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Puppets Can’t Control You と「御上先生」~教育の闇
先日、
ONE OK ROCK Puppets Can’t Control You ~ドラマ「御上先生」主題歌
を投稿した。
今回は、主題歌の歌詞を、ドラマに重ねて、読み込んでみたいと思う。この歌詞は、ドラマが狙う学校教育の闇を、暴いていると思えてならないから。
ONE OK ROCK
Puppets Can’t Control You
先攻か後攻で決まるような
馬鹿げたペテン師のゲームに
実際踊らされて狂わされ
騙されたあげく
They want to make us pick a side
「ペテン師は、僕らに先攻か後攻のどちらかのチームに入れ、と迫る。」
ペテン師は教師だ。教師はタイトルの「puppets:あやつり人形」でもある。あやつるのは、教育委員会、文科省、そして、政界の闇にいる首領(ドン)なのかもしれない。ドンは日本の若者を扱いやすい存在にしたいはずだ。
教師は生徒を「学校教育ゲーム」に巻き込んでいく。ルールブックは、改定され続ける学習指導要領だ。最終目標は「生きる力」を身につけることだが、それが何かは霧に包まれている。
ゲームは先攻か、後攻か、で勝負が決まる。先に課題に取り組むか、自分の意思に従って後から取り組むか、で結果が決まるということだ。学校の取り組みすべてに、時間制限があるから、先攻が勝つに決まっている。さらに、評価は観点別評価に変わり、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3項目それぞれが数値化される。総点で評価が決まるが、「主体性」の評価は、先攻が断然有利となる。
勝負がわかりやすいゲームなのだが、学校教育ゲームのからくりを知らない生徒も、そして親も、あたふたして、塾やらアプリやら教育書や評論家?やらに洗脳される。そして、それらに踊らされて、振り回されて、大半の生徒は正気を失っていく。
教師は、ダメ押しのように、このゲームに参加しないと困ったことになるよ、と生徒を脅迫する。自分の「従順な羊」にしたがっている。
Damned if I do
「僕がどちらかのチームに入ったとしても地獄行きだ。」
It's way too late to fix it
「踊らされ狂わされ騙された現状を、打開するには全く遅すぎる。」
I'll be damned if I don't
「僕がチームに入らないならば、同じく地獄に落とされるだろう。」
The bane of my existence
「このゲームは、身の破滅の始まりなのだ。」
生徒は学校教育ゲームに参加せざるをえない。生徒を取り巻く状況は最悪で、自分ではどうにもならないから。ゲームに加わった瞬間、自分を失う。あやつり人形の教師に自分を奪われる。本来の自分がどんどん歪んでいく。周囲が歪(いびつ)なのに、自分が歪になっていく。
They said damn kid you gotta try
「ペテン師は言った。どうしようもない子供の君はゲームに挑むしかない、と。」
Even if you never win
「たとえ君が勝つことは絶対ないとしても」
You can't pretend
「君はゲームに参加しているふりをしてはいけない。」
You'll never be happy again
「そんなことをしたら、二度と幸せにはなることはない。(そのようにペテン師は言った。)」
教師は、君は未熟だ、と言い続ける。勉強して成長しなければならない、と説教する。生徒の多様性を重んじると言いながら、生徒を画一的な存在にしていこうとする。生徒は抵抗できず、従うしかない。さらに教師は、真摯に取り組まないと、「生きる力」を習得できず、幸せにはなれないと、決めつける。生徒の価値観は一つに定まっていく。
Clip his wings he don't deserve that halo
「(神にも似た)そのペテン師に影響されるな。彼はそのオーラには値しない人間だ。(もう一人の僕が言う。)」
I'm losing faith in everyone again
「僕はまたすべての人を信用できなくなっていく。」
If the TV stations sell their lies on cable
「もしテレビ局が僕らを電線でつないで、嘘を信じさせようとするならば」
Then we're so blind that we'll be tuning in
「そんなとき、僕らは自分を失っているから、必ずテレビ局にチャンネルに合わせてしまう。」
But I don't know where to start
「こんな状態なのに、僕は嘘だらけの世界に混乱していて、どこから何に手をつけるか、わからない。」
誰かが、教師を非難する。教師は操り人形にすぎず、神ではなく、都合の良い嘘をつきまくる人間だ、と気づかせようとする。そんな話を聞く生徒は、戸惑うばかりだ。物事の一面だけをあぶり出す、マスコミの嘘が追い打ちをかける。学校教育ゲームにどっぷり漬かった生徒は、何を信じて、何を求めていくのかわからなくなる。
Holding on to nothing
「何も確かめることができず、つかめないで」
Till it turns into something
「つかみたいものが確かな何かになるまでは」
Don't like who I'm becoming
「僕は、なろうとしている人間にはなりたくない。」
I can't keep running
「僕は、この人生を走り続けられない。」
Searching for an answer
「あらゆる場所で答を探して」
Re-reading every chapter
「人生のページすべてを読み返して」
There's no happy ever after when it's over
「答えを探し終えた後もずっと、満たされることはありえない。」
生徒は、確かなものは何もない、と考えるようになる。そして、確かな何かを探し始める。真実を知らなければ、未来は見えない、と思う。ゲームの中では見つけられないと悟り、他の場所に目を向けたり、自分の記憶を何度も確認する。真実を探して。ゲームの余韻がひどく邪魔になって、明確に、真実を捕らえきることはできない。
歌詞は「あやつり人形の教師は、生徒をコントロールすることはできない」というタイトルに帰ることになる。
教育現場もいろいろと混乱があると思います。生徒は本当に柔軟なので、学校教育を反面教師にすることを学ぶと思います。主題歌のメッセージは、生徒の成長が、教育の闇を照らして、私たちが本当の教育を探ることになる、ということなのではないでしょうか。
「御上先生」も主題歌も、大切な何かを私に教えている、と考えます。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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