小さな矢印の時代

言葉が必要とされている。

未曾有の事態でバラバラになった小さな矢印を束ねるための強い言葉が求められている。

強い言葉とはすなわち小さな矢印を束ねた大きな矢印だ。

それは、簡単に言えば多くの人が分かりやすく口当たりのいい言葉、いわゆる【正解】や【正論】を求めているということだ。

けれども、その大きな【正しさ】という幻想こそが、今日のこの不安定な状況を生み出した温床に他ならないことを忘れてはいけない

悪はいつでも平凡な我々の善意を温床として育つ。

口当たりの良い正義を振りかさずという甘美な誘いに対して
僕らはますます気をつけなければならないだろう。

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