最も大事なのは・・・フィジカル・コンディション!:サッカーW杯ロシア大会2018ベルギー戦直前特集
いよいよW杯サッカー日本代表は初のベスト8進出に向けて、今日(7月2日)の深夜ベルギーとの闘いを迎えます。
ここで予選リーグ対ポーランド戦の可否についてどうこういうつもりはありません。
選手と監督・スタッフ一同、この戦いに向けてのメンタル・コンディションや闘争心は充分に持っていると思います。
ここで最も大事なことは、実は身体的な状態=フィジカル・コンディションではないかと思います。
その点について、できるだけ客観的にこの闘いに向けての日本代表について運動に関連する専門家としての考えだけを記したいと思います。
さて、
今回一番気になることは選手個々のコンディション、特にフィジカルの
部分です。
この点について監督が配慮したからこそ、予選第3戦(ポーランド戦)には6人のスターティングメンバーの入れ替えをし、第2戦までの先発選手のコンディションを充分に保つ意図があったのでしょう。
なぜフィジカル・コンディションが大事かを過去の大会を振り返って考えてみましょう。
過去3大会を振り返ってみると、大きな期待と予想を完全に裏切った
形となった2006年・2014年の大会の総括がいまいちレポートを漏れ
聞いてもよく分からなかったことがあると同時に、
直前まで不安視されていた2010年、岡田監督と当時の選手・コーチ・
スタッフら全員で達成した好成績(あわよくばベスト8まで可能
だった;引き分けPK戦での敗北)の理由と分析が大事な気がします。
全てではありませんが、2010年の場合高地が含まれているということ
もあって、選手のフィジカル・コンディションには専門スタッフを
配して、非常に綿密な計画を立てて成功したという報告(実際に担当
したフィジカル担当者の方の講演)を聞いたことがあります。
一方で、
2014年のブラジル大会ではキャンプ地の選択がどうだったのか?移動
がとても長く、必ずしも選手のフィジカル・コンディションに適して
いたのか?疑問が残りました。
実際、選手たちのコンディションが充分ではなかったという報告もあります(参考図書:「日本サッカー辛航記〜愛と憎しみの100年史」佐山一郎・著、光文社新書、2018.
勝負の分かれ目はフィジカル・コンディションが全てではありませんが
逆にいうと、それさえできていなければあまり結果は期待できない、
とも言えます。
何故ならば、
大会が決勝戦まで約1ヶ月の長期間にわたり、夏を迎えた暑い気候と、試合をする場所もその都度変わり、大きな移動を余儀なくされる場合もしばしばだからです。
体力的な(もちろんメンタル・戦略なども同等に重要ですが)保証が
為されていないと、乗り切れない大会です。
これが必要条件としてかなりの要素を占めていると思います。
岡田監督の2010年大会の場合、直前まで巻き起こる厳しい批判が
かえって監督・選手・スタッフなどの結束力を高め、戦略と戦術を
現実的なものに修正した上で、
しっかりとした体力面での調整が事前にできていた。これらが結果と
してのベスト16進出(予選リーグクリア)を果たせたのではないかと
考えています。
今回も様々な批判を含めた意見がある中で、逆に選手たちの団結心が培われてきたことも確かです。
だからこそ、
選手個々ないし全体のフィジカル・コンディションは万全を果たして
欲しいなというのが、率直な意見です。
選手間のチーム・ワークは恐らく結束力が高まっている、
と期待できますし、
戦略と戦術は、しっかりと立てることは可能です。
あとはやはり体力面でそれらをバックアップすることが実際できるか
どうかが、結果を左右する気がしてなりません。
ちょうど決勝トーナメントのクロアチアが例として参考になります。
PK戦でなんとか勝ちましたが、テレビ解説者のセルジオ越後さんが指摘していたように、この戦いのために充分に休みを取ったはずの先発メンバーが、コンディション(身体的な)の不調としか感じられない重たい・鈍い動きしかしていないことは、とても気になるところでした。
休みを取ったから即絶好調とは言えないということです。
気候も思った以上に蒸し暑いですし、日本選手がその点をクリアできるためのフィジカル・コンディション。
それが全てを左右する必要条件だと思います。
フィジカル万全!を期待してこの闘いをじっくり見ていきたいと思っています。