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Secure Your Safety(安全確保) 

本格的な授業開始前には、学生向けにいろんなオリエンテーションがあります。国外から来た外国人学生向けには、さらに細かいテーマが用意されています。

移住やメンタル含む健康支援(メンタルヘルスは米国の大学でも大きな問題)の説明をさらりとした後、たっぷりと時間をかけたのが「安全確保」でした。

しかも、「銃を持った不審者が侵入したとき、どうすべきか」という、現実的、具体的で恐ろしいテーマ。
再現ビデオを見た後、いかつい顔の警備責任者(軍や警察での勤務経験者)が具体的な行動や事例をあげて、2時間ほどじっくりかけて説明くれました。


銃を持った不審者がキャンパスに侵入したら。無差別発砲事件が身近で起きたら。

取るべき行動は、順に

RUN(逃げろ)
HIDE(隠れろ)
FIGHT(戦え)

そして現場を「Lockdown(封鎖)」して、不審者を近づけないようにしろ。

それぞれの行動も、
●鍵のかかる部屋に逃げ込め。ドアに鍵をかけ、ブラインドも閉めて侵入者の視線を遮り、携帯電話はバイブも含め停止して音を一切たてるな。
●隠れるときは机の下やロッカーの影など、不審者から決して見えないように。集団ではなく、できるだけ個別にばらけて隠れろ。
●戦うのは、最終的に他に選択肢がなく、自分の安全が確保できた場合だけ。はさみや消火器など身の回りで武器になりえるものを
握り、ドアの影に隠れ、不審者の隙をついて襲え。

などなど、具体的に提示。

さらに、
●警備員や警察官が来たら、手のひらを見せること(反撃や抵抗の意志がないと示すため)
●警備員や警察官は、あなたを床に押し倒したり、突飛ばしたりするかもしれない。それはあなたの身の安全を守るためであるので、理解してほしい。
●警備員や警察官の最優先事項は、まず不審者を確保すること。負傷者や逃げようとする人を残して通り過ぎるかもしれないが、そのことも理解してほしい。
と、警備側の行動理由も説明されました。

ひえー。あまりの内容の重さに、聞いていた全員、無言で身動きもできません。冷房の効いた部屋で、さらに鳥肌がたちました。。

再現ビデオで学生や教師がはさみなどを握って犯人と戦う様子を見ていたら、あまりに真に迫っていて思わず泣きそうになりました。いざとなったら、そんな行動取れるだろうか。。日本で平和な環境にどっぷりつかっていたため、いまだに頭のどこかで「そんな目に合うときなんてあるかな?」なんて思いがあるのも正直なところです。

とはいえこの前日、キャンパス内で銃を所持していたとして学生が逮捕される事件があったばかり。所持許可は得ていたそうですが、NY州ではキャンパス内での火器保有は違法です。Syracuseも田舎ですがダウンタウンのモールで乱射事件があったり、ギャング同士の発砲事件はよく起こります。車で2時間ほどのBuffaloでは2022年5月、スーパーで乱射事件があり10人が亡くなりました。

普段はのどかなSyracuseです

私が以前住んでいたWestVirginia州のど田舎でも、ホストファミリーのおばあちゃん!が銃を持っていました。改めてそんな武器が手軽に入手でき、身近にあることの危険さを実感しました。

SUの安全管理・警備担当部門Department Of PublicSafetyは、独自のアプリを作っています。自分が所属する組織(私の場合はSU)のIDで登録され、キャンパス内で事件が起きた時にすぐ連絡が来たり、自分の身の危険が迫ったときに警備に連絡したりできます。全米の大学や企業などの組織が導入している安全確保アプリだそうなので、他の大学にも同様のものがあるかもしれません。

頼もしいDPSのスタッフが、キャンパス内の安全を守ってくれています!


アプリも含め警備担当者には「君たちの安全は僕らが必ず守る」と何度も強調されました。確かに便利だが、こんなアプリがあること自体、どれだけ危険が多いのだか。。。と思いました。
ちなみにこのDPSは、夜の一人歩きが不安な時の送迎もやってくれます。女性向けに護身術のクラスもあるそうなので、今度いってみよーと。

いずれにしても、文化の違いを痛烈に感じる体験でした。

DPSのパトロールカーがキャンパス内や周辺をしょっちゅう循環し、不穏な動きがないか見張ってくれています。


Yesterday I was at an orientation for International Students, and it was quite a new impact for me to learn about "Lockdown" and how to survive random shootings on campus.

I never imagined myself being in such an accident when in Japan.
Hope I won't face any of those terrifying incidents!

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