「全部 夢のまま」について

こんばんは。

「全部 夢のまま」
・27thシングル「ごめんねFingers crossed」のカップリング曲
・メンバーは堀未央奈を除く26th選抜メンバー、センターは与田祐希
・作曲はyou-me(成瀬英樹)さん

 なぜ表題にしなかったのかという声もよく聞かれますし、これほど好きじゃないという人が少ない曲も珍しいのではないかと思います。何よりまず楽曲コンセプトなり表現したい世界観があって、それに沿って全てが選択されている(ように見える)のが素晴らしい。
・タイトル
・メロディ
・歌詞
・振り付け
・衣装
・人選(特にフロントメンバー)
・ミュージックビデオ
 もちろん一つ一つ取り上げても良いものだと思いますが、何より一本筋が通っている。新しいシングルが発売される度、新しい楽曲が解禁される度に期待しているところを満たしてくれています。

・人選(特にフロントメンバー)
 基本的に選抜メンバーには絶対的な序列があります。まれにセンターのみ抜擢がある感じで、楽曲のコンセプトなんて考慮されることはありません。例えばダンスナンバーだからといってダンスが上手なメンバーが配置されることもありません。それに比べるとカップリングはその辺の判断にゆとりがあるので、「空扉」のタイアップセンターのような序列を崩した人選もたまにはありますが、この「全部 夢のまま」のようなフロントメンバーの選ばれ方はなかなか他にないと思います。センターが与田祐希さん、横に星野みなみさんと筒井あやめさんという、ふわふわした世界観を表現するためのかわいい妹系のメンバーを各期から選出したような感じでしょうか。

字体もいい

・歌詞
・ミュージックビデオ
 歌詞は言ってしまえば当たり障りのない内容で、思ったようにいかない恋愛のストーリーです。タイトル通りの夢オチかと思いきや、「現実的に傷つかなきゃ恋じゃない」で締め括られます。
 MVは必ずしも歌詞に沿った内容ではなく、恋愛要素はありません。公式から引用・抜粋すると「与田祐希がお屋敷を探検するストーリー」だそうです。メロディのディスコ感、タイトルである「全部 夢のまま」、歌詞の一部「時計逆回転して」あたりをピックアップして、メンバーが映えるような映像イメージを創り上げている感じですね。

・振り付け
 曲調の通りディスコ感のあるダンスですが、フロントメンバーのふわふわ感に引っ張られて迫力が無いのがいいと思います。個人的には、キメキメな振り付けを踊っているところではなく、ラスサビ前の身体を揺らしているだけの時間が好きです。アイドルって何でもかんでも踊りすぎではないかと思います。

夢なのかそれとも現実かのその隙間

 いちファンに内実は何もわかりませんが、一つの成功事例として今後もこれと同じような制作方法をとってみてはいかがでしょうか、みたいな。


 さて、どれくらい知られているのか分かりませんが、「全部 夢のまま」は乃木フェス(「乃木坂リズムフェスティバル」というゲームアプリ)のために書き下ろされたコラボソングです。しかし、コロナ最初期にぶち当たったことで予定がガタガタになってしまいました。この曲が世に放たれるまでに紆余曲折ありましたので、ざっくり時系列に沿って振り返ってみようと思います。

★2020.02.28
  『乃木フェス大感謝祭2020』の開催予定を発表(乃木フェス公式
■2020.3.25
  25th「しあわせの保護色」リリース
★2020.3.31
  『乃木フェス大感謝祭2020』の開催延期を発表(乃木フェス公式
■2020.6.17
  「世界中の隣人よ」配信リリース
■2020.7.24
  「Route 246」配信リリース
★2021.1.19
  『乃木フェスオリジナルライブ』収録 ※
■2021.1.27
  26th「僕は僕を好きになる」リリース
★2021.4月上旬
  「全部 夢のまま」MV撮影
★2021.6.9
  27th「ごめんねFingers crossed」リリース(「全部 夢のまま」収録)
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★2022.11.01
  『乃木フェス大感謝祭』開催決定の発表(乃木フェスX
★2023.1.20
  『乃木フェス大感謝祭』開催

※「乃木フェスオリジナルライブ」は乃木フェスで映像配信するために開催されたライブで、どのメディアにも公開されていない「完全乃木フェス限定ライブ映像」。

 コラボのための書き下ろしであるということは、2020年5月に『乃木フェス大感謝祭』で華々しく披露され、2020年夏頃に発売される26thシングルに収録され、それ以降の乃木フェスのイベント映像としてガンガン使用される、というのが当初の計画だったと思います(歌唱メンバーも26thベース)。しかしコロナ禍に突入し、ライブ・イベントの開催もシングル発売も白紙に。

 最終的に26thを飛ばして27thに収録されることになりましたし、『乃木フェス大感謝祭』に至っては2年半ほど遅れて開催されることになりました。これはもう乃木フェスさんには同情を禁じえません。本来存在しなかった5期生がイベントに参加できてしまっています(別に悪いことではないです)。
 乃木フェスでのイベント映像については、『乃木フェスオリジナルライブ』という無観客・非公開ライブの映像を別途撮影することで代替としていました。寂しいものです。

 リリース当初から今に至るまで十分に人気がある曲ではありますが、いろいろな場でもっともっと脚光を浴びるべき曲だったと思います。まぁ、コロナの被害を受けていないモノなんてこの世にはほとんど無いわけですが。

 それでは。

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