【オリジナル短編小説】表現の概念が食べ物になる話『冒険小説の合成肉』
私のテーブルに、フルーツサイダーと"冒険小説の概念"が添えられた
まだ戦争が耐えなかった頃、情報規制に基づいて多くの本や映画、芸術品が検閲された
食料確保の為に政府が物質を食べ物に変換する発明をし、検閲された作品たちは次々食べ物に変換されていった
その際、作品の素材が食べ物に変換するだけでなく、その中に込められた作品の概念が実態を持つようになった
以来、動植物に加えて「作品の概念」が食料の仲間入りを果たした
しかしあの時の喧騒の日々が嘘のように、今の人々は終わりを待つよう