コラージュ、オマージュ、パッチワーク。エヴァンゲリオンに呪われなかったぼくのために。
エヴァの話をしていると、どこからどこまでを「これはエヴァだ」と思って楽しんでいるのかわからなくなる、という話をした。
スナッチって映画が2000年に公開された。映画なのにキャラクター紹介のオープニングがあって、当時はそりゃあもうかっこよかった。
あんまりにもかっこよかったんで、真似する人たちも現れた。これはスナッチから七年後の2007年にアニメ化された作品。
あんまりにもそのままだ。
そのままといえば、ビッグオーというアニメが有名だ。
一期のOP映像はウルトラマン、音楽はフラッシュ・ゴードン。二期の音楽は謎の円盤UFO。映像はちょっとわからないけど、うーん。
好きな作品を見るときに、既存の好きな作品との共通点を見付けるのは楽しいと思う。たとえばマンガなら、遊戯王の初期は効果音の描き方に荒木飛呂彦の影響が強いとか、呪術廻戦のバトルシーンにHUNTER×HUNTERの影響が見えるとか。
エヴァにはそう言うのが詰まってた。元ネタ探しをするのが楽しいとさえ思えた。今回のシン・エヴァでも船艦同士が戦うシーンには惑星大戦争のBGMが流れ、映像は宇宙戦艦ヤマトのようで、ぼくは観客席でニコニコとその戦闘シーンを楽しんでいた。
わからない。それって素直に作品を楽しんでるといえるのだろうか。でもエヴァってそういう作品だし……。
関係ないけど私立探偵濱マイクのOPは傷だらけの天使オマージュだと思うんだけど、テロップがプラモデルのランナー風なのはよくわからなかった。
で、冒頭に挙げたスナッチに先駆けること1998年に日本で公開された映画『鮫肌男と桃尻女』のOPがこれで、当時のぼくは「か、かっこいい」としびれながらも……
1995年に見たトレインスポッティングみたいでかっこいい、と思っていたのだ。
そういえば1970年のドラマ『謎の円盤UFO』の「字幕がインサートされる演出」はとにかくかっこいい。
エヴァンゲリオンのテレビ版でも、もちろんオマージュされている。
1分過ぎからの細かいカット割りがそれだ。
とまあ、さかのぼればどこまでもさかのぼることができる。好きなものをコラージュしてオマージュを捧げる。できあがったものは既存のものの組み合わせ、パッチワークだ。
その組み合わせ方、素材の選び方と、組み合わせるときに出てくる余剰部分こそが、作り手の本質を表すとすれば、ぼくが楽しんでいたものは確かにエヴァンゲリオンだった。ほかのみんなのように、呪われたり怒ったり心から愛したりはしなかったかもしれないけれど、確かにぼくもエヴァを好きだったと、言わせてもらってもかまわないだろうか。
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