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留学生の住宅事情③ー住居をシェアするとは

前回「ハウスメイトはアフガン人」で触れた住居の話を、もう少し詳しくしますね。

留学をして、周りからの質問で多いのが「どんなところに住んでいるの?」。
確かに、家探しの方法から、どんな部屋(家)があるのか、どんな条件で探せばよいのか等々、海外ではどんな状況なのか興味ありますよね。

家は大事。毎日過ごす場所だし、留学の一番の目的である勉強も落ち着いてでき、しっかりリラックスもできて、治安はよいのか、スーパーなどに近いのか…等々、考え出すときりがない。

と言うわけで、学生の住宅事情を紹介します。私は一人で留学したので、ここで紹介するのは主に「単身」で探す場合です。

アメリカの学生は、広い部屋や大きな一軒家を複数のハウスメイトと借りて一緒に住む形態が多い。日本でいうマンションのようなつくりの大きな団地のようなApartmentの一室だったり、アパートメントコンプレックスと呼ばれる大きな家丸ごと一軒をシェアしたり。いずれの場合もベッドルームは自分だけのものだが、キッチン、バスルーム、リビングルームはハウスメイトと共有することがほとんどだ。(ベッドルームをシェアする場合は”ルームメイト”となる)

ちなみにSyracuseには結構、高級なつくりのApartment(本当に市営団地のように巨大なものが、キャンパスの周りにいくつかある)が多かった。その場合、ハウスシェアとはいえそれぞれのベッドルームには専用バスルームまでついている部屋が主流だった。これならリビングとキッチンだけをシェア、という形態になる。こういったApartmentには、住人専用のプール、サウナ、BBQコーナー、ジム、勉強部屋、スターバックスの店舗までついており、キャンパスとの往復に使える専用バスの運行サービスもあったりする。


豪華アパートメントの1つ、Theory Syracuseの外観(同社ウエブサイトから画像お借りしました)

誰かとシェアする場合、ハウスメイトは住居の形態や大きさによって1人の場合から4、5人またはそれ以上となる。通常は自分も含め2~3人が多いようだが、大きな一軒家になると、アメリカ人の女子大生がぞろぞろと6人出てきたり、などというケースもある。

もちろん、知らない人と一緒にシェアなんて嫌だ!という人は、1B1B(ベッドルーム1つ、リビング1つ、キッチンとバスルーム。日本の1LDKに相当)か、Studio(ベッドルームとリビング、キッチンダイニングが一緒の場所。日本のワンルームに相当)など、一人で住む選択肢もあります。

Syracuseの場合、Undergraduateの大学生は大半がシェア(Syracuseの場合、1、2年生は強制的にキャンパス内のドミトリーに住まわされます)で、Graduate の大学院生は一人暮らしの人も多い。大人が多いし、大学院生は本当に忙しいので、一人でじっくり集中できる環境を好むからだろか。

でも、金銭的な理由や一人で住むのは怖い、とシェアを選ぶ人も同じように多い。一つの家を誰かとシェアすれば、それだけ家賃は安く済むからだ。

この「シェア」ですが…全く見知らぬ人と同居することになる。

学生専用Apartmentの場合、家主(不動産会社)が学生の嗜好を聞いて、相部屋になる人を勝手に振り分けたりする。その家主の部屋を借りる際に「夜は早く寝るほう?」「いつも1人でいたいタイプ、それとも友人と騒ぐのが好き?」といったようないくつもの質問に回答すると、なるべく同じ嗜好の学生を同室にしてくれる、という仕組みだ。逆に、「正反対の性格の人と一緒になりたい」と言えば、そのようにもしてくれる。

一軒家の場合は、最初にその家を借りた人が、ソーシャルメディアなどでベッドルームの数だけハウスメイトを募集する。「こちらは歴史専攻とコンピューター専攻の女子2人。できれば大学生の女子をあと3人、募集中!私たちはきれい好き、気さくでのんびりするのが好き」「LGBTQフレンドリーな人を優先」「犬がいるので、犬好きな人!」といった感じで、自分たちについてやどんな人に来てほしいか、を説明する。たとえば5人が住める家の場合、部屋が埋まらなければその分の家賃が入ってこないことになる。


例えばこんな一軒家。これはベッドルームが5つ、バスルームが2つあるそうです。

この場合、最初の2人が友人同士であったとしても、残りはどんな人が来るかわからない。それぞれ簡単な面談があってお互いの相性を見たりはするものの、いずれにしても初めて会う人と共同生活を送ることになる。

それでもアメリカはそれが普通だからか、皆わりと気軽にシェアハウスに住んでいた。性別、国籍、学年、専攻が異なっても、同じ家に住んでいることはよくある。

たとえば、タジキスタンのJahonは、アフリカの国から来た大学院生の男性2人と住んでいた。やはりみんな専攻は違うが、サッカーが好きという共通点があるらしく「よく夜中までサッカーを見て、みんなで盛り上がるよ!」と言っていた。大学院は課題も多く勉強も大変だが、そんな合間にリラックスできるのもハウスメイトがいてくれるおかげかもしれない。

ただ、トラブルも皆無ではない。知人同士で住んだとしてもいざこざはあるとは思うが、初対面同士がハウスメイトになるともうこれはトラブル必至。掃除の仕方、夜中まで友人を呼んで騒ぐ、冷蔵庫にあったものを勝手に食べる、バスルームの掃除がなってない等々、ハウスシェアをしている友人たちはほぼ皆、何かしらのトラブルを抱え、いつも愚痴を漏らしていた。

ベラルーシのYuriは、ニカラグアのMeindert、アフガニスタンのMortaza、そしてPeruから来た大学院生の女性と一軒家をシェアしていた。このMortazaと、Peruから来た女性がそりが合わず反目しあっていたらしい。Meindertはリーダーシップのある性格で彼がいた時は集団生活もうまく回っていたそうだが、Meindertが学びを終えて帰国し3人だけになると、とたんに2人の中は険悪さが増し、間に挟まれたYuriがいつも苦笑していた。結局、女性が学期が変わるタイミングで別の家に引っ越していったそうだ。

とはいえ、慣れない異国での生活で、一つ屋根の下に誰かがいるというのは安心だ。学びを深めたいという共通の目的があるものの、それぞれ違う国から来て、専攻も将来の夢も異なる。リビングで顔を合わせてそんな話で盛り上がれるのも、シェアハウスならではだ。

長くなってしまったので、Sublease、Subletの話は次回に…



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