「恐怖」を克服する方法
留学を目指す大学生や若手社会人の方と話していて、「怖くないですか?」という質問が多いのに気付いた。
●知らない国に1人で行って生活するのは、怖くないですか。
●治安が悪いと聞くけど、怖くないですか。
●選んだのが正しい道かどうか、怖くないですか。
おおよそこういう趣旨だろうか。
怖いのは当たり前だ。だって、初めてやることなんだから。「今の自分」が知らない場所に行って、今まで知らなかったことをやろうとしているのだから。
「恐怖」は未知のもの(unknown)に対してうまれる、と思う。
知らないものに対しては身構えるし、怖いと思うから危機への備えもできる。生き物としての本能だ。
その恐怖を克服するには、どうしたらいいのだろうか。
とにかく「やる」しかない、と思う。やってみて、知る。
知ればもう、怖くなくなる。
知らない道を歩むとき、目的地まで遠く感じないだろうか。でも同じ道を帰ってくると、意外に近かったな…と感じたりしないだろうか。
それはきっと、帰路はすでに「知っている」道を歩んでいるから。こんな道で、こんな雰囲気で…とわかっているから、未知の道を歩むより恐怖心が薄れ、近く感じるのではないだろうか。
どんな国にも悪いやつはいる。でも、素敵な人だって絶対にいる。治安はそれぞれ地域差があるけど、情報を集めて,身近に仲良い人をたくさん作って、自衛できるところは自衛するしかない。
将来像を一生懸命描こうとしているから、余計に恐怖が増してしまっている、という印象も受けた。
目の前にどんな道が広がっているのか、できるだけ詳細に知りたいし具体的に予測したいし準備しておきたい…と思う気持ちもわかる。その計画が自分の中で完璧に出来上がるまでは、一歩が踏み出せないというように見えた。
将来は、細かく描けば描くほど怖くなる。予定外の事態が起こったらどうしよう…と想像を膨らませるたびに、きっと恐怖も不安も膨らんでいく。
でも未来なんて、自分が動けばどんどん変わる。予想してなかったことばかり起きる。その中で、考えて考えて切り抜けられた時、きっととても楽しいと思う。
今とは違う環境に身を置き、これまで会ったことがないような人たちと会話を重ね、異なる習慣の中で生活したら、自分自身の価値観も変わる。当初描いてた将来像から大きく離れる道を歩んでるかもしれない。変えようとしなくても、気づいたら変わっている。
そのころにはきっと、留学に来る前に考えていた「将来像」なんて、記憶の彼方に薄れているかも。
いま「怖いな」と思っている将来は、実は思ったほど怖くもなく、そして想像以上に楽しい。
今、あなたの挑戦を妨げている「怖さ」。一歩踏み出して、粉砕しちゃってね。