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こども食堂から見える景色

「こども食堂」と聞くと、この数年で耳にする機会も増えたと思います。
元々は、民間発の自主的・自発的な取組みで始まった取り組みで、その目的や形態などは開催する人によって様々です。

こども食堂って?

基本的には、子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂であり、
「地域食堂」「みんな食堂」という名称のところなどもあります。
目的も、おなかをすかせた子どもへの食事提供から、孤食の解消、食育、地域交流の場づくりなど多岐に渡ります。
開催の頻度も、月1回開催のところから365日3食を提供しているところまであり、
規模も数人を対象としているところから毎回数百人が集まるところまで多様です。

認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえHPより要約
豚汁ときのこの混ぜご飯


私が現在、ボランティアで行っている場所は
鎌倉市二階堂にあるゲストハウスのきみえ食堂さんです。
ここはゲストハウス(民泊)の運営をしながら、その売り上げを週1回の子ども食堂活動費用に充て、17〜19時がこども食堂、19時以降は大人食堂を開いています。
オーナーのきみえさんは元々、家庭支援センターで社会福祉士として従事されており、その経験から立派なタワーマンションに暮らしていても、一人きりでコンビニ弁当を食べている子などを目の当たりにされてきました。
そこで、一念発起してご自身の夢である鎌倉移住とゲストハウス運営、そこに子どもたちに安心で安全な食事を届けたいという思いから「こども食堂」という形を取って、立ち上げられたのが2019年です。
今年で5周年を迎え、これまで開催されたこども食堂の数は200回を超えるそうです。

きみえ食堂さんに集う人たち

川が見えるテラス席

実際にボランティアに携わらせていただき、そこに集う人たちは
赤ちゃんからお元気な70代の方まで、そしてゲストハウスに泊まる方の国籍もアジアから欧米まで幅広くいらっしゃいます。
ボランティアも主婦の方、ご近所の方、調理師をされている方、学生など…その経験も多種多様です。

例えば、小学生達がお家からバスに乗って「今日○○さんいる?」と大学生のボランティアさんとお話しするのを楽しみに来て、ご飯の後には宿題を見てもらったり。オーナーのきみえさんにインタビューをして「子ども食堂」を理解し、夏休みの自由研究に取り組んでいる姿もありました。
また、地域のお母さんは、兄弟の子育て中の息抜きに「今日はご飯作りをしなくて助かる」という人や、この場所で知り合い子育ての情報交換をする場にもなっています。
きみえ食堂さんが出来た時から、おばあちゃんや親子で通い続けていたり、近くに住む娘さん家族のお孫さんたちはボランティアをしているおばあちゃんに会うのが楽しみだったり、と世代間交流の場でもあります。
大人食堂に来る地域の大人が子ども達のためにと、
プラネタリウム上映や夏休みの工作をしたり、自分の庭で採れた野菜を「たくさん出来たからどうぞ」と寄付をくれる人もたくさんいらっしゃいます。
一人暮らしのボランティアさんは、週1回のボランティア活動が誰かと食事をする楽しみになったり。
泊まりにくるゲストさんが、その日のこども食堂の食事を一緒に食べることもあり、テーブルを囲んで外国語と日本語と子どもの声が混ざり合う食卓になることも多くあります。
窓から見える川には毎年初夏になると蛍もやってきて、鑑賞会をしたり、、と自然豊かな鎌倉の地域もあったり、
「交流」という言葉から広がるこども食堂の景色から、毎回様々なエピソードが生まれています。


続けていくために

時にはゲストハウスに泊まるボランティアさんも


これまでの福祉のイメージでいうと、募金や寄付などで運営していくのが主流ですが、
きみえ食堂さんでは「泊まることが、こども食堂につながる」という方法で運営をされています。

その方法を取ることで、こども食堂を必要としている人に届けることはもちろん、それ以外の人たちにもカジュアルに利用でき、福祉の要素を知る機会になったり、ゆるやかに支え合いながら楽しめる<居場所>になっていることを感じます。
また、ゲストハウスという形での収益を運営の基盤にした上で、寄付や補助金なども一助にしていくことで、その<居場所>が無理なく続いていく仕組みになります。

募金や寄付の世界だけでは出会えなかったかもしれない人たちとも繋がり、支えることも、支えられることも、自然な流れの中でさらに必要な人たちに届き、ゆるやかに支え合いながらも楽しんでいる<人>たちが増えていく
そこに、この仕組みが生きていると感じます。


私が叶えたいこと

初めてきみえ食堂さんに訪れた時に
女の子がこの蜜甘いよって教えてくれました

私にとっての「きみえ食堂」さんは、まさに叶えたい夢のロールモデルとなるような方に出逢えた場所です。

私が暮らしている街「横浜の弘明寺(ぐみょうじ)」で、街の子どもから高齢者まで、そしてこの街に訪れる人も交流できるような居場所作り、まさに理想はゲストハウス兼子ども食堂を創っていきたいと模索しています。

その夢を数年前に思い描いていた頃にきみえ食堂さんを知り、その時はまだ会社勤めでしたが、今年会社を退職し、ようやく念願叶って、現在はボランティアに携わることで勉強をさせて頂いています。
社会福祉士としてのご活躍と、ご自身の夢を叶えるという、その経験と夢の掛け合わさったかたちというところにも惹かれるものがありました。

そこにつなげていく活動をInstagramの方でも随時お知らせしています。
ぜひ、ご覧いただけたら嬉しいです!


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