
どうせ死ぬ三人へ
2年前の秋。
久しぶりにできた好きな人との関係が終わった。
天神地下街をひとりふらふらと彷徨いながら、「どうせ死ぬ三人」というポッドキャスト番組を初めて聴いた。
再生ボタンを押した理由は目を惹くアートワークと後ろ向きなタイトル。
三人の男性がボソボソと喋っている。
暗い。
でもほんのり楽しげ。
ふらふらの私に染み入るような聴き心地がした。
私はワンピースを物色するのをやめてどうせ死ぬ三人を聴く事にした。
muroさん、上水さん、imuさん。
それぞれがとても優秀なところと、とてもポンコツなところを同時に併せ持ち、人としてのバランスが取れているとは言い難いけどそこが妙に魅力的。
入り口は失恋を紛らわすための依存先だった気もする。でも気づけばすっかりその面白さに沼落ちしていた。
どうせ死ぬ三人は約束を守らない。
土曜日に配信します、と言って土曜日に配信しない。
プロジェクト会議をしてもプロジェクト開始しない。
依存先間違えたかも?
と思った頃にオフ会やグッズの販売でデレデレさせてくれる。
やはり、たぶん、依存先を間違えた。
いつ更新されるか見当もつかない時間を待ち続け、最新回を見つけると何もかも放り出してイヤフォンを耳にねじ込む。
聴き終えるとすぐにまたいつとも知れない更新を待ち続ける事になる。
これは私だけの症状ではなく、
番組がエックスのスペースでもやろうものなら自分の結婚式の二次会を抜け出してまで参加したリスナーもいたらしい。
みんな、好きになっちゃったよね。
振り回されたけど、会えばやっぱり好きってなっちゃったよね。
そんな「どうせ死ぬ三人」が番組の終了を告げた。
ちゃんと別れを言ってくれてありがとう。
おかげで私たちはメンヘラっていたこの2年間を幸せで楽しかった思い出にできるはず。
寂しいけれど、
「リアルタイムで聴いていたんだぜ!!」って
いつか誰かに自慢する日が来る気がしてます。
大好きでした。