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お米の種を蒔きました

このところ、農耕日記みたいになってきたがしょうがない。そういう時期だもの。

今日は、お米の種を撒きました。2月22日に塩水選をやって、浸種を3月11日まで。前にも書いたけど、塩水選で種の選抜をやって、次に、種が持っている「発芽のイレギュラー性」を均一にするため、20日間水に浸けるということをします。沢山種があっても、発芽するタイミングはバラバラ。早く発芽するのが優秀かと言うと、これまた違う。

お天気がよくて、勢い良く発芽したはいいけど、急に寒くなって霜が降りて芽が死んでしまう、という場合があります。後から発芽した方が生き残ったりする。逆に早く発芽したほうがうまく生き残り、遅く発芽したら草に負けて淘汰される、というパターンもあります。

つまり、植物はそうやって生き残れる可能性を分散します。賢いっす。リスクヘッジです。だけど、苗を作る時にバラバラに芽が出て来られると、困る。管理がしにくいので、発芽を揃えたいわけです。発芽は発芽抑制物質(アブシジン酸)という毒性物質が司っているため、水に浸けてアブシジン酸というのを溶かしてしまいます。

発芽玄米もこの理屈。玄米のままでは、アブシジン酸という毒が作用したままですから、食べ続けると健康状態に弊害がでてきます。そこで、発芽をさせると「発芽している=アブシジン酸(毒)が消えている」ということになります。玄米さは発芽させて食べて下さい。ちなみに、食用の場合と、苗作りの場合ではアブシジン酸の溶脱方法はちょっとばかり異なるので、ネットとかで調べてくださいね。白米は表面を削るのでその心配はありません。

さて、苗作りでのアブシジン酸溶脱はこのように、日の当たらないところに置いといて、毎日水を換えます。水温は大体平均7、8℃です。しかし、無精者の私は様子を見て2日に1回の時もあります。農家さんはすごくちゃんとやります。積算温度が100℃〜140℃で大体アブシジン酸が溶脱し、発芽が揃います。

さて、それが終ったら、そのまま蒔いちゃってもいいのですが、念には念を入れて、芽出しをしておきます。まあそこまで発芽を徹底して揃えたいわけです。それには、今度は22℃くらいの水に2日間くらい浸けます。水が暖かくて劣化しやすいので、金魚用のブクブクで酸素も入れます。ちなみに、温める器具も金魚用ですが。

1日経ったところがこんな感じ。ほとんど変化なし。

今回、夜の保温がうまく行かなかったので、結局3晩浸けました。それで、こんな感じで芽がでてきます。

緑に見えるのは芽じゃなくて、ノギと言って、籾殻の根元の茎です。籾殻を割って出て来ている白いのが芽です。「芽」と言っていますが、実際は根っこです。根っこが先に出てきます。ではなぜ「根」って言わないのでしょうね。やっぱり芽って言った方が雰囲気でるからかな。さて、これを用意していた苗箱に蒔いて行きます。

あらかじめ土を入れておいた苗箱に70グラムずつ蒔いて行きます。農家さんはちゃんとノギも取って、機械でスジ蒔きしますが、私は少量を手植えなので、バラ蒔きです。

上からまた土をかけて、遮光&保温です。屋外でも屋内でも芽が出るまではひたすら保温します。

店の中ではホットカーペットでぬくぬくにします。

さて、芽は出てくるでしょうか。出て来ないと困るけど。あと、今回の声に出して読みたい農業用語として「アブシジン酸溶脱」を提出しておきます。

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Yuki/農ときどき旅
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