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地域観光PRの入り口で立ち話し -広告表現と今 vol.7-
「価値はもうその手の中にある」
2018年、初めての会社設立にあたって
メインメッセージにした言葉だ。
想いの根は、Uターン移住から数年をかけて経験した
お土産や観光体験の商品開発等の自社事業を通した気づき。
地域観光を真面目に考えて帰着したきっと真理。
地域が観光PRを考える際、
まず何より最初に「この地域の魅力とは何か?」
という難問にとりかからねばならない。
地域の観光、地域の商品を考えるため
その第一歩にして最大の壁
「いったい本県の魅力はなんだ?」
必死にみんなで考え抜いて、
たとえばこんな一つの答えに行き着く。
「豊かな自然と伝統の技」
うん、なんだかいろいろありそうで良さそうだ。
しかし、ここでもう一歩踏み込んで考えなければならない。
「その豊かな自然、隣の県の自然とどう違いますか?」
いわゆる差別化、
隣の県に行かず、本県に来てくれるほどの魅力とは、なんなんだろう?
そこでまた死ぬほど考える。
最初は迷走し、
「え、でもよく考えたら、北海道とか八ヶ岳とかのほうがより自然豊かでおしゃれなイメージもあるじゃん、え、え、本県豊かな自然とか、恥ずかしくて自認できなくない?」などと、あやうくバッドトリップ。「あきらめたら試合終了ですよ」と連日の安西先生の声がとぶ。
では、隣の県の自然とどう違うのか?
違いをつけるのか?
その答えのひとつは「歴史」。
歴史って、おじさんたちだけの趣味にしておくのはもったいない。
歴史というフィルターを通すと、
単なる「大自然の水」は「偶然形成された海洋性の地層から染み出すミネラルたっぷりの源流水」ということになり。
単なる「地域の伝統技術」は「4代目のプレッシャーと試行錯誤の物語」となる。
そこにしかない魅力は、すでにそこにある魅力なのだ。
たとえ「本当になんにもない」とお手上げになりそうな国道沿いでも、
そこでは何代もの人の営みが、地球の歴史が、積み重なっている。
それは紛れもないオンリーワンの価値。隣の県には絶対にない。
あとはゆっくり、その魅力を喜んでくれる人、届ける方法を考えればいい。
価値はもうその手の中にある。
品種改良されていない古来からの野菜って、みんな形も色も大きさもそれぞれ違うんですよね。味わいもそれぞれ個性が強くて、なんだかそれが愛らしくていいんですよね。自然に差別化できてんですよね。
++
このnoteは
広告・デザイン業界の成長過程でよく見聞きした広告表現を通して、今の世(ニューノーマル)の雑感をつぶやきます。
Facebookでいただいた「ブックカバーチャレンジ」にチャレンジ感が足らない問題に端を発した、「”ブックカバーチャレンジ”チャンレジ」のモチベーションにより運営されてきましたが、これにて予定の全7回終了。
「広告表現と今」という冠はちょっと気に入ったので、不定期シリーズにしようと思います。