私の「なる早」ものがたり
同業者で同じ専門科の方々は共感あると思うんですが、
我々糖尿病内科医は、ずーっと伴走するんです。
家庭医とかの方々もそうと思いますが。
根治!終診!卒業!とかがないから。
共に抱えながらの暮らしや人生をお供しとるんです。
となると、経過中に、いろんな他の病気が出てきたり、いろいろな出来事があるわけです。当然。
年齢層が高ければ、癌を見つけるきっかけになることもしばしばあります。
先日あるかかりつけの患者さんで、60代男性のおじさま。人生の先輩です。
数年お供してたし、私の采配に信頼を置いてくれてた関係は背景にありました。
ゆるーりと貧血が進んできてて、鉄剤飲みつつ胃カメラやりましょう、仕事のスケジュール調整してきてくださいね〜とか言ってましたが、
ある時ガタっと貧血の数値が落ちてて、ご本人はふらふらすると。他にも諸々あり、
「〇〇さん、なる早で胃カメラやりましょう。なる早です。」と真面目な顔して言って諸々段取りくんで、
かくかくしかじか、
胃癌が見つかり、
かくかくしかじか手術を無事受けられ退院して、
んで、いつもの私の糖尿病の外来にいらっしゃいました。
ほんとにWelcome backですよ。
「ご無事でなにより!」って言いつつお話していら
「あの時「なる早で」って言ってくれたおかげです、ありがとう」
ですって🥺
「大きい病院に紹介になった先でも「なる早で」って主治医に言われてなる早で来たんですって言いました!」って。
人生の先輩、なる早 気に入っとるやん😂
とにもかくにも良かったです。ひとまず。
私は大門未知子みたいな外科医じゃないし、MERの喜多見チームみたいな救命医じゃないけど、こういう形で力になれるんだなぁと、あらためて自分の仕事を嬉しく思いました。
以前にも別の所で、私が大真面目にカルテに「なる早で入院」って書いたら、周りのスタッフが笑いながら、まじでなる早で動いてくれた物語もあり、
私は大のお気に入りです。
伝わる言葉がいいですね!
嬉しい気持ちを言葉にしてみました。
寒暖差が続く日々、ご自愛ください。