Google Home Miniとの出会いとIoTのプロジェクト
「あさみさん、Google HomeとMiniがセットで買うと安いの。Miniの方を買わない?」
と、とても親しくしている同業の友達からそう言われて、深く考えず、それが何かもよくわからず、「いいよー。いくら出せばいいのー?」と軽い気持ちでゲットしたのがすべての始まりです。
買ってから1ヶ月ぐらいは他のことに興味があってほったらかしていました。
その友達から、
「今日の天気は?と話しかけると答えてくれたり便利だよ」とは聞いてたのですが、別に天気はスマホでも調べられるしなあ、ぐらいにしか思っていませんでした。
ところがですよ、いざ開封してみたらいろんなWebサービスと連携できることを知り、その中に「Google Play Music」があったことで私のGoogle Homeへの興味は一気に宇宙規模に拡大しました。
「OKグーグル、Princeをかけて」と喋るだけ。
その後ひたすら膨大なPrinceの曲をランダムでかけ続けてくれる。これは素晴らしい。その日から私の音楽生活が変わりました。
CDをガサゴソしたり、ブラウザで目当ての曲を探さなくていい。
「ただ喋るだけ」
これは物凄い衝撃でした。なんという素晴らしい技術の素晴らしい製品なのだ!!未来が手のひらサイズじゃないか!と。
Nature Remoとも出会う
気をよくしていたら、長く一緒に仕事をしてきたものすごく高い技術力を誇る開発会社の友人から「ちょっとお願いしたい仕事があるんだけど」と連絡が入りました。
打ち合わせに出かけてみると、机の上にNature Remoが。
この機器をインターネットに接続して、赤外線リモコンの電波を登録し、かつGoogle Homeに紐付けると、エアコンやテレビや照明機器を喋るだけでコントロールできるようになるのだと説明を受け、目がキラッキラになりました。
そしてそれを使ったサービスの設定&リモコン・スマートフォンアプリを作るのだと。
胸躍らないわけがありません。
Phillips hueを購入、自宅を実験室に
Nature Remoを持ち帰り、AmazonでPhillips hue スターターキットを購入。
まずは自分が家電を声でコントロールする生活を体験してそのメリットとデメリットを知り尽くす必要があります。知らないものはデザインできませんから。
Nature Remoの設定でかなりつまづいたものの、なんとか自宅の照明、エアコン、テレビは持ってないので一時的にお借りして片っ端から設定。
Google Play MusicとPhillips hueは簡単にセットアップできましたが、エアコンとテレビには苦戦しました。
エアコンは型番ではない何かの文字列が表示されて、わけがわからない。
テレビはリモコンのボタンひとつひとつ自分で登録しないといけない。
これは心が折れます。。。。。
将来はリモコンのデータベースと連結して一発で利用可能にしないと誰も使わないですよねきっと。
心折れそうになりながらも乗り越えて使いたい!と思えるサービス内容か、操作をわかりやすくしたアプリの設計が必須です。これまで作ってきた多くのモバイルアプリよりも制作に時間がかかりそうです。
そして気付いたら様々な機器の箱だらけで家の中が倉庫のように...
友達を呼べなくなりました。
使い勝手よりもまずは形に
UI,UXデザイナーの私はどうしても、「このややこしく面倒な初期設定をなんとかわかりやすいものに」とうんうん考え込み初めてしまうのですが、それよりもアプリとして1日も早く完成させないと実験したり検証したりすることができません。
iOS, Android共に標準のUIコンポーネントをいかに崩さず必要な機能をそこに落とし込むか、に頭をシフトチェンジせざるを得ませんでした。
手で操作する方が便利なこと、声で操作した方が便利なこと
実験室生活を重ねて少しずつわかってきたことがありました。何でもかんでも声で制御したら便利かというとそうでもないんです。
夜、お布団に入って照明やエアコンのリモコンを探すよりも「消して」と言うだけなのは便利すぎて一度手に入れたらもう後戻りできないほどです。
→これはアリだな
一方でエアコンの温度設定はスマホとエアコンのリモコンのsyncができないので(そういう機械的な仕組みの制約が他にもたくさんある)具体的な温度設定は物理リモコンで、On/Offは声で、と使い分けた方が便利。
→これは状況による
テレビはどうでしょう。
民放、CSなどの切り替え、チャンネル、ボリューム、いちいち喋っていたらテレビの音が聞こえない。
→これはOn/Off以外はナシだな
ドップラーセンサー登場
なんとスマートスピーカーにとどまらず、ドップラーセンサーも巻き込んでみたらどうかという変態の所業とも言えるすごいアイデアが飛び出したりして、実験開発チームは着実に前へ進んでゆきます。
(現在も進行中)
使い勝手の悪い新しい製品が発売されるワケ
今まで世の中になかった新しい製品が登場するたびに、
「こんな使い勝手の悪いものが何故発売されているんだ」
「誰が使うんだこんなもの」
という発言を主にSNSで目にしますが、ごもっともすぎるとは思います。
しかし、実際に自分がその渦中に飛び込んでみると違う景色も見えてきます。
本当に使い勝手の良い、多くの人に愛される製品になるまでには時間がかかるのです。
それよりも「こういう未来が来るよ」というアプローチそのものに価値があり、よりよくするノウハウを蓄積していき、洗練されていくのだと思います。
私もそのほんの一端を担っていると思うと人間ウォッチングに拍車がかかってまるで病気です。
何を目指しているのか
結局そういう、一見無駄で役に立ちそうもない、今すぐ強いニーズは望めそうもないものではありますが、新しい技術オタクが集まって遊んでいるわけではないです。(遊びゴコロと常識に囚われない発想力と人間愛は必要)
ざっくりというと、そういう技術を使い、今まで救えなかった命を救ったり、安心できたり、日常の面倒を機械にやってもらって人々の心に余裕を生み出したり、省エネになったり、他にも色々。
そんなことを目指して日々コツコツやっていたりするわけです。
※契約上、クライアント名、サービス名は非公開です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?