改めて、この席に座った時に、老いるという事について思った。
母はよく、歳を取る辛さの事を口にする。私自身、当たり前だけれど、その辛さをわかっていなかったように思う。
歳を取り、だんだん行動範囲が狭くなる母。その中で私の存在の占める割合と、まだまだこれから行動範囲を広げていこうとしている私の中の、母の存在の割合。それはイコールではないはず。それに気づいた時に、より可哀そうな人だと思った。
母はいがぐりの様だなと思う。中にある栗は美味しいから大好きなんだけど、その周りの棘は痛い。その痛い棘のままで、私を食べなさいと迫ってくる感じ。
母が私の為と思って取る言動は、ことごとく私を否定して、傷つける事ばかり。だから、母を喜ばすという事は、自分自身を否定して生きることになる。そんな生き方は絶対にしない。私はそう心に誓っている。母に自分の気持ちを告げても、今更母は変わらない。それは重々わかっている。だから悩ましい。
ワークを通じて自覚したのだけれど、間違いなく私は母を愛しているし、喜ばせたいと思っている。しかし現状、母のことは好きではない。これもまた否定できない事実である。可哀そうな母。それがこのワークを通じて私が深く感じた事である。
ここまで読んでいただいておわかりかもしれないが、このポジションチェンジワークで、母との関係が劇的に改善はしなかった。
そりゃあ、45年に亘る母との確執がいっぺんに無くなったら、それは奇跡というものだ。では、やる意味がなかったかと言えば、そうは思っていない。
折に触れて、このワークを繰り返す事で、少しずつ改善していくかもしれないと思う。
このワークの後、ふと気づいたメッセージ。これも執着かもしれないという事。
母だからわかって欲しい、母だからわかって当たり前、という思い。それは、母が娘だから、こうあって当然という思いと同じ。
その思いを握りしめている以上、私自身が苦しいのかもしれない。
極端な話、母のことを他人と思って接することが出来れば、どんなに楽かと思う。母だからわかって欲しいという思いを手離して、ただただ母の存在だけを認める自分になる事。それが今の時点で考えられる、ベストな回答だ。
私の修行はまだまだ続く。
※人間関係の改善に、ポジションチェンジワークは有効だと思います。
関係改善したい方がいる場合、お勧めですよ。
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